新生活を楽しむために!不安をコントロールする方法

不安のコントロールについて

冬が明けて春が訪れるとき、人の生活様式は一変してきました。そう、新生活の始まりです。学生も新社会人も、期待と不安に胸を高鳴らせながら、新しい環境や人になじんでいくシーズンなのです。でも、「不安>期待」という構図になると、萎縮してしまいますよね。それを跳ね返すにはどうすればいいのでしょう? そこで今回は、「不安のコントロール方法」をご紹介いたします!

■周りと比べずに過去の自分の成長度をはかる

自分よりも才能があってすばらしい仕事ぶりを発揮している人を見て、ポジティブな刺激を受けるのは確かに悪くありません。でも、自分と比べ「すぎる」のはNGです。誰かと比較することにこだわると、目標を見失って自尊心を下げてしまう恐れもあります。比べるべきものがあるとしたら、「過去の自分」です。過去からどれだけ進歩できたか認識する、これを心理学では“内発的動機”と言います。理想や目標に対して自分が今どのくらいの位置にいるのかを把握することができれば、新生活に対してのとらえ方も大きく変わってくるはずです。

■目標に取り組む前の手数を減らす

ある心理学実験によると、必要なアクション数が少ないほど、行動が早くなるという結果が証明されました。達成したいことやクリアしたいことはアクション数を減らすと、すぐに取りかかれるようになります。その結果、新生活に素早く適応できるのです。そのため、モチベーションを維持したい場合は、簡単な下準備をしておきましょう。目標に取り掛かるまでのプロセスを減らすことで、やる気をそがずに新しい環境になじめるはずです。

■その“劣等コンプレックス”不要なのでは?

男女問わず多くの人が新生活に“劣等感”を持っています。これは簡単に言えば、コンプレックスが強いことを指します。この心理的偏りの特徴は、自分をよく見せようとしたり、失敗を恐れるという形で表出されるでしょう。そして、自分が新たに出会う相手より劣っていると強く感じて、心にわだかまりを抱いてしまうのです。特に、何でもできる優秀な相手や自分の欲しいものを持っている人に、強く劣等感を覚えてしまうでしょう。そんなときは、「人は人、自分は自分」という発想を忘れないようにしましょう。別に“ナンバーワン”になる必要はないのです。あなた自身がこの世の中において“オンリーワン”な存在なのですから。そうすれば劣等感はいかに不要か分かりますよね。

■好きな人物との共通点を見つける

米国の心理学者グレッグ・ウォルトンとジェフリー・コーエンによると、なりたい自分に近い人や憧れの人との共通点を探せば、最高のモチベーションになるとされています。こういったやる気の生み出し方は、“動機付け”によるものです。もしもあなたが新生活が不安だったとしても、好きな人物に自分を重ね合わせることで、より一層がんばれるはずです。対象となる相手は、歴史上の人物でも身近な先輩でもかまいません。そんな理想の人物を自分の心の中にセットするだけで、いつの間にか適応できている自分に気づけるでしょう。

おわりに

新しい環境がやってくると言うことは、実は人にとっては“脅威”です。これまでの方法ややり方が通用しなくなるのですから。でも、人には“適応力”という強さがあります。さまざまな悩みを抱えながらも、自然に与えられた場になじんでいくのです。だから、今は不安でもあまりそこにフォーカスしないでください。後から振り返れば、きっと「なぁんだ」と思うことができるはずですから。新生活、がんばりすぎずにファイト!(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。