慰めるの意味とは?慰められることの効果と友達の慰め方

慰めるには何をすればいい?友達・恋人を慰めるコツ&NG行動も

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失敗したときや失恋した時などには、誰かから慰めてほしいと思うこともあるでしょう。今回は慰めることの効果や方法、注意点などをまとめました。友達をどうやって慰めたら良いか迷ったら、参考にしてみてくださいね。

「慰める」とは。意味をチェック

まずは「慰める」の意味や、英語の表現をチェックしてみましょう。

慰めるの意味

なぐさ・める【慰める】
[動マ下一][文]なぐさ・む[マ下二]
1 何かをして、一時の悲しみや苦しみをまぎらせる。心を楽しませる。心をなごやかに静める。「失意の友を―・める」「音楽に―・められる」
2 労をねぎらう。いたわってやる。
3 なだめる。すかして落ち着かせる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

自分で自分のことを慰めることもあれば、他人から慰められることもありますよね。多くの人は、友達や恋人が悲しそう・辛そうにしているときに「慰める」という行動に出るのではないでしょうか。

「慰める」と「励ます」との違い

「慰める」と似た言葉に「励ます」がありますが、違いはどこにあるのでしょうか? 励ますの意味も見てみましょう。

はげま・す【励ます】
[動サ五(四)]
1 気持ちが奮いたつようにしてやる。元気づける。力づける。激励する。「病床の友を―・す」
2 声などを激しくする。強くする。「言葉を―・して説得する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

慰めるの場合は相手を労わるだけで、それ以上何かをさせようとすることはありませんが、励ますの場合は「君ならきっとできる!」など、相手を鼓舞することもあるのが違いといえそうです。

慰めるの英語表現

「慰める」は英語では

  • console
  • comfort

などを使って表現します。「I tried to console her.(彼女を慰めようとした)」のように使います。

「慰める」ことの効果とは?

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では友達などから慰めてもらうことによって、どんな効果が得られるのでしょうか。30~50代の女性に経験談を聞いてみました。

(アンケート/株式会社クロス・マーケティング QiQUMOにて調査)

1.気持ちが落ち着く

  • 「気持ちが落ち着く」(回答多数)
  • 「気持ちが楽になる」(32歳・無職)
  • 「気持ちが落ち着き安定する。沈んた気持ちが回復する」(44歳・専業主婦)

もっとも多かった答えは、気持ちが落ち着くというものでした。問題が解決するかしないかは別にして、話を聞いてもらえるだけでもホッとしますよね。

2.元気・やる気が出る

  • 「元気になる」(44歳・派遣社員・契約社員)
  • 「元気づけられる」(43歳・専業主婦)
  • 「他の人の考えや優しさで、私のことも考えてくれる人もいるんだと元気になれる」(45歳・その他の職業)
  • 「やる気が出る。頑張ろうという意欲が出る」(58歳・専業主婦)
  • 「モチベーションが上がる」(40歳・派遣社員・契約社員)

慰めてもらうことで元気になったり、モチベーションが上がったりするという回答も。落ち込んでいるだけでは何も解決しませんが、やる気がでてくれば解決策も見つかるかも。

3.前向きになれる

  • 「前向きな気持ちになる」(43歳・自営業(商工サービス))
  • 「自信がつき、前向きな気分になる」(30歳・会社勤務)

前向きな気持ちやポジティブな思考ができるようになるという人も多くいました。自分ひとりで考えているとどんどんネガティブになってしまいがち。誰か信頼できる人から慰めてもらうと少しは前を向けることも。

4.自信がつく・自尊心を高められる

  • 「自信がつく」(40歳・派遣社員・契約社員)
  • 「うれしくなるので、自信がつく。やろうとする気力が増す」(47歳・専業主婦)
  • 「自信が持てる、自己肯定感が上がる」(52歳・会社勤務)
  • 「自尊心を高められる」(47歳・パート・アルバイト)

落ち込んでいるときは自信がなくなりがち。そんなときに身近な人から声をかけてもらうことで自信が蘇ってきたり、自己肯定感が上がったりすることもあるようです

5.癒される・安心できる

  • 「癒される」(37歳・会社勤務)
  • 「自分にも味方はいるんだなぁ、と安心する」(47歳・専業主婦)
  • 「自分が周りから認められているという安心感が得られる」(47歳・専業主婦)

励ましてくれる人は自分の味方だと思えます。失敗などで心細くなっているときには、誰かがそばで話を聞いてくれるだけで安心できるでしょう。

友達や恋人を慰める方法

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1.話をよく聞いてあげる

とにかく相手が話したそうにしていることは、しっかりと聞いてあげましょう。途中で話を変えたりせず、相づちで聞いていることを示してあげるだけでOK。ただそばで話を聞いてもらうだけで、気持ちが軽くなることもあるはずです。

2.気分転換に付き合う

美味しいご飯を食べに行く、パーっと歌いに行くなど、気分転換に付き合ってあげることも効果的。本人の気持ちに合わせて動いてあげて!

3.そっとしておくことも重要

なかなかできないけれど、そっとしておくことも実は大切です。相手が話したくなさそうなのに無理やり話を聞こうとすると逆効果なことも…。心配な気持ちはわかりますが、そこは空気を読んで相手の心地よさそうな方向に切り替えて!

