蛯原友里「子供が産まれたことで、すべての価値観が変わった」|歴代モデルを直撃Vol.20【創刊40周年記念】

『AneCan』卒業後、モデルとして母としてはじめての経験も

CanCam創刊40周年を記念して、歴代のOGモデルをクローズアップするスペシャル連載。専属モデル時代から今日までの軌跡を振り返りつつ、今だから話せる撮影裏話やプライベートなお話など、自分らしく輝き続ける彼女たちのリアルなメッセージをお届けします。

第5弾は、“エビちゃんブーム”という社会現象を巻き起こし、数々の伝説を作った愛されモデル、エビちゃんこと蛯原友里さんが登場。

エビちゃんがCanCam編集部にやってきた!【画像6枚】

蛯原さんが「CanCam」を卒業し、「AneCan」へ移籍したのが2009年。初めて求められる“大人っぽいエビちゃん”に戸惑いながらも、持ち前の前向きな性格で乗り越え、モデルとしてさらに大きな一歩を踏み出した蛯原さん。さらに結婚&出産という、人生の大きなターニングポイントを迎えると同時に、モデルとしては、ワーキングママ雑誌「Domani」や美容系雑誌に登場し、世代を超えて愛される存在に。最終回となる今回のインタビューでは、現在2児の母でもある蛯原さんの“今”をネホハホさせていただきました♪

↓これまでのインタビュー記事はコチラ

★蛯原友里「脚コンプレックスから生まれたポージングが、自分らしさに繋がって…」|歴代モデルを直撃Vol.17

★蛯原友里、高いプロ意識で成立した「伝説の赤い水着表紙」秘話|歴代モデルを直撃Vol.18

★蛯原友里、“エビちゃんっぽさ” に悩んだ「AneCan」時代|歴代モデルを直撃Vol.19

出産をして、すべての価値観が変わりました

 ーー「CanCam」時代と現在の撮影現場で変わったと思うことはありますか?

「フィルムカメラは見かけなくなりましたよね。当時は、本番撮影の前にポラロイドを使って画角の確認をしたりもしていて、“ポライチ”(ポラロイドの試し撮り写真がイチバンいい表情だったりかわいかったりすること)という言葉があったり(笑)、思い出すと懐かしいです。『CanCam』の頃は、撮影後に自分の写真をチェックするのもパソコンのモニターではなく、現像されたネガをルーペで見ていました。あと、撮影現場と言えば、『CanCam』時代は企画によってモデルもヘアメイクも多くて、現場に何人いるの!? っていうくらい大所帯でしたが、今はモデルがひとりのことも多いので、久しぶりに組みカット(数人でわいわいと撮影)の撮影がしたいなって思います。あとは1日に3、4本の撮影とか、早朝からの撮影がなくなったのは少しありがたいです(笑)」

ーー撮影現場で、いちばん大切にしていることは?

「企画内容について、スタッフの方々としっかり意思疎通をすることです。どういうシーンやシチュエーションをイメージするか、どんな女性像か、それが把握できないと、表情やポージングを考えるのが難しいので。それと、カメラマンさんやスタッフさんとの関係や現場の雰囲気はとても大事! 私はそういうところが写真に出てしまうタイプなので…できるだけ穏やかなムードでいることを心がけています」

ーー「CanCam」卒業後、転機になったことは?

「卒業後に、いろいろな雑誌に出させていただけるようになって、モデルとしての幅が広がったような気がします。現場の雰囲気も雑誌によって違うのでそれも楽しくて。あとは、やっぱりママになったことかな。子供が産まれたことで、仕事だけではなくて、いろいろな価値観が変わったと思います」

「CanCam」専属モデル卒業後、「AneCan」「Domani」など様々なジャンルの雑誌で活躍。ママになっても、変わらずの美しさとスタイルで、モデルとしてだけではなくライフスタイルも注目される存在に。最初は育児と仕事の両立に戸惑ったそうですが、今ではご主人や家族のサポートもあり、自分なりに上手にバランスが取れていると言います。

ーー忙しい毎日で、モチベーションはどうやって維している

「私の場合は、とにかく現場に行くことが楽しみなんです。現場に行くと勝手にモチベーションが上がるから(笑)、そこにポジティブな自分の気持ちを持っていくことが大切かな。体の調子を整えるのも大事で、週に1回か10日に1回はジムに行くようにしています。トレーニングで体を鍛えてゼロにする感じ。体の姿勢や気持ちなど、いろいろなものを元に戻して、肉体も精神も整えると頑張れちゃいます。生活習慣を整えることで、自然に切り替えができているのかもしれないです」

家ではなるべく“笑っているママ”でいるように!

ーー育児や家事、そして仕事の両立、大変なことは?

「今もまさにそうなのですが、とにかく時間がないこと! トレーニングに行く時間でさえ調整するのが大変です。だからこそ、これまで以上に時間の大切さとありがたさを実感しているような気がします。最近生まれた娘も夜なかなか寝てくれず、睡眠不足になったり、長男が急に風邪をひいたり…とにかく予想していないことが起きて、その都度あたふたして、一気に“仕事モード”から“家庭モード”になってしまうことも(笑)。それでも、なんとか家族の支えで乗り切れています」

ーー“自分時間”はどうやって作っているの?

