小学生でも読める簡単な漢字でも、組み合わせや送り仮名によっては結構な難読語になってしまうときがあります。たとえば、「欠」「販ぐ」「徒口」など。パッと読めそうなのに読めないと、なんだかモヤモヤしますよね。
さて、本日の漢字クイズもそんな「読めそうで意外と読めない日本語」に挑戦していただきましょう。お題はこちらです。
「止ん事無い」。
漢字そのものはどれも簡単ですが、この組み合わせで見る機会はほとんど無いかも。こちらの日本語、いったい何と読むのでしょうか? ヒントをもとに推理してみてください。
■ここでヒント!
どんな意味の言葉なのかが分かれば、推理もしやすくなりそうです。そこで、まずは言葉の意味を見てみましょう。小学館デジタル大辞泉によると、「止ん事無い」の意味は次の4つです。
1 家柄や身分がひじょうに高い。高貴である。
2 そのまま捨てておけない。なおざりにできない。のっぴきならない。
3 なみなみでない。特別である。
4 貴重である。
かなり古風な日本語なのですが、現代人の私たちにとって比較的なじみ深いのは1の意味でしょう。とくに時代劇や歴史もののマンガなどでは、高貴な生まれの人を指して「止ん事無い生まれ」「止ん事無いお方」といった表現をすることがあります。
ちなみに、送り仮名も含め全てひらがなで書くと「◯ん◯◯◯い」の6文字です。
さて、そんな「止ん事無い」の読み方は……? この辺りで正解を見てみましょう。
■正解は、こちら!
「止ん事無い」の読み方、正解は「やんごとない」でした。
日常会話ではあまり使わないし、文章で見るときにはひらがな表記が多いので、漢字表記があることそのものに驚いた方もいるのではないでしょうか。なお、「やんごとない」は「止む事無し」が変化した言葉だと言われています。昔の人は、決して終わることがないもの=高貴なもの、として捉えていたのでしょうか。そう考えると、これまで以上に雅な言葉に見えてくるかも……。
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(豊島オリカ)