旅行や出張などで全国各地を訪れたとき、地名や駅名が読めなくて困った経験はありませんか? 地元民なら「読めて当然!」と思う漢字も、ほかの地域の人からすれば「コレなんて読むの?」「絶対読めないでしょ…!」というふうに『難読地名』に認定されてしまうことって多いはず。
そこで今回は、ソニー生命保険株式会社が全国の20~59歳の男女4,700人に実施したアンケートをもとに「ほかの都道府県の県民には読めないと思う地元の難読地名」を一挙ご紹介!
いくつ読める?「47都道府県の難読地名」一挙発表!
◆北海道・東北
北海道「俱知安(くっちゃん)」
青森県「撫牛子(ないじょうし)」
岩手県「千厩(せんまや)」
宮城県「愛子(あやし)」
秋田県「男鹿(おが)」
山形県「左沢(あてらざわ)」
福島県「勿来(なこそ)」
北海道の「倶知安町(くっちゃんちょう)」は知ってる人も多いはず! というのも、広大な自然と雪質のよさからスキー場が人気を集めるリゾート地・ニセコに位置する町名。“クッシャニ(川の旧名)”というアイヌ語が由来で名付けられたそうです。
また秋田県の「男鹿」は…「おとこじか」ではなく「おが」! 鬼のお面をかぶって「悪い子はいねが~」という言葉でおなじみの「なまはげ」は、まさに男鹿市の伝統行事。地名の由来は、“日本海に浮かぶ陸(おか)のように見えるから”“日本書紀が関係している”“鹿がいたことから”など諸説あるみたい。秋田県には「女鹿(めが)」と言う地名もあるそうですよ。
ちなみに山口県にも「男鹿島(おがしま)・女鹿島(めがしま)」があり、兵庫県にも「男鹿島(たんがしま)」があるとのこと。これは紛らわしい!!
◆関東
茨城県「行方(なめがた)」
栃木県「神鳥谷(ひととのや)」
群馬県「六合(くに)」
埼玉県「越生(おごせ)」
千葉県「匝瑳(そうさ)」
東京都「舎人(とねり)」
神奈川県「弘明寺(ぐみょうじ)」
茨城県の「行方市」は「ゆくえ」と読まれがちですが、実際は「なめがた」。ヤマトタケルノミコトが入り組んだ地形を「行細し(なめくわし)」と表現したことが由来だそう。そこから「将来へ継承していきたい」という市民の声のもと、今も読み方が残っているみたい!
東京都足立区にある地名「舎人(とねり)」の由来は、“戦国時代の舎人氏が地名となった説”“聖徳太子命名説“などさまざま。「日暮里・舎人ライナー」という鉄道路線があるので、東京都民やその近郊に住んでいたら読める人も多いのではないでしょうか?
◆北陸・甲信越
新潟県「新発田(しばた)」
富山県「石動(いするぎ)」
石川県「羽咋(はくい)」
福井県「敦賀(つるが)」
山梨県「百々(どうどう)」
長野県「麻績(おみ)」
新潟県の「新発田市」は「しんはつだ」と読んでしまいそうですが、正しくは「しばた」。新潟市の隣に位置する城下町で、美人の湯とも言われる「月岡温泉」は観光スポットとしても親しまれています。荒れ地を開墾してできた土地(田んぼ)ということから“新開発田→「しばた」と呼ばれるようになった”説があるとのこと。お米が有名な新潟らしい由来ですね!
また長野県中央部に位置する「麻績村(おみむら)」は、人口約2,700人の小さな村で、スキー場や湖がある「聖高原(ひじりこうげん)」など豊かな自然がすてきな場所! 麻を細かく裂いて糸にする「麻績」が地名の由来とされているみたい。「ませき」かと思いきや、まさかまさかの読み方…これは初手で読めたらスゴイ!!
