蛯原友里、“エビちゃんっぽさ” に悩んだ「AneCan」時代|歴代モデルを直撃Vol.19【創刊40周年記念】

「CanCam」を卒業し、「AneCan」専属モデルの道に

CanCam創刊40周年を記念して、歴代のOGモデルをクローズアップするスペシャル連載。専属モデル時代から今日までの軌跡を振り返りつつ、今だから話せる撮影裏話やプライベートなお話など、自分らしく輝き続ける彼女たちのリアルなメッセージをお届けします。

第5弾は、“エビちゃんブーム”という社会現象を巻き起こし、数々の伝説を作った愛されモデル、エビちゃんこと蛯原友里さんが登場。

大人かわいい♡蛯原友里さん撮り下ろし画像をチェック!

圧倒的なカワイさと高いプロ意識で、「CanCam」モデルのレジェンドとしてその名を残した蛯原さん。約5年間トップモデルとして走り続け、2018年、ついに「CanCam」を卒業。“お姉さんCanCam”という位置づけにあった雑誌「AneCan」へ移籍し新たなステージへ。第3回目となるインタビューでは、新たに感じたプレッシャーや“エビちゃん”としての葛藤など、「AneCan」時代について伺いました。

↓インタビュー前半の記事はコチラ

★蛯原友里「脚コンプレックスから生まれたポージングが、自分らしさに繋がって…」|歴代モデルを直撃Vol.17

★蛯原友里、高いプロ意識で成立した「伝説の赤い水着表紙」秘話|歴代モデルを直撃Vol.18

求められる”エビちゃん”像に葛藤した「AneCan」時代

ーー「CanCam」から「AneCan」へ移籍。大きく違ったことは?

「すべてが違いましたね。『CanCam』とは求められる像が違うのだとわかって戸惑いました。移籍する前は、そこまでイメージがつかめていなくて、これまで通りの自分でいいだろうと思っていたんです。でも、いざ撮影となると『そのポージングだと今までのエビちゃんだから』とか『CanCamのエビちゃんっぽくならないように』と言われるようになって…。私、エビちゃんなんだけどなぁ(笑)って思いながらすごく悩みました。大人っぽいファッションをすれば、表情やポージングが自然と変るわけではないので、どうしたら求められている”エビちゃん”になれるんだろうって。『AneCan』を始めたころがいちばん悩んだ時期かもしれません」

AneCan2009年1月号より

「AneCan」では、求められる”エビちゃん”に葛藤し、モデルとして初めて壁にぶち当たったという蛯原さん。当時の笑顔からは、悩んでいる雰囲気を感じさせないプロ意識の高さが垣間見えますが、どのようにスランプを乗り越えたのか。

「とにかく、やるしかなかったです。立ち止まっていても仕方がないし、どうやったら『AneCan』のエビちゃんになれるかを自分なりに考えて研究しました。自分自身が大人の女性に近づく気持ちで、悩みながら試行錯誤。モデルとしての自分を見つめなおせたおかげで少しは成長できた気がするし、思い返すととても貴重な時間だったと思います。『CanCam』を卒業して、『AneCan』では求めらていることを自分の中に落とし込んで精一杯表現する大切さを改めて学びました。 『CanCam』や『AneCan』の現場は、いつでもあったかくて懐かしい。昔のスタッフに会うと一瞬で当時の雰囲気に戻れます」

ーーCanCam時代を振り返って感じることは?

「楽しい時間でしたね。それに全力で頑張っていたな、と思います。当時の誌面を見ても楽しさが伝わってきて、昨日のことのように思い出します。気持ちを蘇らせてまたCanCamの撮影をしたいです(笑)」

悩むより、まずは行動! チャンスを掴んでほしい

ーー20代の頃にやっておいてよかったこと、やっておけばよかったと思うことは?

