人気芸人「ぼる塾」のメンバー4人によるリレーエッセイ連載。
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今回は、もうすぐお誕生日を迎える酒寄さんのターン!
知っているといい意味で日常が「楽」になる、酒寄さんの素敵な考え方のお話。自分の頭の中だけだと、行き詰まってしまったり苦しくなってしまうことがある人にとって、「無理しなくていいんだよ」「完璧じゃなくていいんだよ」って言ってくれてるような酒寄さんの考え方に、救われる人も多いはずです。
「根暗流!省エネポジティブ!」
皆さんこんにちは。ぼる塾の酒寄です。これを書いている今、桜が咲いているのですが、昔母親からこんなことを言われました。
母親「あなたの名前は希望か桜で迷ったのよ」
それを聞いてから毎回桜を見るたびに、(私とあなたは同じ名前だったかもしれないんだよ)と、桜の木からしたら超どうでもいいテレパシーを送っています。
…そんな私も4月で35歳になるのですが、私は34歳の目標を「機嫌良く生きる」にしていました。今回はその目標で1年間過ごした結果を報告したいと思います。
ここからはすべて私の個人的な意見なのですが、1年で感じたことは、常に機嫌良く生きなくてもいいということです。私は根暗なので「いつもいつでも機嫌良く!」と、思って行動すると、それが強迫観念になり余計な疲労になりました。根暗でも楽しいことやうれしいことがあれば自然に機嫌は良くなるし、基本の感情なんて「無」の状態でいい。「今機嫌良くなっておいたほうがいいかも?」と感じたときに、機嫌が良くなる思考へ持っていけたら充分だと思いました。
それではこの1年で身につけた機嫌が良くなる方法をお伝えします。根暗流!省エネポジティブな生き方!
① 運動をする
運動は体にも心にもいいということは聞いていたのですが、私は運動神経が悪いのでずっと苦手でした。運動とは辛く苦しくしんどいものであると長年思っていました。しかし、気づいたのですが、
運動が苦手な人って、自分がすごく苦しくなってしまうまできちんと運動をしようとする、真面目人間なのではないか?
そう思ってからは、自分は運動神経が悪いのではなく、真面目な人間であるという誇りを胸に、運動は辛くなる前にやめるようにして程よい距離感で体を動かすようにしました。そうすると、運動は楽しいものになりました。
② 人の心はわからない
たまに「どうしてあの人はこんなことを私に言うのだろう?」と思うことがあります。そういうときはずっとその人のことを考えてもやもやしてしまいます。例をあげると、「最近ずっと疲れた顔しているよね」などの絶妙なラインの言葉です。そういうときは、ドラゴンボールのピッコロさんが優しい眼差しで同じことを言っているところを想像します。すると、あら不思議。言葉によってはそんなに不快感を抱かないこともあるのです。
私「(ピッコロさん、私の変化に気づいている!それだけよく見てくれているってこと?)」
むしろちょっとうれしいときもあります。そうなった場合、私が同じ言葉で不快に思ったなら、
「私はその言葉を放った人のことを性格が悪いと思っている」と、いうことだけが事実です。
人の心はわかりませんが、私がその人のことを性格が悪いと思っていることは確実なので、「私はその人のことを性格が悪いと思っている」で終わらせるようにしました。あ、ピッコロさんは私のリトマス試験紙なので、ピッコロさん好きでない人がピッコロさんで試すとピッコロさんの好感度が下がるだけなのでやめてくださいね!