慰めるときにかける言葉のポイント

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1.相手の気持ちに共感を示す

話を聞いたら「そっか」「わかるよ」など、相手の気持ちに共感を示してみて。自分のことを理解してもらえたという安心感が相手を慰めます。

2.最後まで自分は味方であることを伝える

絶望的な気持ちになっているときって、周り全部が敵に見えてしまうことも。そんな気持ちの相手には、味方であることを伝えるのも重要。「味方だよ」と言うことで、話しにくいと思っていることでも話してくれるようになるかも!

3.「できることがあれば言ってね」

相手に寄り添いつつも、あまり押し付けがましい言葉を言わないのもコツです。相手を気遣い、どうすれば相手の気が楽になるのかを考えてみるといいかも! あとは、自分が今まで言われて慰められた言葉があれば、ぜひ使ってみてください♡

慰めるときのNG行動

心配して慰めたいと思っていても、相手の気持ちを逆なでしてしまうことも…。どんな言動が危険なのでしょうか?

1.アドバイスをする

ただ話を聞いてほしいだけなのに、相手から「こうすればいいよ」「ああすればいいよ」とアドバイスばかりされて、げんなりした経験がある人もいるのではないでしょうか? 相手はアドバイスは求めていないかもしれません。相手から「どうすればいいかな?」と聞かれたときだけ答えるようにしてみて!

2.ダメ出しをする

落ち込んでいる本人は自分の何がダメだったのかを知っていることも多いです。それなのに他人から「○○がダメなんだよ」なんて言われてしまったら、さらに追い込まれるだけ…。心配している気持ちから発生するダメ出しでも、相手を傷つけてしまうかも!?

3.相手の問題を軽視する

自分が真剣に悩んだり落ち込んだりしているときに、相手から「だから?」なんてそっけない言葉が返ってきたら傷つきますよね。人によって問題の感じ方・受け取り方は違います。あなたにとって大したことはない問題でも、相手にとっては大問題の可能性も!

落ち込んだとき、自分を慰める心理テクニック

誰かが自分のことを慰めてくれればいいですが、そうでないときもあるでしょう。最後に、自分で自分を癒すための心理テクニックについて、認定心理士の脇田尚揮さんに伺いました。

1.完璧であろうという思い込みから解放する

マジメであることは、社会生活を送るうえでは美徳であり周囲の人たちからも信頼される要因ですよね。でも、あまりにも周囲からの期待に応えようとしたり、自分を押し殺してでもマジメであろうとすると、そのプレッシャーに耐え切れずいずれ心がポッキリ折れてしまいます。これはあなたが本当にしたいことではなく、あなたの心の中にあるインナーペアレント(厳しい親像)にとらわれているのが原因だとされます。そこで、思い切って完璧主義であろうとする姿勢を手放してみましょう。そうすれば、心が軽くなり癒されている自分に気づくはずです。本来、ものごとに正解・不正解はないのですから。

2.あえていつもと逆のことをしてみる

心の疲れは、知らないうちに思い込みにとらわれて、それを習慣化することから生じやすいといえます。心理学者アーロン・ベックは、「人は自分に起きた物事に対して特定の解釈をするために苦しむ」と主張しています。事実そのものが原因ではなく、私達のストレスのほとんどは、自分に起きたできごとに対して与える意味によるものということなのです。実際に私達の身に起きたことではありません。そこで、自分のいつも取っている行動や習慣を、あえて崩して逆のことをしてみましょう。きっとこんなやり方もあるんだ、という気づきが得られるはずです。これら気づきは思い込みから自分を解放し、癒すための土台になってくれるでしょう。

3.否定的自動思考と上手に付き合う

心理学の世界では、自動思考というものがあります。これは、何らかのストレスが加わるできごとがあった時、不快な感情と共に頭に浮かんでくる考えやイメージのことをいいます。この自動思考には、その人の考え方のくせや歪みが現れやすく、ネガティブなほうに偏っていると行動や身体に悪影響を与えるとされます。そこで、自動思考をいったん肯定してあげることが大切になってきます。そのために大切なのは、本当は自分がどうなりたかったかを自問自答すること。自分の本当の感情と向き合い、そのために何ができるのかが分かるだけで、心は軽くなり癒されるといえます。まずは手帳などに書き出すことからスタートしてみましょう。

4.自分を主語にして独り言をつぶやく

自分を癒すのがヘタな人の多くは、自分の感情を必要以上に隠す傾向があります。そのように感情にフタをしてしまいがちな人は、自分の気持ちを上手に表現する会話のテクニックを知っておくと自分で自分を癒せるかもしれません。そのためには、「私は○○だと思う」という自分を主語にした独り言をつぶやくことで自分の気持ちに気づくことがポイントになります。できる限り自分の気持ちを優先すること、そのために自分で自分の感情を知ることを意識しておけば、自己表現できるようになり癒されることでしょう。

【まとめ】

人を慰めるのは、簡単なようで難しいですよね。でも大事な人が落ち込んでいたら少しでも早く元気になってほしいもの。あなた自身の経験や共感力を生かして、そっと寄り添ってあげてくださいね。