職場や学校で、関わり合いになりたくない人とのうまい距離のとり方

職場や学校で、関わり合いになりたくない人とのうまい距離のとり方

男女

人間生きていれば、どうしても苦手な人や嫌いな人が何人かはいるもの。上手くやっていけるならそれに越したことはありませんが、関わることでストレスになるようなら、ある程度距離をとったほうがいい場合も少なくありません。

そこで今回は、「職場や学校で関わり合いになりたくない人とのうまい距離のとり方」をご紹介いたします。

 

■物理的に接触しない距離をキープする

心理学においては身体の距離は心の距離ともされ、親しさによってパーソナルスペースは変わってきます。初対面の人と安心して話せるのは、通常120㎝以上の距離が空いているとき。これは「社会距離」とも呼ばれ、相手に不快感を与えにくい距離です。

しかし、非常に親しい相手との距離は45㎝以内。自然体でこの距離の関係なら、かなり気を許している証拠だと認識されてしまいます。そのため、関わりたくない相手とは、常に120㎝以上の距離感をキープしましょう。そうすれば、いつまでも親密にならずに済むはずです。

 

■自分の深い話をしない・相手の深い話を聞かない

心理学では、自分の情報を相手に伝えることを自己開示と言い、このアクションをされた相手は開示してくれた側に好意を抱きやすいとされています。しかし、この自己開示には広さと深さのベクトルがあり、単に一般的な話題を開示しても親密とは言えないのです。他の人には話さないような内面を、自分にだけ開示してくれたときに、好意の感情はより深まるとされるのです。

そのため、関わりたくない相手とむやみに親しくならないためには、狭くて深い話題をするのは禁物。差しさわりのない一般的な会話で終わらせましょう。そうすれば、嫌味なくなぜか仲良くなれない人だと認識し、相手も必要以上に関わってこないはずです。

 

■忙しい人だというイメージを与えておく

苦手な相手と上手に距離をとる方法のひとつとして、忙しさのアピールがあります。常に忙しく見せることで、この人は忙しい人なんだという印象を与えることが大切です。そうすれば、相手から誘われても「その日には別の用事が……」と言って断りやすい空気になります。それを繰り返していれば、そのうち相手も関心がなくなっていき誘いも来なくなるでしょう。これを心理学では、コミットメントの放棄と言います。

相手があなたに関心がなくなるまで、忙しさをアピールすれば接点も次第になくなっていくのです。

 

■会話のキャッチボールは2往復まで

本来、仲良くなりたい相手と会話をする際には、相手が入り込みやすい話題を選ぶのがセオリーです。そして、YesかNoかどちらかの質問ではなく、相手固有の返答がもらえるような聞き方をすると親しくなるとされます。これが会話のキャッチボールですよね。

教育心理学者のマーティ博士は、こういった盛り上がりが会話には有効だとしています。とすれば、距離を置きたい=親しくなりたくない相手とは、逆の行動をとってみましょう。相手が関心のない話題を提示したりして入り込ませず、質問にはYesかNoでバッサリ答えて、キャッチボールが2往復で終わるように工夫するのです。要するに話題を盛り上げずに終わらせてみましょう。つまらないと感じて、向こうから去ってくれるはずです。

君子危うきに近寄らず、触らぬ神にたたりなしなど、先人も厄介な物事・人とは関わらないほうが争いが生じないことを説いています。確かに人として考えると、どんな相手にも誰に対しても仲良くできたほうが好ましいのかもしれません。しかし、あなた自身が疲弊してまで相手に合わせる必要はありません。あなたの人生を豊かにするために、苦手な相手にはときとして上手に距離をとることを意識してみてはいかがでしょう。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。