【五月病対策】周囲に「なじめない」ときに試してみるべき心理テクニック

【五月病対策】周囲に「なじめない」ときに試してみるべき心理テクニック

新生活もなんとか落ち着き、五月の大型連休をゆっくり過ごした後こそ“五月病”はやってきます。いざ休み明けになると、心が前に向けず落ちこんでしまうことも。本当はムリしていたり、新しい生活にストレスを感じていませんか? そんなときに試して欲しいことがあります。そこで今回は「周囲に“なじめない”ときに試してみるべき心理テクニック」をご紹介いたします。

■郷に入りては郷に従う ~先入観を捨てる~

心理学には、プライミング効果という概念があります。これは簡単に言うと、先行学習で得た情報(プライム)が後続の学習に影響を与えることを意味します。これが先入観や常識に繋がります。これはとても大事なものですが、場合によっては環境の変化に対応できなくなる原因になってしまう場合も。一見、自分にとっては無意味と思える組織の慣習や伝統も、実は大切なものであることも少なくありません。そのため、周囲になじめないと感じたときは、自分の常識をすべてと思わずに先入観を捨ててみましょう。一度受け入れてみると、意外とすんなり順応できる場合もあるはずです。

■考えずに新生活様式をただ続けてみる

人は目にする回数が多い人やもの、環境に対して、親近感を抱くという心理傾向があります。これを単純接触効果といいます。そのため、環境に馴染めないと感じたら、まずは何も考えずに新しい生活様式をただ淡々と続けてみましょう。そうして新環境に触れることを心がけていれば、そこを取り巻く人や組織に対して親近感を抱けるようになれるでしょう。もしかしたら、あなたが現環境に馴染めないという感覚を持っていたとすれば、その理由は単純に接触する回数が少ないだけなのかもしれません。

■人マネすることでラクになる

もしもあなたが新生活になじめないなら、思い切って人マネをしてみましょう。その対象は、その環境に順応している知人や友人がベスト。言動・態度・表情などをマネしてみるうちに、あなたは周囲に適応的になるはずです。これを心理学では“カメレオン効果”と言います。そうすることで仲の良い友人ができれば、新生活での拠点となってくれるでしょう。新しい環境で気を許せる友人ができれば、自然と周囲にもなじんでいけるはずです。

■自分から率先して好意的アクションを起こす

人には好感を持っていることを示すことで、自然と相手も好感を持ってくれるという心理があります。これを心理学では、好意の返報性と呼びます。しかし相手が好意的なアクションを起こすのを待っていても、なかなか発展しないのが実情。そこで、自分から周囲に先に好意を示していくことで、属するコミュニティを居心地のいい場所に変えてみましょう。まずは笑顔で挨拶を始めることからスタートしてみるのもアリかもしれません。気を張る必要はないのです。そのうち自然体で生活できるようになるはずです。

終わりに

実は新生活後こそ、魔物は潜んでいます。周囲になじめなかったり溶け込めなかったりすると、何だか自分だけおかしいのではないかと不安になってしまうもの。でも、周囲との違いを感じとる感受性があるということは、自分と他者との境界線が認知できているということでもあります。ただ、そのアンテナが敏感過ぎると、余計な情報で頭の中がいっぱいになってしまうのです。ときにはサラリと流しながら、ただ日々を生きることだけを考えてみましょう。時が経てば「何のことはなかった」と気づくこともあるはずです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。