朝晩寒いし、急に秋だし、何着たらいいの?気象予報士に聞いた「季節の変わり目の正解服」

急に涼しくなった秋の始まりなど、季節の変わり目は「あれ、このくらいの気温のときって、去年は何着てたっけ…?」と疑問に思うこと、ありますよね。この間まで真夏だったのに急に秋の気配、朝晩と日中の寒暖差が激しい、毎日気温の上下が激しくて何を着たらいいのか混乱…などの理由で、「毎年何かを着ていたはずなのに、なぜか毎年何を着たらいいかわからなくなる現象」は、どなたもあるあるなのではないでしょうか。

そんな「気温の正解コーデ」について、気象予報士の佐藤可奈子さんにうかがいました。

お話をうかがったのは…

気象予報士 佐藤可奈子さん

大学卒業後、通信販売会社「ジャパネットたかた」に就職し、テレビショッピングのMCとして商品紹介を担当。エアコンが売れ出す時期に夏の到来を感じたり、夜の冷え込みが厳しくなると羽毛布団が売れたりと、天気の影響力を生放送の通販で体感。2017年より気象予報士としてのキャリアをスタート。現在はNHKジャーナルやNHKきょうのニュースなどで天気予報を担当。掃除スペシャリストや整理収納アドバイザーの資格も活かし、快適な生活を提案する気象予報士として活躍。

Q.「思ったより寒い」「思ったより暑い」が発生しがちです。気温と着るべきものの目安を教えてください!

A.気温が「5度」変わると、一段階服装を変えるべきと言われています

多少個人差はあるものの、以下がだいたいの目安です。

25度以上→半袖
20度前後→長袖
15度前後→長袖+羽織るものorニット
10度前後→コート

*個人差がありますが、それぞれプラスマイナス3度のイメージです

体感温度としては、一般的に25度以上は「暑い」、23〜24度が「ちょうどいい」、15〜22度が「肌寒い」、14度以下が「寒い」と感じる方が多いですが、同じ気温でも冬→春と秋→冬で感じ方が変わります。たとえば、冬→春では「15度はあたたかい」、秋→冬では「15度は寒い」と感じやすいです。

さらに前日との気温差が「5度」以上あると「暑い、寒い」を感じやすいため、調整しやすい服を着るのがおすすめです。

ちなみに、「今日はとっても快適!」と感じやすいのは、「気温23〜26度」×「湿度40〜60%台前半」の両方を満たしている日です。湿度が低いと汗が乾きやすく体温調整がしやすいので、湿度が高いときより熱がこもりにくく、ラクに感じます。

Q.最低温度と最高温度にかなり差がある日。何を着たらいいの?

A.こちらも出かける時間帯の中で「5度」以上変わる日は服装を一段階変えるのをおすすめします

最低気温は朝3〜6時頃に観測されることが多いので、多くの人はそこまで気にする必要はありません。「自分が出かける時間帯の、朝晩いずれか低い気温」を気にかけましょう。

1.最高気温
2.「自分が朝家を出る時間の気温」or「帰宅時の気温」のいずれか低い気温

このふたつの気温の差が5度以上出る場合は、上記の温度別服装の目安を参考に調整しましょう。特に、季節の変わり目は朝晩と日中で2〜3段階服装を変えた方がいい日もあります。

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Q.サンダルは、気温何度以上で履くのがおすすめなど、目安はありますか?

A.正直、天気によって変わります

実はこちら、回答がとても難しいものです。
私たちが普段目にする「気温」には、実は「高さ1.5mにおける」という条件がついています。気象庁が実際に観測する気温も、予想気温も「1.5mの高さ」を想定して発表されています。

一方で、地面付近はもっとも温度変化が激しい場所です。朝晩や日が当たらない場所では、高さ1.5mの気温よりマイナス3度くらいになります。(最低気温が3度くらいでも秋冬に霜が降るのはこのためです)。気温が25度くらいでも、足元がひんやりする日はあります。

反対に、晴れた日中は、地面が太陽の熱を吸収し熱くなります。特にアスファルトは、気温30度の日でも表面が50度以上に達する日もあります

晴れた日であれば、20度を越えていればサンダルでも良さそうです。ただし、晴れている日は紫外線の照り返しも強いので、足元のUV対策も同時に行いましょう。反対に、くもりの日や朝晩は、目にする気温よりマイナス3度の可能性があることを考慮しましょう。

Q.肌寒い日にカイロを使う日。実際使いたい時間帯は短くてもったいない…どうしたらいいですか?

A.ジップロックに入れて持ち歩きましょう!

カイロがあたたまる仕組みは「中に入っている鉄分が酸素とふれあうことで、発熱する」という化学反応です。室内にいるときなど使わない際は、ジップロックなどで密封して持ち歩くと、酸素を遮断する分化学反応が進まなくなり、長持ちします。
また、首をあたためると最もあたたかい効果を発揮しやすいですが、首にはるのはなかなか難しい。そこでおすすめしているのが「マフラーやストールにカイロを貼る」こと。ぐるっと首に巻いて外出するときだけあたたまりますし、会社などに着いたらそのままいすにかけて、背中をあたためるのに使えます。

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構成/後藤香織 写真/(c)Shutterstock.com