ひとり暮らしを始めるときの「住まい探し」は、ワクワクする一方で悩みが尽きないもの。家賃や立地、設備など…何を優先するかによって生活が大きく変わるから、慎重になるのも当然。そんなときに役立つのが、実際にひとり暮らしを経験した人たちのリアルな声です。
そこで今回は、不動産情報サービスのアットホーム株式会社が、ひとり暮らしをしてから2年以内の16~20歳の男女を対象に行った「ひとり暮らしのライフスタイル事情」と「理想の住まいの条件・設備、物件の探し方」についての調査結果をご紹介していきます。
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料理、洗濯、ゴミ捨て、湯船に浸かる…それぞれの頻度は?
まず、ひとり暮らしにおける家事の頻度について聞いてみた結果がこちら。料理は「毎日」、洗濯は「週3回程度」、ゴミ捨ては「週2回程度」、そして湯船に浸かることは「全くしない」が最も多いことがわかりました。
学業やアルバイト、仕事などが忙しい中でも約2割が毎日自炊をしている理由として、節約や健康を意識していることが考えらます。ひとり暮らしだと体調を崩しても自分でなんとかしなきゃいけないので、しっかり栄養を摂って元気でいることが大切なものです…!
また、4割以上が「お風呂を沸かして浸かる」という習慣がないとのこと。「お風呂が面倒だしシャワーで十分」「時間がもったいない」「ガス代・水道代の節約のため」などが背景にあるでしょうか。
「ひとり暮らしをしたい」と思い始めたのはいつ頃?
次に、ひとり暮らしをしたいと思い始めた時期を聞いてみると、半数近くが「高校1~3年」のいずれかを答える結果に(グラフ中段)。
高校生は自立心が芽生えてくる年頃。アルバイトでお金を稼ぎ、自分の好きなものを買ったり遊びに行ったりする中で、「自分の力で生活する」ことへの憧れが生まれやすいのではないでしょうか。また、「親から干渉されたくない」という思いが背中を押すこともありそうです。
コレは妥協できない!ひとり暮らしの「住まいの条件・設備」で重視することは…
現在の住まいで重視した・次の住まいで重視したい「条件」「設備」を聞いた結果がこちら(左が「条件」、右が「設備」)。
現在の住まいで重視した条件・次の住まいで重視したい条件は、ともに「通勤・通学に便利な場所であること」でした。通勤・通学のときの「タイパ」を意識した立地選びは、住まい探しの軸になりやすいようです。また、現在と次の住まいで最も差が開いたのは「収納スペースが広いこと」。暮らしているうちに荷物が増えて散らかりがちに…という経験から、次の住まいは収納は広くしたいと思うことも少なくないようです。
一方、現在の住まいで重視した設備・次の住まいで重視したい設備は、ともに「バス・トイレが別であること」でした。バス・トイレが同じスペースにあると、入浴後にトイレにまで湿気がこもってしまったり、「用を足す・体をキレイにする場所が同じであること」に対してニオイや衛生的に気になってしまう人もいますよね。でも、家賃相場が安くなるメリットがあるので、費用を抑えたいならユニットバスを検討してみるのもひとつの方法!
通勤・通学先、最寄りの駅、スーパーマーケット、コンビニまでの許容時間は?
先ほど重視したい条件で「通勤・通学に便利な場所であること」が1位に挙がりましたが、実際に通勤・通学の許容時間はどれくらいか聞いてみると…片道「平均32分」。個人差はあると思いますが、1時間以上かかる場合は「長い」と感じやすいのでしょう。
また、家から最寄りの各施設までの許容時間(徒歩)も聞いてみると、駅は「平均17分」、スーパーマーケットは「平均12分」、コンビニは「平均8分」という結果に。24時間開いているコンビニは、なるべく近場にあることが求められるようですね。
費用・アクセス・設備、間取り…住まい探しで最優先したのは?
住まい探しでの優先順位について、最優先率が高い順に見てみると…
1位:「家賃・費用関連(家賃、共益費・管理費、初期費用など)」
2位:「立地・アクセス(駅からの徒歩時間、駅名・路線、周辺環境)」
3位:「室内設備(バス・トイレ別、キッチンタイプなど)」
4位:「建物・設備(建物構造、築年数、階数、オートロックなど)
5位:条件・制約(入居可能時期、短期・長期契約の可否など)
6位:「間取り・広さ」
という結果に。家賃や管理費、初期費用などの「費用面」を最優先する傾向があるようです。
ひとり暮らしを始めて不安だったこと・困ったこと、その対処法は?
