東京西川・日本睡眠科学研究所認定
スリープマスター 杉原桃菜さん
■快適寝具の条件は「温かさを逃さず、湿気を逃がす」ものを
冬の寝具は“保温性”と“放湿性”に優れたものを選びましょう。体温を閉じ込めて、外の冷たい空気を通さずに温かさを保つことはもちろんのこと、寝具内の湿気をうまく発散させることも大切。
人間は睡眠中に、約コップ一杯程度の汗をかくので、汗による湿気をふとんの外に上手に逃がさないと蒸れた状態になり、寝冷えの原因になります。羽毛ふとんをはじめ、ウールやカシミヤのような天然繊維の毛布は、保温性と放湿性に加え、吸湿発熱性も高いのでおすすめです。
■ウールなど天然繊維なら内側に、合成繊維は外から
寒いからと寝るときにたくさん着込んだり、掛け寝具を何枚も重ねると、身体は圧迫感を感じてしまいます。その結果、寝返りが打ちにくくなって快眠の妨げに。
理想的なのは、軽量で保温性の高い掛けふとんと毛布の2枚重ね。寒いときは、軽くてやわらかなウールなどの毛布を掛けふとんの内側(肌面)に1枚プラスするだけで、寝具内の温度と湿度が調整され、心地よく眠ることができます。
ただし、アクリルなどの合繊繊維の毛布は、保湿性には優れるものの放湿性が弱いため、掛けふとんの外側から掛けると温かさを閉じ込めてくれます。
■上からではなく、下からの温めも重要!
掛け寝具の温かさだけをつい意識しがちですが、実は、敷き寝具の保温性も大切。冬場は、発熱や保温機能のある「敷きパッド」や「パッドシーツ」をプラスすると、背中からも身体が温まるので、冷え対策に効果的です。
その他にも、肌にいちばん近い寝具のカバーを冬仕様に変える、寝る前にあらかじめ湯たんぽをふとんの中に入れておくのも、おすすめとのこと。
自宅ではウールの毛布を使っていましたが、「毛布は、羽毛ふとんの上から使うといい」という言葉だけを信じて、上にのせていました……素材によって重ねる順番は違っていたとは! これで今日からあったかく寝られそうです。(さとうのりこ)
■取材協力:東京西川(西川産業) http://www.nishikawasangyo.co.jp
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