突然告げられた理不尽な異動。33歳、何が正解?【貯金1500万の女】Vol.1

突然告げられた理不尽な異動。おとなしく従うべき? 拒否して会社を辞めるべき?

私が異動したくないのには、出世ややりがいより大切な理由があって……。

「ゆとり以上バリキャリ未満」を生きる33歳のOL、マユに訪れた突然の転機。今どきの「女の幸せ」ってなんだろう? 世代を超えて共感必至の、女の人生ルポルタージュ。

 

水野マユ(仮名)33歳/エンタメ関係

1984年生まれ、東京都品川区在住(両親、犬1匹と同居)
職歴/大学卒業後、音楽関連会社に就職。2年勤めて退社。
その後、約1年半のアルバイト期間を経て、27歳で現在のエンタメ関連会社に入社。
似ているタレント/大政 絢
理想のタイプ/藤原竜也
手取り月収/約22万円(税引後)   貯金総額/約1,500万円

Vol.1   突然告げられた理不尽な「異動」。33歳、何が正解?

6年目のデスコール


2017年4月5日、この会社に転職して6年と152日目の13時32分。

マユの会社用スマホの画面に、ある番号が光った。何か大事な連絡ごとがあるときにかかってくる、人事担当の番号。社内では、デスノートならぬ“デスコール”と呼ばれて恐れられている。

「水野です。……。はい、わかりました。じゃ、会社辞めます」

 

マユはたった今、6年半務めてきた宣伝部から、マネージメント部、つまりタレントのマネージャーへの異動を告げられた。電話の向こうの人事担当者は、マユの「辞めます」発言にびっくりした様子で、「きちんと話しましょう」と言ってきた。まあ、これも予想していた反応だ。

 

「今年の3月ころから、社内がザワついていたんです。大幅な組織変更があって、マネージャー職に大量異動させられるらしいって。マネージャーっていうのは、担当するタレントのスケジュール管理をしたり、車や食事の手配をしたり…。華やかな業界のイメージとはかけ離れた、いわゆる雑用係というか、付き人です。朝は早くて夜はエンドレスだから、最近の残業問題とか働き方改革のなかでは、相当マズいっていうことになって。だから、人を増やさないといけない、というコトらしいです。

大切なタレントを支えるマネージャー業務が大事なのはわかります。人が足りないっていうのも、うちの会社ではずいぶん前から言われてたことだし、実際、体壊したり、メンタル病んで辞めちゃった人もいたし。でも、私がやりたくない理由は、そこじゃありません。

あの仕事してたら、結婚できないんです。

自分で自分の予定を決められない、週末にも仕事が入る、急な呼び出しがかかる…。そんな生活で、結婚できる気がしない。それだけが理由ではないだろうけど、マネージャー職の女性で、幸せな結婚をした例が見当たらない。

かといって、今から転職活動をして時間をとられるのは、私の婚活に支障をきたすんです。そもそも、転職するといったって、何をやりたいのかわからないし。

今気になる人の気持ちは確認できていないし、これがダメだったら、すぐ次を探さないといけないんですよ。こっちはこっちで忙しくて、ほんとに異動してる場合じゃない。

私、なんとしても、35までには結婚したいんです」