西山茉希「今でも彼は大切なパートナー」離婚で得た、新しい家族のカタチ|CanCam歴代モデルを直撃Vol.8 

「遠い未来の夢より、明日やりたいことがたくさんある!」Vol.8西山茉希

CanCam創刊40周年を記念して、歴代のOGモデルをクローズアップするスペシャル連載。専属モデル時代から今日までの軌跡を振り返りつつ、今だから話せる撮影裏話やプライベートの様子など、前向きに自分らしく輝き続ける彼女たちのリアルなメッセージをお届けします。

連載第二弾は、大人気モデルとしてCanCamの表紙を飾り、今やモデルやタレントとして多岐にわたり活躍中の西山茉希さんを直撃! 

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高校を卒業後、東京に遊びに来ていた2004年にスカウトされ、瞬く間にCanCam専属モデルに抜擢。デビューして間もない2005年6月号にCanCamの表紙を飾り、その後2010年3月号まで約6年間に渡り「マッキー」の愛称で親しまれた人気モデル♡ 卒業後は、雑誌『GINGER』(幻冬舎)のレギュラーモデルやタレントとして活躍。プライベートでは、26歳で結婚し翌年出産、その後離婚を経験。

インタビュー最終回は、結婚・出産・離婚、そして未来の夢についてお話をうかがいました。

夢だった結婚、妻となり2児の母になりました

――結婚とママになったこと、どちらの変化が大きかった?

「ママになってからの変化ですね。26歳で結婚して、27歳で第一子を出産し親になりました。“西山茉希”というひとりの人生から、そばで成長を見守り、二人の子どもの命を守っていく人生になったことは、とても大きな変化でした。親子だから一心同体、母娘だから常にセット、という接し方をしようとは思っていないのですが、当時も今も、心をいつも寄せ合って子どもにとっていちばんの応援者でありたい」

CanCam卒業後は、テレビという新しいフィールドで活躍する一方、子供のころから憧れていた“結婚”の夢も叶えることに。新しい家族も誕生し、母としての人生もスタートした30代。子育てのために仕事をセーブしようとも考えたがーー。

――お子さんの存在で、仕事との向き合い方は変わった?

「結婚してママになったら、自分が本当にやりたかったことが見つかって、立ち位置がはっきりして、家族を守る人に徹することができるだろうと思っていたので、仕事をセーブするイメージもしていました。でも実際に出産をして子育てを始めてみたら、『私は仕事がとても好きだし、人と繋がることが大好きなんだ』と心の奥にあった思いが溢れて、周りの人に対するこれまでの“感謝”や、今まで迷いながら仕事をしていた“後悔”、そして仕事がしたいという“欲”が出てきました。母親になりいろいろなことに制限が生まれたときに、子育ても仕事も両立したい『はじめまして』の自分に気づきました」

出産と育児を通して、仕事へのモチベーションがより高まったという西山さん。好きな仕事を続けるマインドが、母親としてもプラスにはたらいたそう。

――出産を経て、自分と深く向き合えたということ?

「そう! 仕事が好き!東京が好き!これからも続けたいです! そう言い切れる自分になりました」

――お子さんは、モデルのママをどう思ってる? もし将来モデルになりたいと言ったら?

「赤ちゃんのころから撮影現場に一緒に行くことがあったり、テレビに映っている人たちが周りにいることが自然だったので、“ママの仕事=モデル”とだけ思っているんじゃないかな。将来、子どもだちがモデルになりたいと言ったら、それは素直にうれしいですね。子どもたちから見て、仕事をしているときの私が楽しそうに映っていた、ということだから。どんな仕事を目指すにしても、彼女たちにはいろいろな経験をしてほしいし、人との出会いを大切にしてほしいと思います」

――パートナーにはどのように支えてもらっていた?

「以前の私は殻にこもってしまうタイプだったけど、誰かに会ったり、話をしたりするのはとても大切なこと。思考を切り替えたり、解決策を見つけるのは自分の頭と心だけでは限界があるし、柔軟に考えることも難しくなりがち。離婚はしましたが、前の旦那さんは絶対的に私を求めてくれる大切な存在で、大きな安心感をくれました。

私は根っからの不安症だしなかなか自信が持てないから、ひとりで殻にこもって考え込んでしまうタイプ。彼はそんな私を本気で好きになってくれて、その気持ちを全力で伝えてくれました。不器用すぎるほどに全力で、私がそばにいることをいつも求めてくれたひと。私は彼に必要とされることで、いつも安心できていたのだと思います」

――今はどんな関係なの?

