急に寒い…!結局最強の冷え対策「お風呂」で知っておきたい5つの雑学

11月とは思えないようなあたたかい気温の日が続いたと思ったら、気温が全国的に10℃ほど急低下。前日との寒暖差が5℃を超えると「熱い・寒い」を感じやすいと言われているため、グッと冷えを感じる方も多いはず。
そんなときに何よりの冷え対策となってくれるのが、毎日のお風呂。「何度がベスト?」「どのくらいの時間がいいの?」などなど、お風呂ドクターの早坂信哉先生によるお風呂の基礎知識を、改めて学んでいきましょう!

 

▼お話をうかがったのは…
早坂 信哉先生


東京都市大学人間科学部学部長・教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医。お風呂を医学的に研究している第一人者。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!?TV」など多数のメディアに出演。主な著書は『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)、『最高の入浴法』(大和書房)、『入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)など。

1.お風呂は最強の「冷え取りツール」

冷え性の原因は手足の末梢の血流が悪くなることです。まずは体をあたためて血流を改善させましょう。寒い日は「あたたかいものを食べる」「暖房器具を使用する」などもよく行う行動ですが、湯船に浸かることがいちばんです。身近なお風呂を活用して手足をすみずみまであたため、血管を拡張し血流を改善させることで、冷えの症状の緩和が期待できます。

2.40℃のお湯に全身浴で10〜15分

湯船に浸かる時間が長いほどよい、と思われがちですが、入浴の基本は「40℃のお湯に肩まで浸かり、10〜15分入ること」です。この入浴法で血流が改善し、体温がほどよく上がります。

<温度>特に冷え性の方は交感神経が過剰に働いているため、自律神経のバランスを取るためにも、温度は40℃がおすすめです。副交感神経を刺激してリラックスできますし、お湯の温度を上げすぎないことで光熱費の節約にもなります。
40℃を超える熱いお風呂は、入浴時に血圧が急上昇するだけでなく、汗をかきすぐに体温が下がるため、実は結果としてあたたまりが長く続きません。

<時間>長く入りすぎるとのぼせを引き起こしてしまうため、長くとも15分以内で、額に汗をかいたら湯船から出るようにしましょう。

また、最近研究されてきた「内臓冷え」の方は、副交感神経が強く働きすぎています。おなか周りが冷える方は、例外的に「42℃のお湯で5分間の入浴」をして交感神経を刺激する方法を試してみるのも良いでしょう。ただし、42℃のお湯は刺激が強いため、無理がない範囲で実施してください。

3.入浴のゴールデンタイムは就寝90分前

冷える、という方は手足の血管が必要以上に収縮してしまうため、手足の血流が悪くなり、就寝に向けて血流による手足からの熱の放散がうまくいかず、よく眠れない→さらに疲れが取れない、という悪循環に陥っています。
この対策は「メリハリあるあたため」です。就寝の90分前に入浴でしっかり体をあたため、その後は靴下などを履かず、体温を自然に放散させ、スムーズな体温低下を促しましょう。するとぐっすり眠れるはずです。

4.入浴前の水分補給とかけ湯をルーティンに

脱水予防のためにも、入浴後だけでなく、入浴前にコップ1〜2杯の水分を補給しましょう。また、浴室が寒いと、すぐに湯船に浸かりたくなるかもしれませんが、手足の末端から体の中心に向けてかけ湯をしましょう。徐々に体を慣らすことで、血圧の急激な上昇を防ぎます。

5.「シャワーで節約」…にはなっていないことも

シャワーのお湯を1分間に約12L×15分間流した場合、実はお湯の使用量は浴槽1杯分(180〜200L)とほぼ同じになります。家族の人数やシャワーの使い方によっては、お湯を張ったほうが節約になります。
ひとり暮らしの方などは、シャワーしながら浴槽にお湯をためる「シャワー足湯」などの手も。また、ひと晩おいた残り湯は雑菌が6000倍に増えたという調査結果もあるため、残り湯を沸かし直して入浴することはあまりおすすめしません。

Column:サウナでは水風呂に注意
サウナの効果の本質は「体をあたためること」にあり、水風呂が主ではありません。水風呂による急な温度変化は、実はヒートショックを起こす可能性もあります。サウナ後の水風呂で「ととのう」という考え方も普及していますが、苦手な方は無理せずパスしましょう。

 

これからの寒い季節、ぜひお風呂を味方につけて!

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