「ぼる塾」あんりが語る、はるちゃんとの出会い【思い、思われ、食べ、ぼる塾。vol.1】

CanCam2021年5月号『オトナきれいに変身』企画にて、普段とはひと味違う姿にイメチェンし話題となった人気芸人のぼる塾。

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CanCam.jp（キャンキャン）

今や、テレビで観ない日はないほど大人気！のみなさんが今回、メンバー4人による連載をCanCam.jpにてスタート！

各回1人ずつ、リレー形式で日々の何気ない出来事や感じたこと、過去のとっておきのエピソードなどを日記のようにゆるりと綴ります。

記念すべき第1回目の担当は、あんりさん。

ぜひ、肩の力を抜いて、読んでくださいね。

「幼馴染で仕事ができるって幸せなことよね」by田辺さん

はじめまして。ぼる塾の婚活担当のあんりです。

いきなりですが、私は幼馴染のはるちゃんに誘ってもらって芸人になりました。

そうです。はるちゃんに誘ってもらわなきゃ、こうしてCanCamの連載をさせていただくこともなかったということです。
なので今回は自己紹介がてら、はるちゃんとの思い出を書いていこうと思います。田辺さんも酒寄さんも知らないだろうし、はるちゃんも覚えていないだろうからよかったら読んでね。

小学校一年生のとき。
入学して初めての掃除の時間。
私はよりによって苦手な雑巾掛けに選ばれてしまいました。
肥満児にはとてもじゃないけど、きつい体勢で一生懸命に頑張っていた私に

「おそーい！！おもろ！！」

そう言ってきたのが、クラスメイトだったはるちゃんでした。
今思えば、はるちゃんは昔からはるちゃんでした（ほめ言葉です）。
なんで仲良くなったのか本当に全く覚えていない。
気付いたら一緒に帰るようになって、学校から帰ったら家の外からはるちゃんの「あんりー！！」と呼ぶ声が聞こえるようになって、放課後も休日も一緒に遊ぶようになって、気付いたら私たちは幼馴染になっていました。
まさか二十六歳になってもまだ一緒に居て、相方になってるなんてこの時には全然想像してなかったけどね。

安心して、まだまだあるよ。
はるちゃんがはるちゃんっぽい、昔話。

小学校六年生の時。
担任の先生から社会の宿題が出たときの話です。

「次の社会の授業では、教科書の今日やったところの次のページをしっかりと読んでおいてください。それが今日の宿題です」

正直これラッキーじゃないですか？
読んでおくだけって楽だし、ぶっちゃけるなら読んだふりをしちゃえばいいって思ってました。
まあ私も子供だったしね、かわいい若気の至りよ。
でも、ちゃんと罰が当たるのよね、こういうときって。

次の社会の授業。
先生はいきなり生徒たちの教科書を回収し始めたんです。
「さあ宿題をやってきたか確認するぞ。読んできてと言ったページの内容を覚えているのは当然だよな」

あちゃー。
先生は私の悪巧みなんてお見通しでした。
教室を見渡すと、みんな私と同じ表情をしていました。
子供が考えることなんて同じようなものなんだな、なんて呑気に笑ってしまいそうだった。
というのは嘘で、心臓がブルブルと震えていました。

「さあ、教科書をきちんと読んで、内容を覚えてるって人は手を挙げて」

往生際の悪い奴らばかり。
クラスの全員が嘘つきの表情で手を挙げて、きっとみんな心の中で願っていました。
どうか自分以外をあててくれ！！
もちろん私も、ご丁寧に目まで瞑って願っていました。

「ひとりだけ手が挙がってないな。はるか、どうした。やってこなかったのか」

先生の言葉に教室がざわついて、みんなの視線の先には、手を挙げていないはるちゃんがいました。

「すいません。寝てて聞いてませんでした。なんでみんな手を挙げているんですか」

予想外の展開で、先生はしばらく唖然としていたと思います。
全員がただただはるちゃんを見て、黙っていました。
それはきっとほんの少しの時間だったのでしょうが、その沈黙はすごくすごく長い時間に感じました。

まだ戸惑ったままの先生の声が、沈黙を破りました。

「はるか、昨日出した社会の宿題やってきたか？」

「漢字が読めないので、読んでません」

はるちゃんの返答にいちばん先に笑ったのは先生でした。
先生の笑い声に緊張が解けて、みんな一気に笑い始めました。

これは今だからわかるのですが、
いやもしかしたら私が美談を作り上げてしまっているのかもしれませんが、
先生が出した宿題は社会の教科書を読んでくることではなく、読まなかったことを正直に言うことだったんじゃないかなと思います。
先生の宿題を出来たのはクラスではるちゃんだけでした。

はるちゃんは、今でも正直者です。

なので、はるちゃんは優しい嘘もついてくれません。
（こないだ田辺さんが劇場で、先輩に「やせた？」と言われたと喜んで、私とはるちゃんに報告してきたときも「やせてません」とわざわざハッキリ言ってました。田辺さんは「やだ！ウケるー！！」と大爆笑していました）。

はるちゃんは、言わなくてもいい余計なことも言ってしまいます（こないだ私が新しく買った黒いキャップ帽子を被って行ったら、「おニューの帽子？似合う！監督っぽい！」と言われたので、皆さんの思う八倍ブチギレました）。

はるちゃんは、人とのコミュニケーションも上手ではありません（単独ライブの日に劇場に来た酒寄さんにはるちゃんが興奮して、「ママーーー」と抱き着いたら、酒寄さんはまだ荷物も置いていない、座ってもいないまま帰ろうとしていました）。

はるちゃんは、ぼる塾の中でいちばん笑います（基本何でも笑いますが、田辺さんがスベったときはちゃんと笑いません）。

はるちゃんは、ぼる塾が好きだといちばん言葉にします（ぼる塾四人のグループ LINEで毎日のように他愛もないことを呟いて、みんなが反応するとうれしくて、また余計なことを言って最終的には全員から既読無視されます）。

小学校のときから一緒にいますが、はるちゃんは今が幸せそうです。

こんなはるちゃんに芸人をやろうと誘ってもらったおかげで、今の私はいます。

ここまで読んでくれてありがとうございました。

次回は何話そうかな。（あんり）

★ぼる塾連載は毎週日曜夜配信予定です！お楽しみに★