一途と息苦しさは紙一重!?心理的に見て一途な人の困ったところ

一途と息苦しさは紙一重!? 心理的に見て一途な人の困ったところ

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一途であることは、恋愛において美徳であると思われがちですよね。でも、一途なのに恋が報われないのはなぜでしょう。もしかしたら、一途であるというのは相手に何らかのネガティブな印象を与える側面もあるのかもしれません。そこで今回は「一途と息苦しさは紙一重!? 心理的に見て一途な人の困ったところ」をご紹介いたします。

■自分だけ特別扱いするというプレッシャー

一途な人の魅力と言えば、まずは好きになった相手のことだけを大切にして、他の異性には目もくれないという点が挙げられます。つまり、自分だけに心を開いてくれるという限定性や希少性が、自尊心をくすぐるでしょう。しかしその反面、“好意の返報性(好意を持たれたら返したくなる心理)”の理論からすると、過剰なプレゼントや好意をもらうとそれを返さなければならないという負担になることも少なくありません。プレッシャーを与える相手と認識されると、敬遠されてしまうケースも。

■柔軟性がなくアクションが極端になりがち

一途な人は興味関心の幅が狭く、それゆえに何かにつけて好きな異性のことに没頭する傾向が高いと言えます。心理学的に“没頭”の状態は、集中している状態と似ていますが、ただ黙々と目の前にあることをこなしていたり、取り組んでいる状態を指します。そして、没頭しているときはその結果さえも全く意識しないとされます。そのため、状況や環境が変わっても最後までやり遂げる、つまり「一途」という枠に縛られ柔軟性がなく極端なアクションを起こしがちなのです。そんな姿が相手や周囲には滑稽に映ってしまうことも。

■同じような行動パターンを繰り返しがち

一途な人は、ひとつのことに一生懸命打ち込むことができる反面、視野が狭く新しい人間関係に手を出さない傾向があります。そのため、自分の価値感を世の中の常識と捉えたり、ものの見方が一方的な場合が多いでしょう。これを心理学においては“認知バイアス”と呼びます。そのため、同じような行動パターンになりがちなので、そこが相手にとっては面白みがないと感じる場合も少なくありません。最初は良い人なのかなと感じても、関わってみると退屈に感じてしまう可能性が高いのです。

■好意のエネルギーバランスを取りにくい

一途な人は、好きな異性にかけるエネルギーが必然的に強くなると言えます。「この人しかいない」、「自分にはこの人がすべて」だと思い込むため、相手にも同じくらいの好きのレベルやエネルギーを求めるところが。それが得られないと不満を相手にぶつけてしまうことも。これは例えば、仕事で手伝ってあげたのに「ありがとう」という感謝の言葉が貰えず、相手にイライラしてしまうケースに近いと言えます。この心理は社会学者ホーマンズの“社会的交換理論”で説明されており、それがいき過ぎると束縛や支配欲に繋がる危険性もあるのです。

おわりに

付き合っている状況であれば、一途であることを相手に求める人は多いと言えます。しかし付き合っていない場合、一途であるというのは自分を束縛する相手という脅威を与えてしまうことも少なくありません。つまり、一途さが魅力と映るのかそうでないのかは、対象となる相手との関係性で変わってくるものであると言えます。そのため、関係が浅い段階で「自分は一途である」ということをアピールしても、あまり響かないケースが多いかもしれません。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。