人気芸人「ぼる塾」のメンバー4人によるリレーエッセイ連載。
今回は、「モテたい！」というあんりさんが、メンバー内の生粋のおモテさん、田辺さんを分析（笑）。男女問わず愛される魅力的なところ、ぜひ参考にしたいものです…！
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「あんりはね男前すぎる。私のせいかしら？」by 田辺さん
CanCamをご覧の皆様、ごきげんよう。次に育休をとるのは私でありたい、ぼる塾のあんりです。
前回は初めてのお引っ越しについてお話させていただきました。
その記事を読んだ田辺さんから「私って文章にするとヤバいね！」という感想をいただきました。
今回も、そんな田辺さんのお話です。
田辺さんは私の相方になる前、私の先輩芸人だった頃からおモテになられておりました。
劇場の楽屋というのは、やはり男性芸人の数のほうが多く、どちらかというと男臭い空気が漂っています。（それが嫌というわけではございません）
そんな空気の楽屋に華の香りが漂ってきたとき、それは、田辺さんが楽屋に入ってきた合図です。
田辺さんは昔から、大好きなポテトを食べていようとも、ニンニクを食べてこようとも、華の香りを漂わせることのできる上品なお方なのです。
相方になるまで、田辺さんがモテる理由はそんな上品さだと思っていました。
でも相方になり、毎日一緒にいると思い知らされました。
田辺さんの魅力は、「上品」なんて二文字ではおさまらない。
うちの田辺をなめんじゃねぇ！（言葉遣い、失礼しました。私も少しくらい田辺さんを見習って上品になりたい。）
田辺さんは、いつも背負ってるリュックのチャックを必ず1箇所以上開けて歩き、マネージャーか私がいつも閉めてあげています。
何度閉めてあげても、また開いているリュックのチャックに決して苛立つことはなく、私もマネージャーも聖母の微笑みで閉めてあげることができるのは、それが田辺さんだからです。
田辺さんはいつもお手洗いに行くと、手の洗い方がダイナミックなので、スタイリストさんから着せてもらったスカートをびしゃびしゃにして楽屋に戻ってきます。
スタイリストさんはタオルで優しくスカートを拭いてあげ、私とマネージャーもその光景を聖母の微笑みで眺めることができるのは、それが田辺さんだからです。
「それが田辺さんだから」
そんなのもう最強ですよね。
田辺さんは「できない」ということを魅力にしてしまう、他の誰もできないことができる女性なのです。
それを示す決定的な出来事が、最近起こりました。
私はその出来事で、自分の今までの人生を見直しました。
それは、吉本の社員さんと同じ事務所の先輩コンビである、男性ブランコさんとぼる塾の6人で、お笑いライブの企画で水族館に行き、その帰りに浜焼きを食べに行ったときの出来事です。
空いている店内の8～10名ほど座ることができそうな広めの席で、通路側には浦井さん（男性ブランコ）と田辺さんとはるちゃんの3人、窓側には社員さんと平井さん（男性ブランコ）と私が座っていました。
大きな七輪で各々貝を焼き始め、しばらく経つと私の隣にいた平井さんの貝が開き、醤油をかけるタイミングが訪れていました。
七輪からは少し火が上がり、平井さんは醤油をかけずらそうにしていたので、私は「任せてください！」とたまに出る、いい後輩だと思われたいモードが発動し、火が上がる中、平気で貝に醤油をかけました。
私のドヤ顔も束の間、田辺さんが焼いていた貝も同じくらいのタイミングで開き、パンッッッッ！！！と大きな音を鳴らしました。
「キャンッ！！！！」
大きい田辺さんから小型犬のような声があがり、その瞬間、浦井さんと自分の貝に醤油をかけられなかった平井さんまで立ち上がり、
「俺がやってあげるから！大丈夫やで」
とトングで田辺さんが焼いていた貝のお世話をしてあげていました。
そのときの浦井さんや平井さんの表情は男らしさ、誇りに満ちあふれていました。
そんな中私はというと、平井さんが焼いていた貝にかけた醤油が手に飛び「あつっ！」と叫ぶも、みんな田辺さんに夢中で誰もこちらを見ていませんでした。
あのときの私の感情は、虚しいとか悔しいなんて言葉じゃ表せません。
誰にもわかってたまるか、コノヤロー！（言葉遣いというのはすぐには治りません。すみません。）
ここからはモテたい人にだけ言いたいのですが、（自分の個性は大事にね。）
浜焼きで火が上がる中、平気で醤油をかけてはいけません。
嘘でも怖がって、やってあげるよりやってもらうことに務めてください。（田辺さんは本当に怖がっている天性のおモテです。）
田辺さんに、私が浜焼きで起きた出来事を話すと「悪いわね。私ってそうなのよ。」とチキンナゲットのソースがついた口元を緩ませ、上品に微笑みました。
私はそんな田辺さんにそっとティッシュを渡し、やはり苛立つことはなく、むしろ愛おしく思えるのは、それが田辺さんだからです。
私が最近「田辺さんはモテる！モテすぎてる！」と、ことあるごとに言ってしまうもんだから、田辺さんは深夜に思い悩み、酒寄さんに「私って世界一モテるかもしれない！困ったわ！」とLINEをしたそうです。
田辺さんへ。
私そこまでは言ってませんよ。せいぜいぼる塾の中でいちばんくらいです。
こんな言葉を聞き流すことができるのも、田辺さんの魅力です。（あんり）
★ぼる塾連載は毎週日曜夜配信予定です！お楽しみに★
『猫塾』と『しんぼる』が合体したお笑いカルテット。現在、酒寄希望さん（写真左）が育休中のため、きりやはるかさん（中央左）、あんりさん（中央右）、田辺智加さん（右）のトリオで活動中。
酒寄さんが育休中にnoteで書き綴った、笑えて心温まるぼる塾エッセイが書籍化！『酒寄さんのぼる塾日記』（¥1400／ヨシモトブックス）が12月17日（金）に発売！
©吉本興業／マガジンハウス
芸能界でも指折りのスイーツ通で知られる田辺さん初の書籍。『あんた、食べてみな！ ぼる塾 田辺のスイーツ天国』（¥1,430／マガジンハウス）発売中。
『ぼる部屋』毎週木曜 24:15-24:25 KBC 九州朝日放送にて放送中。
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