「おもたせで失礼ですが…」そういえば、「手土産」とはどう違うの?
「先方におもたせを持って行ってね」
先日、上司にそう言われたのですが、違和感を覚えてしまいました。そもそも、みなさんは「おもたせ」という言葉を使うでしょうか。
そういえば、デパートなどでも「おもたせにピッタリ!」「おもたせ特集」といった言葉が目につくようになりました。
では、「おもたせ」と「手土産」の違いは何でしょう?みなさんも一緒に考えてみてくださいね。
おもたせの意味って?
例えば、自分の家や勤め先に、お客さんがお菓子などを持ってきたとしましょう。
客をもてなす立場である自分が、いただいたお菓子をその場で、「一緒に食べましょう」とお皿にあけて出す状況がありますよね。
そんなときに、「本当ならこちらがお菓子を用意すべきなのに、いただいたお菓子をそのままお出しして申し訳ありません」のニュアンスを込めながら、「おもたせで失礼ですが…」といった言い回しを使います。
もともとはそんなイメージのある「おもたせ」ですが、最近では客の方が積極的に使っているような…。
意味を改めて確認してみましょう!
本来は、もてなす側の言い回し
さっそく辞書で、「おもたせ」の意味を見てみましょう。
「《「御持たせ物」の略》来客を敬って、持ってきた土産物をいう語。多く、その客へのもてなしにその品をすすめるときに使う。」
なるほど。やはり本来は、もてなす側が来客を敬って使う言葉だったようです。
しかし、辞書ではこのように続きます。
「[補説]近ごろでは、客が持ってきた土産物を受けた側からいうのではなく、『このお菓子がお持たせに最適です』のように、客が持って行く手土産の意で使うことが増えている。」
手土産とほぼ同じ意味で使う?
やはり、最近では「手土産」とほぼ同じ意味で使われ始めているようです。世間的には、「やや高級感のある、おしゃれで人を選ばない美味しさの手土産」といったイメージでしょうか?
また、手土産を販売する側や、訪問先に到着する前にお客が「おもたせ」という言葉を使うことがあっても、直接もてなす側にお客が「おもたせです」と言うことはあまり無さそうです。
本来の意味合いを考えると、それもそうですよね。
【まとめ】
というわけで、現在ではそれほど「おもたせ」と「手土産」の間に意味の差は無くなってはいますが、それでも立場によって使うタイミングには気をつけた方が良さそうです。
さてさて、先方に持って行くおもたせをそろそろ考えないと…。(薄井大輔)
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