セールは要注意? 夏の浪費を防ぐための心理テクニック

セールは要注意?ついつい使いすぎる夏の浪費を防ぐための心理テクニック

夏というシーズンには魔物が潜んでいます。どうしても開放的な気分になり、ついついバーゲンセールなどで浪費をしてしまう人も少なくありません。そしてふと気づいたときに、「何で買っちゃったんだろう……」そう疑問符が頭に浮かぶことも。そこで今回は、「夏の浪費を防ぐための心理テクニック」をご紹介いたします。

■“損した”という感情は“得した”よりも○倍強い!

“損”の感情はとても強く、実は“得”の感情よりも深く記憶に残るとされます。この心理を“プロスペクト理論”と言います。私たちは同じ量の得と損を比較したときに、損の方をなんと約2倍も重大に感じてしまう傾向があるのです。そのため、何かを購入する際には、損を考えて買いそびれないように意識すると、余計なものまで購入してしまう恐れがあるのです。いい買い物をするには、損失を考えず本当に必要なのかに目を向けることが大切なのです。

■多すぎる選択肢はムダな買い物を招く

私たちは買い物をしたりするときに、たくさんのものから1つを選ぶ選択という行為をしています。コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授によると、多数の選択肢を持つことは一見自由で柔軟に選べるかのように思えますが、実際には多すぎる選択肢が生む迷いや戸惑いが、決断を遠ざけ余計な出費に繋がると主張しています。購入する上で選択肢があるのはいいことですが、それが多すぎるため本当に必要なものを買いそびれないように心がけましょう。

■固執すべきは“ブランド”ではなく……

ブランド物と聞くと、何だか「すごい」と威厳を感じてしまいますよね。何かを買おうとするとき、あるブランドを気に入って使っていると、同じブランドを買い続けてしまうことってありませんか。途中から好みが変わって、自分には不要だと感じてもそのブランドに固執するのには心理的な理由があります。それは“確実性効果”というもの。これはコンプリートしたいという人間の欲求によって、無意味なものまで購入してしまうという効果。私たちは完璧さに対して過剰に反応するあまり、費用対効果を無視して継続して購入することに固執する傾向にあるのです。買う時はブランドに左右されず、じっくり吟味するようにしましょう。

■ちょっと待って! その買い物は“思い込み”ではありませんか

人は規則性に弱い生き物。ある規則にのっとっているものを示されると、次もきっと同じような法則性で動き続けるだろうと言う心理がはたらきます。これを“確証バイアス”と言います。確かに予測は大切なことですが、そこには消費者を躍らせるための様々なワナも仕掛けられています。私たちは通常、まず直感で正しそうな答えを発見すると、それに飛びいてこだわりを持ち、別の答えの可能性を頭から排除してしまうのです。だからこそ、何かを買う時は他のお店と比べる必要があるのです。最もお買い得なのかどうかを考えて購入すると、ムダな支出は避けられると言えます。

終わりに

経済学によると「消費者および生産者は、いかなる場合でも合理的な行動をする」と定義づけています。つまり、これは「自己の利益を最大化するような消費および生産活動をする」と言うことです。しかし実は、「合理的な選択」とは言えません。なぜなら人は「心理的な選択」を選ぶからです。確かに、消費者が心理的な理由によって合理的な消費行動ができないことは仕方がないこと。でも、なるべくなら賢くお買い物をしたいところですよね。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。