実際にひとり暮らしを始めてみて、不安だったことや困ったこと、またそれをどう対処したのかを聞きました。
◆家事と学業の両立→ルーティン化して解決
「家事と学業の両立が不安だったが、家事をルーティン化することで日常の一部になった」
学校や仕事で疲れて帰ってから何もできず「洗濯物が溜まってしまう」「掃除や片付けが全然できていない」「毎日コンビニ飯ばかり」と悩んでいる人も多いですよね。なんとかこなしていても、最初は手際よくできずに面倒に感じやすいはず。そこで、自分の一日のだいだいのスケジュールを思い出してメモに起こしてみて、10分前後のスキマ時間があれば「家事のルーティン化」のチャンス。完璧を求めず、できる時間にコツコツと取り組もうとする心の余裕も大切です。
◆ひとりが寂しい→ひとり暮らしの友達を作る
「寂しかった。同じくひとり暮らしをしている友人と一緒に慣れていった」
いざひとり暮らしを始めてみると、寂しさを感じやすいものですよね。学校やアルバイトに同じくひとり暮らしをしている人がいれば、友達になって話し相手になってもらうのも◎。近くに信頼できる友達がいると、風邪や災害、物騒なことなど、もしなにかあったときにも安心です。
◆虫が苦手→殺虫剤などを準備しておく
「虫が苦手で、虫が出てこないか不安だった。出た場合は殺虫剤を使うなどして対処した」
ひとり暮らしで部屋に虫が出現しても、頼れるのは自分のみ。殺虫剤や虫取り網などを準備しておきましょう。また、定期的に虫予防スプレーを部屋に撒いておくのもアリ!
◆災害に対する不安→防災グッズ・非常食を集める
「何か災害があったときの対処の仕方が不安。現在防災グッズや非常食などを集めてはいるが、まだ不安なところはたくさんある」
自然災害が起きないか不安に思いますよね。でも、「建物はしっかりしてるし、海や川からも遠いし…大丈夫だろう」なんて思わず、危機感を持っておくことも大事。防災グッズや非常食のほかにも、停電や断水したときに備えて、電池式懐中電灯、モバイルバッテリー、2Lペットボトル飲料水、非常用トイレなども用意しておきましょう。
不動産会社に行く前にやっておくべきこと・調べておくべきことは?
続いて、不動産会社に行く前にやっておくべきこと・調べておくべきことを聞くと、最も多かったのは「通勤・通学経路の確認」でした。希望エリアにある駅から学校や職場までどのくらいの時間がかかるのか、乗り換えはあるのかなど、ネットで調べたり実際に歩いて偵察したりするとよさそうです。
住まい探しをして驚いたこと・今まで勘違いしていたこと
「インターネット代が家賃に含まれていない物件も多くあったことに驚いた」
「月々の費用に共益費や町内会費がかかるのを知らず、予算をオーバーしかけた」
「引越しや家賃などは想像していたよりお金がかかること。また、ガス会社や電力会社への電話、インターネット接続を整えるなどやることが多かった」
「アパートのオートロックをそれぞれの部屋のオートロックだと思っていた」
住まい探しについて事前に情報を集めていても、不動産会社で話を聞いたときにギャップを感じることは意外と多いもの。たとえば、電気・ガス・水道などのライフラインは自分で契約しなければならなかったり、インターネットが無料で使える物件でない場合は別途契約が必要だったり。コメントからもわかるように、費用や契約について「知らなかった…!」と驚いた経験が多いようですね。
「ひとり暮らし」という新たな生活のスタートはワクワクするけれど、情報収集から契約に至るまでやるべきことがいっぱい。また、すべてが理想どおりの住まいを見つけることは難しいもの。条件・設備などの妥協点をあらかじめリストアップしておくことで、住まい探しがよりスムーズに進むはずです。ネットから知識を得たり、周りのひとり暮らし経験者から話を聞いたりして、生活のイメージを膨らませながら過ごしやすい家を見つけてみてくださいね!(Mai)