「やっておいてよかったのは…やっぱり“仕事の量”かもしれません。思い返してみても、限界までやりきったと言えるのは20代の頃。当時を超えることはこの先もうないんじゃないかな。あの忙しさは二度と嫌!という気持ちは一切なくて、がむしゃらに駆け抜けた20代があったからこそ今があると思っています。逆に20代の頃にやっておけばよかったと後悔しているのは、本をたくさん読むことと英語の勉強。“忙しかったから”というのは、結局言い訳にしかならないので。感性を豊かにしたり視野が広がることだと思うので、自分の子どもたちには取り入れてもらいたいですね」

ーー迷い多きCanCam世代に、メッセージを送るなら?

「悩んでいても始まらないから、行動を起こすしかない! ということかな。失敗を恐れずにやってみること、そして考えすぎず、でも“ちゃんと”考えること。すごく普通のことだけど、とにかく行動してみてほしい。夢に向かって進んでいると必ず転機が訪れるので、自分を信じてそのチャンスを掴みとってほしいです。私も東京に出てくるときは不安しかなくて、地元や家族から離れることも、知らない土地でモデルをやることも、すべてが不安でした。でも、『東京に行ってみよう』から始まって、こんなに楽しい人生が待っていました。上京するときはまったく想像できていなかったし、こんなに長くモデルを続けられるとも思っていませんでした。行動あるのみ!そうやって一歩ずつ進んだら、アツい気持ちで一緒に『CanCam』を作ってきた大切な仲間ができたり、卒業後もたくさんのステキな方に出会えました」

“忙しかったというのは言い訳にしかならない”。そのひと言に、蛯原さんのまっすぐさとブレない強さが見えました。「どんなにツラくて大変でも、悩みすぎず考えすぎず、とにかくやるしかない! そうすればすべての経験が自分の糧になっていく」これこそCanCam読者だけでなく、世代を超えてハートに刺さる、まさに“エビちゃんイズム”なのです♡

蛯原さんが「CanCam」専属モデルをしていたのは、まだSNSがなかった時代。もし、現に“エビちゃんブーム”が起きていたら…。そんな質問もしてみました!

「わー! どうなっていたんだろう。違った“エビちゃん”像ができていたかもしれないですよね。当時はイメージ通りの“エビちゃん”を大切にしていたし、そういう時代の流れもあったと思います。でも、今はSNSなどで普段の姿だったり、ギャップのあるところも見てもらえたりして、読者の方との交流も広がっていたでしょうね。当時にインスタを開設していたら、モデル以外の世界にも興味が湧いていろいろな挑戦をしていたかも!」

ーーオーディション番組に出演してアイドルグループに入っていたり?

「そうですね(笑)。そういう新たな夢も持っていたかもしれないですね」

★次回のインタビュー最終章では、最近のお仕事やプライベートなど、二児の母としても奮闘するエビちゃんの“現在”をネホハホします! お楽しみに♡

蛯原友里Prfoile/宮崎県出身。1979年10月3日生まれ。2002年に上京、翌2003年に「CanCam」モデルに。「CanCam」では、「エビちゃんOL」など人気企画が多数あり、当時流行した“めちゃ♡モテ”ファッションのロールモデルに。2008年「CanCam」卒業後は、「AneCan」「Domani」の専属モデルを経て、現在も多くのファッション誌でモデルとして活躍。現在、テレビ朝日「BeauTV〜VoCE」(金曜深夜1時50分〜)にてMCを務める。インスタグラムはyuri_ebihara
撮影/三瓶康友(人物) スタイリスト/徳原文子 ヘア&メイク/森ユキオ(ROI) 取材/小山恵子
ジャケット¥46,200・カットソー¥8,800・スカート¥30,800(カオス表参道<カオス>/03-6432-9277)、“ベンアムン”のネックレス¥39,600・“ラバー”のブレスレット¥30,800(ヴェルメイユ パー イエナ 青山店/03-6419-9086)、ピアス・靴/スタイリスト私物