簡単そうで地味に読めない。「燕子花」って、読めますか?

1文字なら簡単に読める漢字でも、組み合わせによっては意外な読み方に変わってしまうことがあります。たとえば、「比目魚」「急度」「叩頭く」など。どれも漢字そのものは難しくないのに、初見でパッと読める人はなかなかいなさそうですよね。
そんな「読めそうで意外と読めない日本語」クイズから、本日チャレンジしていただくお題はこちら!

燕子花」。
こちらも、漢字の1つ1つはそんなに難しくない印象です。でも、いざ読もうとすると「……なんて読むの?」と迷ってしまう人が多いかも。
こちらの日本語、いったい何と読むのでしょうか?

■ここでヒント!

・ヒント1 植物の名前
「燕子花」は、とある植物の名前です。その植物は主に湿地に群生していて、5〜6月に花の見頃を迎えます。

・ヒント2 授業で習ったかも
「燕子花」は、ある有名な和歌のモチーフとして『伊勢物語』に登場します。学生時代に授業で習った人は、結構多いかも。

・ヒント3 ○○○に似ている
「燕子花」は、細長く伸びた剣状の葉の中心から、濃い紫色の花がスラッと立ち上がるように咲く植物です。花びらの一部がふわっと垂れ下がる形は、アヤメやショウブとよく似ています。

ちなみに、「燕子花」をひらがなで書くと「か○○○○」の5文字です。

さて、そんな「燕子花」の読み方は? この辺りで正解を見てみましょう。

■正解は、こちら!


「燕子花」の読み方、正解は「かきつばた」でした。

『伊勢物語』に登場する「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ」という、在原業平による有名な和歌は、頭文字を「かきつばた」と掛けたものです。「燕子花」は昔、布を染色するための植物として使われていました。このため「書き付け花」と呼ばれており、それが転じて「かきつばた」になったのではないかと言われています。

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(豊島オリカ)