人気芸人「ぼる塾」のメンバー4人によるリレーエッセイ連載。
当連載を1冊にまとめた書籍『思い、思われ、食べ、ぼる塾』（小学館刊）が好評発売中！メンバーが書籍のお気に入りポイントや見どころ、沖縄撮影でのエピソードを紹介しているので、詳しくは下記の記事をチェック♪
今回は、最近出前ばかりしているというあんりさんのお話。
出前に飽きてしまってから気づいた、熱々の自炊ごはんを食べられる幸せ…。その逆も同じで、自炊をずっとしていると、出前や外食の有り難みを実感しますよね。そんな食のストレスとの向き合い方を教えてくれました♪
「あんりが食べてる姿で米が進むわ」by 田辺さん
CanCamをご覧の皆さま、カムサハムニダ。
今出前で頼んだ韓国料理が目の前にあるので、韓国語で感謝を伝えさせていただきました。
辛いものが無性に食べたくなるときはストレスが溜まっているサイン。
最近、緑色の服ばかり選んでしまっている。
緑を無意識に選ぶときは癒しを求めている。
私はこういう情報をすぐに信じて、ひとつでも当てはまったら自分を労るようにしている。
だから私は多分皆さんより頻繁に自分を労っている。
私にはとっておきの自分の労り方がある。
それはおいしいものを食べる、という簡単な方法。
最近は出前ばかりの生活に飽きているから、できたての温かいものを食べることが私の幸せ。
田辺さん「出前に飽きてるって、あんた今出前した韓国料理を食べてるんじゃないのかしら？」
毎日外食するわけにはいきませんからね。
本当はサムギョプサルが食べたいけど、今日は出前だから熱々じゃなくてもおいしく食べられるキンパと、電子レンジで温めても味が落ちないトッポギを選びました。
出前するときのこだわりは他にもあります。
牛丼は出前で頼むときはつゆだくにすると、ごはんのパサつきをおさえられる。
ピザはハンドトスにすると、すぐお腹いっぱいになって1枚食べきれないので、生地はクリスピー1択。
飽きてしまった後も、工夫して出前を楽しむ。
それがだらしがない私が生み出した生活の知恵です。
でも、どんなに工夫をしても、やはりできたての食べものには敵わない。
熱々の食べものは最強。
熱々の食べものはストレスを減らしてくれる。
今の私はこれを本当に信じています。
皆さんにも信じてもらえるように、私がこれを信じるきっかけになった実体験をお話させていただきます。
こないだ大阪で仕事を終え、新幹線で東京に帰ってきたときのこと。
田辺さんが、前にロケをして最高においしかった東京駅の中にあるごはん屋さんにまた行きたいと新幹線に乗る前に誘ってくれて。私もそれを気に入っていたので、新大阪から東京までの2時間、それが食べたくて食べたくて仕方なくなっていました。
それは田辺さんも同じだったようで、今から食べるものの魅力を2時間の間、新幹線の席が離れていたのでLINEで語られ、まるで今食べているかのような上手な食リポまでされました。
田辺さん「東京までの2時間がこんな長く感じたのは初めてだよ。行きましょう」
ようやく東京駅に着き、ロケの記憶を頼りに私たちは駅ナカのレストラン街のほうへ歩いて行きました。
特に会話もなく、ただただ今から食べるものへの期待を膨らませて進む。
それは10分ほど歩いたときでした。
田辺さん「あら、ここどこかしら」
実はお互いに5分くらい歩いたときには気付いていたのですが、私たちは見覚えのない道を歩いていました。
あまりにもお腹が空いて、すぐには立ちどまれず、先に冷静になった田辺さんが足を止めてくれました。
私「こんな道通ってないですよね」
田辺さん「あっちにあったタピオカ屋さんの前は絶対通ってるのよ。1回戻りましょう」
冷静に決断して先を歩く田辺さんの背中はすごく頼もしい。
タピオカ屋の前まで戻り、思いつく道順を全て歩き、ピンと来ない道も一応歩きましたが、辿り着く場所はいつも見覚えのない場所。
