人気芸人「ぼる塾」のメンバー4人によるリレーエッセイ連載。
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今回は、あんりさんのターン。
初詣でおみくじを引いたり、正月のテレビ番組で占いを見て一喜一憂した人も多いはず。
「おみくじを引きまくっている」という占い好きのあんりさんは、その結果との向き合い方を発見した様子。占いとの上手な付き合い方とは?
「私とあんりって同じ天秤座なのに、全然似てないわよね。うけるー!」by 田辺さん
CanCamをご覧の皆さま、告白させてください。大好きです!
皆さんは年に何回おみくじを引きますか?
これを書いている1月末の現時点で、私は4回引きました。
おみくじを何度も引くのはよくないかもしれないけど、プライベートだけじゃなく仕事でも神社に行けば必ず引いてしまう。
皆さんはおみくじの結果を引きずりますか?
私はおみくじも占いも、結果をだいぶ引きずります。
プライベートで初詣に行ったときに引いたのは、まさかの凶。
結果を見てから結びに行くまでの速度で、周りの人達には言わなくても凶であることがバレていたでしょう。
いい結果のときは財布に入れるから内容を時々確認できるけど、悪い結果のときは結んじゃうから内容もよく覚えてない。
注意しなきゃいけないことを忘れたまま、私は2023年を生きていく。
いちばんいい結果だったのは、仕事で引いたときの吉でした。
こちらの内容はよく覚えている。
幸せではあるが、浮かれるな。
吉の割に少しだけ厳しい内容だった。
現に吉を引いた時点で凶を引いたことを一瞬忘れてしまうくらい喜んでいたから、神様の言うことは正しい。
忘れたままでいるならいいが、ちゃんと凶であったことを思い出してしまうのが私。
本当に厄介だ。
年始に占いの本も買った。
自分の2023年のことが事細かに書いてある。
京都に仕事で行ったときに新幹線に乗るまでの時間で田辺さんとはるちゃんと一緒に買って、酒寄さんのお土産もそれにした。
年始の京都は混んでいて、新幹線の時間変更ができずだいぶ時間があったから、3人でごはんを食べながら占いの本を読み込んでお互いに答え合わせをした。
私は自分の中で2022年が結構波乱な年で、悪いこともいいことも激しかったから、「来年は平和でありますように」と去年の年末頃から、早く2023年になることを望んでいた。
だから祈るような思いで、占いの本を開いた。
今年を乗り越えたら楽になる。
最後の壁。
開いたページにそんな言葉がひときわ大きく目立っていた。
「まだ今年も大変っぽいな、おい!」
思わず少し大きな声を出してしまった私に、田辺さんとはるちゃんは驚いている。
はるちゃん「あんりがついに本にもツッコんだ!」
田辺さん「酒寄さんにLINEで報告するわ」
ふたりはどんなことが書いてあったのか聞いた。
田辺さんは元旦に、急に結婚願望が出てきたと騒ぎ出し、京都の神社で引いた恋みくじも大吉で、占いの本にも今年は結婚に向いてるとあり、さすが有言実行の田辺という結果だった。
はるちゃんは、納得のいくようなことが本に書いていなかったみたいで、「私こういうのあんまり信じないし忘れちゃう」と言っていて、それなのに一緒に占いの本を買ってくれたの優しいねって結論に落ち着いた。
そんなふたりの本を私も見せてもらったら、ふたりの本に書いてあることも当たり前だがいいことばかりではなかった。
でも、田辺さんにもはるちゃんにもいいことだけしか響いてないみたいだ。
ふたりは占いとの向き合い方が上手い。
私もふたりを見習っていい方向に考えることにした。
一瞬でも凶を忘れて吉を喜べる、私にはその才能があるはず。
2022年、気付いたことがある。
子供の頃にはトラブルがあったとき、周りの大人や友達が協力してくれて、必ず解決してから前に進めていた。
だけど、大人になるとトラブルが起きても、おおごとにしたくないからと解決しないまま、前に進むというよりは切り替えて忘れるほうが多かったりする。
とことん話し合って解決する。
それは前に進むためには正しいことかもしれない。
でも、進まなくても、立ち止まってもいいから心を守りたいときもある。
切り替えるというのも簡単じゃない。
綺麗な解決がないから終わりが見えない。
2022年、私はそれを悩んでいたときがあった。
でも、2023年が最後の壁、今年を乗り越えたら楽になる。
考え方を変えたら、プレッシャーだったその言葉が終わりを示してくれる希望の言葉に変わった。
そういえば、なにかに悩んでばかりの年、しんどかった年なんていくらでもあったけど、そのほとんどを私は忘れている。
私は今まで何度も切り替えてきたんだ。
何がしんどかったのかを忘れても、どう乗り越えたのかは身についているはず。
田辺さん「あら、あんり温泉旅行いいみたいよ。ラッキフードは生姜焼き!」
はるちゃん「ラッキースポットお笑いライブって最高じゃん!劇場たくさん出よう!」
有難いことに切り替え上手なお手本が近くにいる。
2023年の私は劇場でお笑いライブに出て、休みの日には温泉旅行に行き、頻繁に生姜焼きを食べる。
そんな風にしながら、最後の壁を乗り越えて、楽に生きよう。
そう決心できた今の私でまたおみくじを引いたら、今度は大吉を引けるかもしれない。(あんり)
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▼バックナンバーはこちら!
第13回 あんりさんの回「あんりが分析!田辺さんがモテる理由」
第17回 あんりさんの回「できなかったことより、できたこと」
第21回 あんりさんの回「みんなへ伝えたいありがとうの気持ち」
第64回 はるちゃんの回「自分のわがままを詰め込んだYouTube」
第71回 田辺さんの回「初のDIYと初のSexy Zoneツアー」
『猫塾』と『しんぼる』が合体したお笑いカルテット。現在、酒寄希望さん(写真左)が育休中のため、きりやはるかさん(中央左)、あんりさん(中央右)、田辺智加さん(右)のトリオで活動中。
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©吉本興業/マガジンハウス
芸能界でも指折りのスイーツ通で知られる田辺さん初の書籍。『あんた、食べてみな! ぼる塾 田辺のスイーツ天国』(¥1,430/マガジンハウス)発売中。
『ぼる部屋』毎週木曜 24:15-24:25 KBC 九州朝日放送にて放送中。
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文/あんり(ぼる塾) イラスト/mame 構成/田中絵理子