職場の同期は、友達と呼べますか? 20代「女の友情」について徹底討論

20代女子が「女の友情の移ろい」について、とことんお喋り

CanCamを盛り上げてくれるインフルエンサー集団〝it girl〟。日常生活の些細なことから社会問題まで、20代の等身大目線で喋り倒す連載。3人集まればトークが止まらないのが女のコってもの。 第6回は、ライフステージの変化に伴い移ろう、時にもろくてやっぱり強靱な「女の友情」トーーーーーク!

▼第一回:SNSのモヤモヤ

▼第二回:ミスコンの光と闇

▼第三回:働き方のアプデ

▼第四回:地方移住と上京のリアル

▼第五回:飲まない飲み会の常識


Vol.06 :女の友情の移ろい

今回の座談会に参加してくれたのはこの3人!

早坂奈都さん(不動産金融系勤務・26歳)
ベンチャー企業勤務。いちばん仲よしだった女友達が結婚を機に地方へ引っ越し、出産もしたことで疎遠気味に…。休日は飼い猫と遊ぶことと、ジェラート巡りに夢中♡
@hayasaka_natsu
糸川菜央さん(商社勤務・24歳)
商社の一般職。遊びに誘うことも誘われることも多く、交友関係は広めなタイプ。テレビと車の運転が好きで、ドラマを観たりドライブに行ったりすることが日々の楽しみ。
@nao_itokawa
神谷明采さん(タレント・東京大学4年生)
23歳、東京大学経済学部在学。4月から同大学の大学院に進学。大学受験時に浪人したため周りは社会人になり、金銭感覚や話す内容も変化中。最近の趣味はパグを愛でること。
@asa_kamiya

──進学、就職、結婚などのライフステージの変化をきっかけに、「女の友情」の変化を感じたことはありますか?

【神谷】すごくあります。私は大学受験のとき1浪したので、今周りはもう社会人なんです。みんな忙しそうで、今までは気軽に誘えたのにだんだん誘いづらくなってきました。どんどん疎遠になっちゃうなと感じます。

【早坂】私の場合は、親友が結婚や出産をするタイミングで感じました。高校時代からの親友が結婚したとき、旦那さんの職業の関係で地方に引っ越してしまって。

【糸川】環境の変化という意味では新鮮で、ちょっと面白そうではあるけど。

【早坂】面白そうな反面、全然会えなくなってしまったのがさみしくもあります。親友が地元に帰省してきたときも、子供がいる関係もあってどんどん会う機会が減っています。

【糸川】私の周りには結婚している人がほとんどいないかなあ。同じタイミングで進学や就職をしたコが周りに多いからか、会いたい友達とは月1で会えています。

【神谷】月1で「会える」と思えるのがすごい。

【早坂】そっか。大学生なら週1回は授業で顔を合わせるのが当たり前ですもんね。

【神谷】そうなんです。でも高校の友達には毎月会えたらいいほうで、さみしいなって。

【糸川】そう思うと私は、変化はあるけどあまり気にしていないだけかも。地元の友達はほとんど東京に出てきていないけど、「半年に1回は会える!」という感覚です。

──友情の変化に対して焦りや嫉妬や悲しさなど、負の感情を抱くことは?

【早坂】私は結婚願望がないので、嫉妬とかはないですね。どちらかというと会えなくなってしまったことへのさみしさかなあ。

【神谷】戸惑いはあるかも。学生の友達で出産する予定のコがいて、かたや私は大学院に進んで留学にも行こうとしているので、27歳で社会人になる予定なんです。

【糸川】それはちょっと驚くし焦るし、不思議な感覚になりますね…。

【神谷】そのコは22歳でもう結婚して、同じ学生なのにここまで差があるとさすがにモヤるというか。「自分の選択が正しいのかな?」と考えてどうしても比較しちゃいます。

──逆に友情の様々な変化を通して、よかったと思える側面はありますか?

【早坂】基本的に悲しいことだと思っていました…。でも考えてみると、昔の関係が移り変わるのと同時に新しい出会いもありますよね。社会人になったら職場の人たちと仲よくなって、交友関係が広がったし。

【神谷】私は中高一貫の女子高で生きてきて、そこでできた友情が絶対な部分があります。大学では、高校時代ほど仲のいい友達はいないかも…。だからまだポジティブな面は見つけられていないです。

【早坂】私も女子校出身なので、少しわかります。女子だけの世界、独特ですよね。

【糸川】今ふたりのお話を聞いていて、私は高校から今までにできたどの友達に対しても、抱く感情や素の自分があまり変わらないのかもと思いました。

【早坂】相手によって自分のどの面を見せるかが変わらないのって憧れます。

【糸川】よくも悪くも、高校生のときから自分はあまり成長していないのかもしれない…という発見です(笑)。

──先ほど職場のお話も出ましたが、会社の同期は「友達」という感覚ですか?

【早坂】友達ですね。唯一、会社での出来事を愚痴れるし、旅行にも行きます。

【糸川】友達です! でも人によっては、同期との関係性や、なんて呼ぶかは微妙なラインなのかもと思います。最近友達が会話の中で、「この前友達が…あ、同期がね」とわざわざ言い直していたことがあって。

【神谷】なんでだろう?

【糸川】私も気になって思わず「そこ違いあるの?」と突っ込みました。友達曰く「普通に仲よしで大好きだし、どっちがいいとか悪いとかでは全然ないけど、同期は同期だから友達とは少し違う」らしくて。

【神谷】私にはまだ会社の同期はいないからなんとも言えないけど、「映画を観るならこの人」とか「恋バナするならこの人」とかなんとなく分けるのと似ているのかな?

【早坂】その区別はすごくわかります。でもそもそも友達ってどこからなんだろう?

