同僚・同級生の成功を素直に喜べない人の心理って?

同僚・同級生の成功を素直に喜べない人の心理って?

新生活も過ぎて周りで少しずつ差が生まれると、だんだん不安になりますよね。同僚や同級生が活躍しているのを見ると、「自分もがんばらなきゃ!」と思う裏で、「何であの人が!?」というネガティブな気持ちを持つケースも少なくありません。ここには“同期”という、スタートラインが同じであるがゆえのライバル心が絡んできています。そこで今回は、「友達の幸せを素直に喜べない人のための心理テクニック」をご紹介いたします。

■頑張っているのに認められないという思い込みがある

カナダの大学のC・ロッシュ博士は、“抑うつ傾向”が強い人ほど目的達成のための努力を惜しまなかったり、結果が出るまで頑張る傾向があると判明しました。逆を言うと、頑張り屋さんほど心が折れやすいのです。そのため、同期が評価されているのを見ると、「どうして自分は認められないのだろう」、「もっと努力が必要なんだ」と自分を責めてしまいがちに。そうすると、同僚らの成功を喜ぶ余裕がなくなってしまうのです。まずは今の自分に満足することで、心に余裕をつくりましょう。

■自分の中の負の感情を吐き出せない

テキサス大学のジェームズ・ペネベーカー博士は、不満などのネガティブな感情を吐き出させると、約49%の人はそれだけでスッキリしてしまうという研究結果を発表しています。結果的に問題自体は何も解決していなくても、自分の意見・不満を吐き出すだけで、不満自体がやわらぐケースがあるのです。そのため、同期が上手くいっているのを見て、ネガティブな感情が湧きおこってきたとしたら、誰かに吐き出すのもアリです。不満がなくなれば、素直に喜べるようにもなるはず。

■原因の帰属をどうにもできない他人の仕業にしてしまう

同期の成功を目の当たりにすると、今の自分のことをどうしても省みてしまいます。そして、行動の結果に対しどこに原因があったのか思いを馳せる人も少なくないでしょう。心理学者ワイナーは失敗の原因を自分にあるのか、自分以外にあるのか、そしてどうしようもないことなのか、どうにかなったことなのかの4つに分類しました。そこで、最も物事を悲観的に受け止めるグループが、自分に原因を帰属させてどうにもならないと考えるタイプでした。例えば、「どうせあの人は上司から気に入られてるから……」と思い込むケースがこれに該当します。いろいろ勘ぐるよりも、自分がどうすればいいかに思いを馳せるほうが建設的だと言えます。

■すべて“自分に関係がある”と受け止めてしまう

同期は嬉しそうだけど、自分はそうじゃない…… この考え方の裏には「成功する人は限られていて、周りが上手くいくとその中に自分は入れずあぶれるのではないか」という恐れが隠されている場合が多いもの。これは周囲のすべての出来事が、自分に関係があるという受け止め方に問題があると言えます。そんなストレスと上手に向き合っていくには、“ペルソナ・ペインティング”という心理手法を使ってみることをお勧めします。これは心理学者ユングが提唱するもので、ペルソナ=仮面を変えることで受け止め方を変えるという方法。別人になりきったつもりで同僚の幸せに向き合うことで、客観的に喜んであげられるはずです。

終わりに

本来は、すべての人が他人の笑顔を見ると自分まで嬉しくなるという共感性を持っています。これはミラーニューロン(他者の行動を見て、まるで我がことのように感じとって”鏡”のような反応をする能力)によるもの。しかし、そこに何かしら妬ましさや羨ましさといった負の感情が入り込むことで、素直に喜べなくなってしまうのです。もしも自分がそうなっていると感じたら、あえて喜ぶフリだけでもしてみましょう。自分自身の潜在能力が開花するはずです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。