「まったくないです! 子供たちを寝かしつけた後に自分の時間を作る方も多いと思うんですけど、私は一緒に寝ちゃってます(笑)。寝落ちしちゃうんですよ…。なので、自分の時間が欲しいときは、朝早く起きるようにしています」

ーー今、ハマっていることは?

「今は時間がなさすぎて、何かにすごく時間を割くということができないのですが、たまの空き時間で観るNetflixが至福です♡ ハマっているのは『NYガールズ・ダイアリー 大胆不敵な私たち』。シーズン4が始まったので、楽しみ!」

ーー落ち込んだとき、自分なりの前を向く方法はありますか?

「やっぱり身近な人に相談すること。相談っていうよりは、話すことですね。私はあまり悩みや不満を溜めないタイプで、何かあっても誰かに話したらスッキリしちゃうんです。友達と集まって盛り上がって、みんなで色々なことを言い合ってストレスを発散しているのかな。最近は、ママ友との集まりが多いですね。話題もだいたい、子供のこと、夫のこと、家族のことに」

ーー家族の中では、自分はどんな役割だと思いますか?

「自分でもなんだろうって思って、実はこの間、夫に聞いてみたんです。そしたら『シンプルに元気を与えてくれる存在じゃない?』って。夫は本当に優しくて細やかで、何事も上手にまとめてくれるタイプなので、夫婦のバランスがいいのかもしれないです。広い心で守ってくれている存在というか。私自身は『ママが笑っていれば、みんな大丈夫!』っていう考えで、なるべく笑っていることを心がけているので、“元気を与える存在”と言われてうれしかったです」

蛯原さんがいるだけでその場がパッと明るくなり、誰もが自然と笑顔になってしまうのは、蛯原さん自身が“笑顔でいること”を大切にしているからなのかも。モデルとしての“ONエビちゃん”はもちろん、内面から出るポジティブオーラや飾らない自然体の“OFFのエビちゃん”も、最高にカワイくて、まさに誰からも愛される存在♡

私にとって『CanCam』はパワースポット!

ーー今、モデル以外に取り組んでいることは?

「新しい挑戦と言えば、美容番組のMCをやらせていただいています! 私は、いつもプロの方にメイクを仕上げてもらっているので、自分自身が美容にすごく詳しいわけではないんです。でも、これまでの経験値で『これがいい』『この人の情報は信頼できる』というアンテナはあると思うので、そういう視点で番組を盛り上げていけたらと思っています」

取材した日のスタジオは、蛯原さんがまさに『CanCam』初登場時の撮影をした小学館スタジオ。撮影後は、かなり久しぶりだという『CanCam』編集部へ。取材のときは「久しぶりだからドキドキする!」と言っていた蛯原さんですが、懐かしい編集部の雰囲気と当時の編集スタッフたちに囲まれて、3秒で笑顔に♪ 

ーー最後に、蛯原さんにとって『CanCam』とは?

「“断トツのパワースポット”ですね。今日の再会のように、どんなときでも元気をもらえるのが『CanCam』。何年経っても、スタッフの方に会うと一瞬で当時の関係に戻れますし、色々なことが昨日のことのように思い出せるんです。私にとって、一生パワースポットのような場所であり存在だと思います」

CanCam歴代OGモデルインタビュー「蛯原友里さん編」は、今回で最終回。『CanCam』をパワースポットと話していた蛯原友里さん。実際は周りの人をハッピーな笑顔にしてくれているのは蛯原さん自身で、”エビちゃんこそがみんなのパワースポット”! そんな蛯原さんの笑顔の裏には、どんなに大変でツラくても、真っ直ぐにそして前向きに取り組んできた努力が存在していて、だからこそずっとキラキラと輝き続けているのです。「ずっとモデルでいたい」というエビちゃんに、『CanCam』はこれからも一生お供いたします♡

蛯原友里Prfoile/宮崎県出身。1979年10月3日生まれ。2002年に上京、翌2003年に「CanCam」モデルに。「CanCam」では、「エビちゃんOL」など人気企画が多数あり、当時流行した“めちゃ♡モテ”ファッションのロールモデルに。2008年「CanCam」卒業後は、「AneCan」「Domani」の専属モデルを経て、現在も多くのファッション誌でモデルとして活躍。現在、テレビ朝日「BeauTV〜VoCE」(金曜深夜1時50分〜)にてMCを務める。インスタグラムはyuri_ebihara
撮影/三瓶康友(人物) スタイリスト/徳原文子 ヘア&メイク/森ユキオ(ROI) 取材/小山恵子
ジャケット¥46,200・カットソー¥8,800・スカート¥30,800(カオス表参道<カオス>/03-6432-9277)、“ベンアムン”のネックレス¥39,600・“ラバー”のブレスレット¥30,800(ヴェルメイユ パー イエナ 青山店/03-6419-9086)、ピアス・靴/スタイリスト私物