【神谷】自分から誘える人かもしれない。遊びでもごはんでも提案できるような相手。

【糸川】本当にアホかもしれないんですが…例えば飲み会で一緒の席だった人とはもう仲よくなっちゃう。親友だとまた話は別ですが、私にとっての友達の壁はわりと低いです。

【早坂】私の場合は、心を開くにつれてだんだん口が悪くなっていきます。

【神谷】あー! わかります。

【早坂】下ネタも言えちゃうぐらいまでいくと、もう完全に友達!

──気の置けない友人と、例えば進学や就職で疎遠になってしまったら?

【糸川】会う回数は変わっても、「会えるならまあいっか!」と思います。

【早坂】再会したとき気まずいというか、恥ずかしいみたいな。人見知り発動しちゃいます。

【神谷】やっぱりちょっと心の距離も開いちゃうのはありますよね。でも10分とか20分とか経ったら「あ、意外と普通」ってなる。

【早坂】なんでずっと会っていなくても、ちょっと話しただけですぐ元どおりになれるんですかね。あの現象、本当に不思議です。

──学生、社会人、妻や母親…と段階を経る中で、「このコ変わったな」とか「自分変わったな」と思うことはありますか?

【早坂】お母さんになった友達に対しては、明確に「なんか前と違う」と感じます。

【糸川】性格が変わるとかですか?

【早坂】説明が難しいけど、昔は結構はっちゃけていたコが落ち着いたような。ふとした言動に「この人、母だな」とハッとさせられる。でも仲よくするのには支障ないです。

【神谷】母性本能みたいなものかな。

【早坂】そうかも。自分自身の変化については…あまりわからないです。

【糸川】私もないかも。でもこっちが相手のこと「変わった」と思っている分、たぶん相手もこっちに対して思っているはずなんですよね。

【神谷】それは絶対にそう。これからの話ではあるんですが、大学院で留学したら、その後そのまま海外で働きたいと思っていて。

【早坂】友達にはなかなか会いづらくなってしまいますね。

【神谷】そうなんです。きっと「染まったな」とは思われるだろうし、実際変わる部分もあるんだろうなと…。

【糸川】それこそさっきも話に出たように、しばらく話したら元どおりなれるといいよね。

──立場や肩書が変わっても「友情」と呼べるものの根幹には何があるんでしょう?

【神谷】究極的には心の奥底で好きか好きじゃないか、な気がします。ミスコン時代はすごく仲がよかったはずなのに、相手が社会人になってからは一切連絡すら取らなくなってしまったコがいて。

【糸川】確かに、そういうのはあるかも。

【早坂】あのときは仲よかったけど今は疎遠になったみたいな人、います。

【神谷】おしゃれなカフェで写真を撮るのとか、「見栄っ張りだな」と当時ちょっと思ってしまっていたんです。

【糸川】もしすごく仲のいい友達だったら、それすら楽しめるはずだよね。「うちらイケてる~」とか言ってふざけながら。

【神谷】そう。あとは最近母が、子供が成人した解放感からか、よく女子会をしているんです。離れていく関係もある一方で、本当に好きなら自然に戻っていくのかなと思えて、ちょっと安心しました。

──移ろいゆく女の友情に対して今後、どんな風に向き合っていきたいですか?

【早坂】相手も自分も変わってしまうのはもうどうしようもないですよね。

【神谷】そこはもう受け入れるしかなさそう。

【早坂】もし相手との距離感が変わっていくことに気づけたら、ただ放っておかず、自分から会いに行くとかできることはしたいな。

【神谷】私も、思い出したときに積極的に自分から連絡するというのを徹底しないとだめだなと思いました。

【早坂】糸川さんはわりと、来る者は拒まず去る者は追わずなタイプな感じがしますよね。

【糸川】結構そうかも。でもさっきふたりの話を聞く中で、昔そんなに仲よくなかった友達と最近会うようになったことを思い出して。

【神谷】私の逆パターン! きっかけは?

【糸川】幼稚園から中学校までずっと一緒だった幼馴染みなんですが、昔はめちゃくちゃ仲が悪かったんです。距離はいちばん近いけど、喧嘩ばっかり。それが最近お互い東京にいるとわかって、「ちょっと会おうよ」となってから月1で会っています。

【神谷】昔はなんで喧嘩していたんですか?

【糸川】ゲームを貸すとか貸さないとか、本当にしょうもないことで…。でも今では笑い話だし、昔からお互いを知っている存在は貴重だとも思えて。根本的な性格は変わっていなくても、考え方は大人になったのかもなと。

【早坂】今はどんな話をするんですか?

【糸川】昔の話や恋バナもするし、自分の彼にも会ってもらいました。

【早坂】好きな人に、自分の好きな人がどういう人か見てほしいですよね!

【神谷】私は恋人を紹介されたことはないけど、高校時代の友達とは今も昔もずーっと恋愛トークしかしないです。

【早坂】私も、恋愛の話ばっかりしてる!

【糸川】結婚しても旦那の愚痴とか言いながらママ友になれたらいちばんいいな。

【神谷】それめっちゃいい(笑)。結婚は幸せな変化かもしれないけど、その先も友情に関しては変わらないでほしいですね。


編集後記

エディターK(社会人1年目):日々花粉と格闘中。ねむいかゆいつらい。

この対談の後日、友達と焼き肉を食べながら会社の同期とは何かについて議論しました。結論は、自分と相手が感じている距離感や関係性こそが真実で、名前はなんでもいいよね~というちょっとかっこいい感じに。詳しくは是非ドラマ『アンナチュラル』の第6話をご覧ください!

CanCam2024年4月号「CanCam it girl総研」より
イラスト/佐藤麻美 構成/川口里那 WEB構成/久保 葵