日曜日に仕事のことを考えると憂うつ…。克服する方法はありますか?【精神科医監修】

好きなことができて、リフレッシュできて楽しい土日。でも、その終わりが見えてくる日曜の夜、月曜からの仕事のことを考えると、なんだか憂うつになり、どんどん考えなくていいことまで考えてしまって眠れない…。特に仕事に迷いや悩みがある時期だと、ついついやってしまいますよね。

この「あるある」なお悩みを解決する方法について、「おおざっぱに笑って健康に生きる」をモットーに活躍する「ラフドクター」、精神科医・産業医の井上智介先生にうかがいました。

「日曜日の憂鬱」の対処法

Q.毎週、日曜の夕方になると「明日仕事イヤだな〜」と落ち込み、仕事のことを考えては不安になって眠れません。一度そのモードに入ると「この仕事で将来大丈夫なんだろうか…」など、いろいろな不安がどんどん出てきて、余計に眠れなくなります。気持ちをラクにするコツはありますか?

A.ラクにしたいなら、考えをライトにして、一度仕事の目的をとらえ直してみましょう

これはいわゆる「サザエさん症候群」と言われているケースです。日曜の夜にこう不安に思うことは変なことでもないですし、無理に抑えることでもありませんよ。

きっと、こう悩んでしまっているあなたは、とても真面目な方なのだと思います。そして「私以外のみんなは仕事が好きで、キラキラ輝いているのに、どうして私はそれができないんだろう…」なんて、周囲とのギャップに悩んでいるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか? 朝の通勤電車に乗る人の顔を見ると、僕にはとてもそうは思えません。みんな口には出さないだけで、「仕事をやらずに済むなら、やらずにいたい」と思っている方も、相当多いはずです。

もしかするとあなたは、仕事を「生きがいでなければいけない」など、少し高尚なものとして考えすぎてしまっているかもしれません。高尚に考えすぎるからさらにしんどくなるのであって、もっとライトに考えてみると、ふっとラクになれる可能性がありますよ。

こういった方には、一度「仕事の目的」をとらえ直してみることをおすすめします。僕は、大概の人に、仕事というものは「お金、スキルアップ、時間つぶし、自己満足」の4つのいずれかに当てはまると思っています。そして、この4つは流動的で、気分によって変化していいものです。「今日は楽しい仕事で、スキルアップにつながった」と前向きに取り組める日もあれば、「今日はやる気ない…」と、時間つぶしくらいの日もある。それでいいんです。

「明日は『お金』。生活費を稼ぐために頑張ろう」と、稼いでいることへのプライドを持つなり、「仕事はイヤだけど、月曜に家にいてもやることないし、『時間つぶし』で行くか」と気楽に構えるなり、仕事に対する向き合い方をちょっと変えていただく。

深刻に悩んでしまいそうになったら一度考えを止めて、「会社に行きたくないけど、とりあえず行って、やるべきことをやって、ときに息抜きに同僚としゃべっていれば、日給換算したら数千円〜1万円くらいはもらえるな。よし、1万円拾いに行くか」くらいの感じで、できる限りライトに考える方向に持っていってみてください。そして、寝ること!

「目的を深く考えすぎないこと」は、心の元気を保つ上で、思っているより大事です。

お話をうかがったのは…

井上智介先生
精神科医&産業医
「おおざっぱに笑って健康に生きる」をモットーにした「ラフドクター」として活躍中。書籍多数。近著に『がんじがらめの心がラクになる「呪いの言葉」の処方箋』『この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ』など。
構成/後藤香織