③ 特別な人間になる
勢い余って横からコーヒー缶に手刀してコーヒーの粉をぶちまけたり、勢いよくラップを切り過ぎて皿が舞い上がり、中身をぶちまける日があります。そういうとき、
「自分は超怪力で普段は力を抑えて暮らしているけど、たまに力加減を間違えちゃうキャラなのだ」と、思うと落ち込まなくなります。
「ヤバっ!今の誰にも見られてないよね?!」と、小芝居を入れるとよりリアルになります。ちなみに私は昔何かの秘密組織の一員として活躍していたけど、よしもとの養成所に入るために組織を引退。引退する前の組織でのコードネームは「小雨」というところまで決めています。
④ 言葉の宝を集める
ぼる塾のライブでお世話になっている構成作家さんがいます。あるライブの後で反省会に付き合ってくれたのですが、私が「こんなに反省しなきゃいけないことがあるなんて。今年35歳なのに」と言ったところ、
作家さん「反省するということは伸びしろがあるってことです。35歳でこんなに伸びしろがあるなんて最高じゃないですか。素敵なことですよ」
そう言ってくれました。周りの人が自分に向けてくれた優しい言葉は一生の宝物になります。私はそれらの言葉をたまに心の宝箱から取り出し、ひとりしみじみします。ちなみに、その作家さんが「酒寄さんは漫才のとき、声が電話に出るときのお母さんみたいにちょっとよそゆきの声になる」と滅茶苦茶的確な指摘をくれて、その言葉も宝箱に入っています。
⑤ みんなに自分も入れる
私はどうしてもネガティブが止まらないときなど、「ああ〜、こんな面倒くさいやつとみんな一緒にいたくないよな〜」と思うことがあります。あるとき、このみんなって「私自身」も入るよなと思いました。私だってこんな面倒くさいやつといたくない。そう思ったとき、
「私もこの面倒くさいやつから逃げなきゃ!」と私自身が面倒くさい自分から逃げるという選択肢が生まれました。
それからは面倒くさい自分が現れたとき、「やべっ!相手にしないで逃げよう!そしてつづ井さんの漫画を読もう!」と無駄なネガティブ時間を短縮できるようになり、つづ井さんの漫画という絶対的な回復魔法に早く辿り着けるようになりました。私が逃げられたら周りのみんなも面倒くさい酒寄から逃げられることになるので、いいことしかないですね。
⑥ 私は生きている
大事な日に肌荒れ、何かを拾って立ち上がったら頭を強打、ゴミ袋の口を閉め終わった後に発見するトイレットペーパーの芯などにぶち当たったとき、
ああ、私は生きているな〜と思うようにしました。
床に寝転がって大の字になって声に出して、「ああ〜生きているな〜」と言うとより効果的です。
以上がこの1年間での気づきです。
最後に、①で出した運動ですが、私は(場所を選んで)突然踊るようになりました。格好いいダンスではなく、揺れるだけのタコのような踊りです。
私が突然踊り出すと、田辺さんが「見て、酒寄さん踊ってるよ!」と言います。するとあんりちゃんが「踊ってもいいだろ!」と踊っている私を肯定してくれます。はるちゃんは一緒に踊ってくれます。田辺さんは私が踊り終える最後までずっと見ていてくれます。そんな34歳でした。とても楽しかったです。ありがとうございました。(酒寄)
★ぼる塾連載は毎週日曜夜配信予定です!お楽しみに★
本連載から36回分のエッセイを厳選セレクトして掲載。巻頭には32ページにわたり、沖縄で撮影されたほっこり癒される4人のグラビアを収録。その他、ぼる塾自身が初めて語った「ぼる塾」についてのロングインタビューなど、ぼる塾の魅力が詰まった永久保存版!
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体裁:288ページ ※とじ込みスペシャルステッカー付き/B6 変形判
発行:小学館
▼沖縄ロケのバックステージ動画もCanCamYouTubeチャンネルにて公開中!
▼バックナンバーはこちら!
第13回 あんりさんの回「あんりが分析!田辺さんがモテる理由」
第17回 あんりさんの回「できなかったことより、できたこと」
第21回 あんりさんの回「みんなへ伝えたいありがとうの気持ち」
第64回 はるちゃんの回「自分のわがままを詰め込んだYouTube」
第71回 田辺さんの回「初のDIYと初のSexy Zoneツアー」
『猫塾』と『しんぼる』が合体したお笑いカルテット。現在、酒寄希望さん(写真左)が育休中のため、きりやはるかさん(中央左)、あんりさん(中央右)、田辺智加さん(右)のトリオで活動中。
『猫塾』と『しんぼる』が合体したお笑いカルテット。現在、酒寄希望さん(写真左)が育休中のため、きりやはるかさん(中央左)、あんりさん(中央右)、田辺智加さん(右)のトリオで活動中。
酒寄さんが育休中にnoteで書き綴った、笑えて心温まるぼる塾エッセイが書籍化!『酒寄さんのぼる塾日記』(¥1400/ヨシモトブックス)発売中。
©吉本興業/マガジンハウス
芸能界でも指折りのスイーツ通で知られる田辺さん初の書籍。『あんた、食べてみな! ぼる塾 田辺のスイーツ天国』(¥1,430/マガジンハウス)発売中。
『ぼる部屋』毎週木曜 24:15-24:25 KBC 九州朝日放送にて放送中。
『ラヴィット!』毎週月曜~金曜 8:00-9:55 ※月曜レギュラーTBS系にて放送中。
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