「夫婦として離婚はしていますが、ふたりの子どもの両親であることは今も変わりません。言葉で表現するのは難しいですが、一緒に暮らしてはいなくても彼は大切なパートナー。よく離婚しても円満に付き合えるなら元さやに戻ればいい、とか、まだ好きなんじゃないか、と思われたり言われたりもしますけど、それはまた別。ベストな距離とか関係性ってあると思うので」

「子どもたちは両親と4人で過ごす時間が大好きだから、その気持ちも思い出も大事にしたい。理解されにくい部分もあるかもしれませんが、今でも4人で一緒に過ごす時間は大切にしています。私も彼もお互いの存在を大切に思っているので、関係性は変わってもこの縁は続いていくのだと思います。

ただ、この先、もしどちらかに別の大切な人ができたとき、今の家族の形を守れるのか、もしかしたら今の行動や選択が子どもたちをより傷つけることになるんじゃないか、という怖さも常にあります。正解がわからないことなので、見えない先のことを想像しても仕方ないんですけどね。今の距離や関係がつくれたからいいパートナーになれたと感じているし、後悔することはきっとないはず。心が良くも悪くも動いた分だけ、その先の未来はきっと広がる、そんな気がしています」

結婚も離婚も、正解のない選択であり決断。自分自身、夫婦関係、子どもの気持ち…すべての想いを彼女なりに大切にして進んできた道のりは、前向きなパワーと愛に包まれていた。大切なのは、あのときどうすべきだったかではなく、この人生を選んでよかった、と思える「今」を送っていること。曇りのない、彼女の笑顔と言葉がそれを物語っている。

遠い夢より、今を大事に生きるのが西山流

――今後の夢は?

「肩書きにとらわれず、“西山茉希っていつも楽しそうだし、ずっと仕事しているよね”って思われる人でありたいし、そんな日々を送りたいです。特別じゃなくていいから、なんていうか…何者かわからない人でいたいな(笑)」

憧れられる存在でありながら、独自の視点で多くのファンを楽しませ、近しい距離感でメッセージを発信し続ける彼女のスタイルには、考えるより感じたことを大切にする“型にハマらない”強さがある。その親近感やリアルさこそ、西山茉希の持ち味であり唯一無二の魅力。

――伝えたり、発信を続けていきたい、ということ?

「発信はずっとしていきたい。自分の人生で感じたこと、これから感じていくものをキャッチして下さる人とシェアしたいな、って。改めて考えると、私って何がしたいんだろう?と思ったりするし、でもずっとそんな感じなんです。どのタイミングで考えても、遠い未来の夢はあまりピンとこなくて。今日やりたいこと、明日やりたいことは次々に出てくるし、なくなることがないんですけどね。だから目の前にある“やりたいこと”を叶えながら、毎日を丁寧に全力で暮らしていきたい。走り続けているのが大好きだから、もう少し走らせてもらいたいし、走れる場所を大事にしたい。今はそう思っています」

インタビューを通して、直球すぎる素直な気持ちを語ってくれた西山さん。苦しくても不安に押しつぶされそうになっても、その経験をすべてポジティブに切り取り自分の魅力にかえてしまうのが彼女のすごさ。こだわりすぎず笑うこと。いつ会ってもブレないシンプルな生き様とメッセージは、これからもファンや周囲の人にハッピーな時間を届けるだろう。

――最後に、あなたにとってCanCamとは?

「CanCam=東京の実家であり母校です。当時はひとりで殻に籠っていたこともあったけど、今では、しんどい!って連絡して甘えられる大切な人たちがそこにいます。あのときも今も、私を見守ってくれていて、家族のような存在。前よりもずっと自分の感情をうまく出せるようになれた今、CanCamでたくさんの葛藤を経験したことも意味があったと思っています」

西山茉希の“頑張りすぎ屋”は今も健在。でも、あの頃と違うのは、柔軟さと少しの余裕を持ち合わせていること。CanCamは、テレビや雑誌、SNS…、枠にとらわれずパワフルでハートフルな挑戦を続ける彼女をこれからも追いかけます!

☆次回は、2013年まで専属モデルとして活躍し、卒業後はパリへ渡った平山美春さんが登場。モデル時代やパリでの留学生活…そして結婚について伺います。お楽しみに。

西山茉希Profile/新潟県出身。1985年11月16日生まれ。2004年東京・銀座でスカウトされ、2005年CanCam専属モデルとして雑誌デビュー。誌面では、「かわいい系エビちゃんOL」の後輩、“小悪魔マッキーOL„というキャラクターを演じ親しまれる。ファッションだけにとどまらず美容ページでも活躍し、流行のメイクやヘアスタイルも発信。2009年(2010年3月号)同誌を卒業。タレント、女優、また最近では公式YouTube「西山茉希の#俺流チャンネル」などSNSでの活動も話題。
撮影/もろだこずえ ヘアメイク/山形栄介 取材/菅 博子 ※衣装はすべて本人私物です。編集部へのお問い合わせはご遠慮ください。