◆東海
岐阜県「尻毛(しっけ)」
静岡県「函南(かんなみ)」
愛知県「御器所(ごきそ)」
三重県「駅部田(まえのへた)」
岐阜県岐阜市にある「尻毛」という珍地名。ん? しり…げ? ちょっと読むのをためらってしまいそうですが、正解は「しっけ」。名古屋鉄道の駅名にもなっていますね。ちなみに神奈川県にも「尻手(しって)」という地名があるので、神奈川県民の筆者はスラっと読めました! 「尻毛」の由来は諸説ありますが、この地域付近に川の氾濫源があって、氾濫すると湿度が高まったことから“湿気(しっけ)”という言葉が関係していると言われています。
また、静岡県の熱海と三島の間に位置する「函南町(かんなみちょう)」。「函」は訓読みで「はこ」と読み、 “箱根(別名:函嶺)の南にある”ということからこの地名が名付けられたそうです。静岡県の有名ハンバーグレストラン「さわやか」は函南にもありますね♡
◆近畿
滋賀県「膳所(ぜぜ)」
京都府「間人(たいざ)」
大阪府「放出(はなてん)」
兵庫県「宍粟(しそう)」
奈良県「京終(きょうばて)」
和歌山県「六十谷(むそた)」
京都府京丹後市にある「間人」は、「まじん」「まびと」ではなく「たいざ」。ここで採れる高級ブランドガニ「間人ガニ」は希少価値が高く、幻のカニとしても有名! 読み方の由来はというと、“聖徳太子の母・間人(はしうど)皇后が退座したことから間人(たいざ)と読み替えた”説があるそうですよ。
大阪府大阪市の「放出(はなてん)」は、読みにくい漢字として有名ですよね! “川の氾濫を防ぐために水を放出した場所”にちなんで名付けられたとも言われています。
◆中国・四国
鳥取県「皆生(かいけ)」
島根県「十六島(うっぷるい)」
岡山県「美作(みまさか)」
広島県「三次(みよし)」
山口県「特牛(こっとい)」
徳島県「府中(こう)」
香川県「栗林(りつりん)」
愛媛県「松前(まさき)」
高知県「宿毛(すくも)」
鳥取県米子市にある地名「皆生(かいけ)」は温泉地として有名ですが、知らない人は「みなせ」と読んでしまいそう。昔この地にあった“海池”と呼ばれる大きな池が由来と言われています。そんな「皆、生きる」の名前の通り、皆生温泉には長寿のご利益があるとされています♡
島根県出雲市の海岸に突出した岬「十六島(うっぷるい)」、これは超難読!! 地名の由来は諸説ありますが、“海藻を採って打ち振るって日に乾す「打ち振り」が訛った”なんて説も。ちなみに日本最古の高級天然岩海苔として「十六島海苔」が愛されていて、出雲地方ではお雑煮に入れるのが代表的な食べ方らしい。一度食べてみたい……!
◆九州・沖縄
福岡県「雑餉隈(ざっしょのくま)」
佐賀県「厳木(きゅうらぎ)」
長崎県「女の都(めのと)」
熊本県「八景水谷(はけのみや)」
大分県「安心院(あじむ)」
宮崎県「都城(みやこのじょう)」
鹿児島県「指宿(いぶすき)」
沖縄県「保栄茂(びん)」
福岡県博多区にある「雑餉隈(ざっしょのくま)」というエリア。なんだか名前の響きに圧倒されますね! 西鉄大牟田線には雑餉隈駅もあるので、県民なら読めて当然といったところでしょうか? 雑餉隈は“たくさんの食や酒がある曲がり角”という意味があり、博多から大宰府へ向かう人々のために多くの店が連なっていたことが名前の由来と言われています。
そして独特な地名が多い沖縄県で最も難しいとされているのが…豊見城市にある「保栄茂(びん)」。いやいや、3文字で2音なんて読めないって! と驚くみなさん、想像できます。「ほえいしげ」と読む人が多そうですね。初見では絶対に読めないこの地名、由来はというと、中国の地名“びん”を付けたという説、またもともと“ぼえも”と呼ばれていたものが、沖縄方言によってoe→i、mo→nの発音に変化した説などなど、はっきりしていないようです。
47都道府県別の難読地名をご紹介しました。みなさん、いくつ読めましたか? 地名の由来や読み方を知ることで、その土地の歴史や風土をより深く知ることができるからおもしろい! 観光などで各地を訪れたときは、ぜひ地名や駅名にも注目してみてくださいね。(Mai)