田辺さん「ないねぇっ！！あの店どっかに歩いて行った？ラピュタじゃないんだからっ！！」
田辺さんが本当に例えたかったのは多分、ハウルの動く城だけど、ストレスが溜まってイライラしてるのは大きな背中から伝わってきていたし、私も同じ気持ちだったので間違いを訂正するのはやめておきました。
私「あきらめて前に行った焼肉行きます？」
田辺さん「そうするしかないねっ！」
焼肉を妥協で選んだ件については、改めて謝罪会見したいです。
本当に気の迷いでした。
申し訳ありませんでした。
私たちはまったく予定になかった焼肉に行きました。
完全に違う口だった私たちは、人生で初めてテンション低めに焼肉屋に入りました。
乗り気じゃなかったからどちらが頼んだかわからない牛タンを私たちは同時に頬張りました。
熱々の牛タンがコリコリコリコリ、私と田辺さんの口の中で素敵な音色を奏でます。
そして、牛タンは私たちが噛むたびに旨みを広げるのです。
牛タンが広げた旨みを敷いて花見をしたら、どんなに素敵でしょう。
すみません、忘れてください。
田辺さん&私「かあー！おいしい！！！」
私たちは先ほどまでストレスを感じていたのが嘘かのように満足しました。
いいえ、むしろ先ほどのストレスがあったから、よりおいしく感じているのかもしれません。
というのも、私たちはこの焼肉屋には前も来たことがあり、今回は2回目。
元々おいしい焼肉屋だからリピートしていますが、初回の感動というハンデを乗り越えて、今回の感動が確実に上回ったのです。
ストレスって悪いことばかりじゃない。
ストレスを感じたことがあるから、幸せの有り難みがわかる。
ストレスは、幸せをよりおいしくするスパイスにもなる。
だから、出前も自炊の有り難みを感じるスパイスになるので、これからも工夫して続けていきます。（あんり）
★ぼる塾連載は毎週日曜夜配信予定です！お楽しみに★
本連載から36回分のエッセイを厳選セレクトして掲載。巻頭には32ページにわたり、沖縄で撮影されたほっこり癒される4人のグラビアを収録。その他、ぼる塾自身が初めて語った「ぼる塾」についてのロングインタビューなど、ぼる塾の魅力が詰まった永久保存版！書名：思い、思われ、食べ、ぼる塾。
定価：1,980円（税込）
体裁：288ページ ※とじ込みスペシャルステッカー付き／B6 変形判
発行：小学館
▼沖縄ロケのバックステージ動画もCanCamYouTubeチャンネルにて公開中！
▼バックナンバーはこちら！
第13回 あんりさんの回「あんりが分析！田辺さんがモテる理由」
第17回 あんりさんの回「できなかったことより、できたこと」
第21回 あんりさんの回「みんなへ伝えたいありがとうの気持ち」
第64回 はるちゃんの回「自分のわがままを詰め込んだYouTube」
第71回 田辺さんの回「初のDIYと初のSexy Zoneツアー」
『猫塾』と『しんぼる』が合体したお笑いカルテット。現在、酒寄希望さん（写真左）が育休中のため、きりやはるかさん（中央左）、あんりさん（中央右）、田辺智加さん（右）のトリオで活動中。
酒寄さんが育休中にnoteで書き綴った、笑えて心温まるぼる塾エッセイが書籍化！『酒寄さんのぼる塾日記』（¥1400／ヨシモトブックス）発売中。
©吉本興業／マガジンハウス芸能界でも指折りのスイーツ通で知られる田辺さん初の書籍。『あんた、食べてみな！ ぼる塾 田辺のスイーツ天国』（¥1,430／マガジンハウス）発売中。
『ぼる部屋』毎週木曜 24:15-24:25 KBC 九州朝日放送にて放送中。
『ラヴィット!』毎週月曜～金曜 8:00-9:55 ※月曜レギュラーTBS系にて放送中。
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