セルフケア大事。自分で自分を癒すための心理テクニック
毎日の生活の中で、多かれ少なかれ何かしらのストレスにさらされながら私たちは生きています。だからこそ、自分のケアは大切なこと。自分の感情の変化を無視して頑張り過ぎると、心が風邪をひいてしまうことも。そうならないために大切なのは、セルフケアという発想。そこで今回は、自分で自分を癒すための心理テクニックについてご紹介いたします。
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■完璧であろうという思い込みから解放する
マジメであることは、社会生活を送るうえでは美徳であり周囲の人たちからも信頼される要因ですよね。でも、あまりにも周囲からの期待に応えようとしたり、自分を押し殺してでもマジメであろうとすると、そのプレッシャーに耐え切れずいずれ心がポッキリ折れてしまいます。これはあなたが本当にしたいことではなく、あなたの心の中にあるインナーペアレント(厳しい親像)にとらわれているのが原因だとされます。そこで、思い切って完璧主義であろうとする姿勢を手放してみましょう。そうすれば、心が軽くなり癒されている自分に気づくはずです。本来、ものごとに正解・不正解はないのですから。
■あえていつもと逆のことをしてみる
心の疲れは、知らないうちに思い込みにとらわれて、それを習慣化することから生じやすいと言えます。心理学者アーロン・ベックは、「人は自分に起きた物事に対して特定の解釈をするために苦しむ」と主張しています。事実そのものが原因ではなく、私達のストレスのほとんどは、自分に起きたできごとに対して与える意味によるものということなのです。実際に私達の身に起きたことではありません。そこで、自分のいつも取っている行動や習慣を、あえて崩して逆のことをしてみましょう。きっとこんなやり方もあるんだ、という気づきが得られるはずです。これら気づきは思い込みから自分を解放し、癒すための土台になってくれるでしょう。
■否定的自動思考と上手に付き合う
心理学の世界では、自動思考というものがあります。これは、何らかのストレスが加わるできごとがあった時、不快な感情と共に頭に浮かんでくる考えやイメージのこと言います。この自動思考には、その人の考え方のくせや歪みが現れやすく、ネガティブな方に偏っていると行動や身体に悪影響を与えるとされます。そこで、自動思考をいったん肯定してあげることが大切になってきます。そのために大切なのは、本当は自分がどうなりたかったかを自問自答すること。自分の本当の感情と向き合い、そのために何ができるのかが分かるだけで、心は軽くなり癒されると言えます。まずは手帳などに書き出すことからスタートしてみましょう。
■自分を主語にして独り言をつぶやく
自分を癒すのがヘタな人の多くは、自分の感情を必要以上に隠す傾向があります。そのように感情にフタをしてしまいがちな人は、自分の気持ちを上手に表現する会話のテクニックを知っておくと自分で自分を癒せるかもしれません。そのためには、「私は○○だと思う」という自分を主語にした独り言をつぶやくことで自分の気持ちに気づくことがポイントになります。できる限り自分の気持ちを優先すること、そのために自分で自分の感情を知ることを意識しておけば、自己表現できるようになり癒されることでしょう。
私たちは、何が今の自分を妨げているのか、なぜ不快に感じていて、自分が何を恐れているのかを自覚していないことが時々あります。それは多くの場合、倫理や常識といった思い込みから、本当はつらいのに心の声に耳を傾けていないことが原因です。そして、その傷は完全に癒えることはありません。こういった問題を解決するためには、柔軟性や自分を信じる気持ちを持つことができるように、自分を癒す姿勢が大切になってくるのです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。