「HAPPY&ACTIVEなレディになろう♡」と掲げ、30歳前後の女性に人気のファッション誌『AneCan』の編集長インタビュー、第3回です。 前回までは2014年のトレンドやヒット企画を振り返っていただきましたが、今回からは少しずつ未来の話も交えてお話をうかがいます。 2014年、7周年イヤーを迎え、イベントごとやスペシャル企画が目白押しだった『AneCan』まわり。その振り返りと、2015年への展望をうかがいます。
★インタビュー 第1回→AneCan編集長が語る2014年ファッションの変化「先取ることの難しさ」とは!?
★インタビュー第2回→AneCan編集長が見通す2015年。”万人ウケファッション”の次に来るもの
Woman Insight編集部(以下、WI) 2014年の7周年イヤーはモデルに関するニュース、スタイリスト本の刊行、各種イベントなどとにかく盛りだくさんでしたね。まずモデルのお話からうかがいます。創刊当時から専属モデルを続けていた真山景子さんと鈴木サチさんの卒業、そして『CanCam』から安座間美優さんの移籍と、メンバーの変化が相次ぎました。さて、2014年、特にこの子は人気だったな、というモデルさんはいらっしゃいますか?
福田葉子編集長(以下、福田) みんなそれぞれ人気なのですが、12月号の「色気」特集で表紙にした森絵里香は2014年のダークホースでしたね。 WI その理由はなんですか?
福田 まず、2014年の頭くらいから編集部の中で「この企画は絵里香で撮りたい」という指名が急に増えました。「撮っていて楽しい」「期待以上の写真を残してくれる」と認識されているんだと思います。そう思っていたら「絵里香ちゃんかわいい」「絵里香ちゃんみたいになりたい」と、どんどん読者人気も上がってきました。おととしくらいから、絵里香の単独企画も何回かやっています。「絵里香が着る○○」や、9月号の香水の企画とか……。
WI 香水の企画、素敵でした……!
福田 香水は、誌面では香りを直接伝えることができないので、イメージ勝負となるすごく難しい企画です。あの企画は評判が良かったのですが、それはつまり絵里香の表現がよかった、ということ。さらに誌面だけでなくイベントでのご指名をいただくなど、少しずつ実績を積み重ねていって、いざ12月号を「色っぽかわいい」特集にすると決めたとき「この表紙モデルは森絵里香しかいないだろう!」と思ったんですよね。「エビ・もえ・麗子」がいる中、彼女なりの個性を見つけてよく頑張ったな、と思います。来年も期待しています。
WI 2015年に特に力を入れて魅力を引き出していきたいモデルはいますか?
福田 今も人気はありますが、有村実樹の可能性を広げていきたいです。今は「ミキレディ」というお嬢さんキャラですが、本当はもっといろんな表現ができる、可能性を秘めている子です。今の有村実樹のイメージをいい意味で裏切っていきたい、という話を編集部でしています。新しさを出していきたいですね。
WI 次に、ファッション誌には欠かせないスタイリストさんについて。2014年は亀恭子さんと入江未悠さん、看板スタイリストおふたりの単行本も発行されていましたよね。
福田 これも7周年企画のひとつです。創刊当時からずっといてもらっているふたりなので、「やっと本を出せた!」という思いです。ふたりとも読者に非常に人気ですし、連載もずっとやっています。キリがいい7周年でまとめて一冊の本にしてみようか、という話になりました。
WI おふたりの本を同じ時期に出版されたことによって、亀さんと入江さんの対比もわかりやすくて面白かったです。 福田 たまたま「かっこいいとかわいい」など、雰囲気も違うし好きな色も真逆なふたりなので、同時に出してふたつ並べたほうが面白いな、と考えました。2冊同時に出せたのは大きかったですね。対照的になるだろうな……と思って作っていたら、やっぱりそうなりました(笑)。
WI そして、イベント。毎月のように何かやっていらっしゃいましたよね。
福田 2014年は例年に比べて非常にたくさんイベントをやりました。なんと毎月どころか、この間まで6週間連続イベントがあったんです。
WI 6週間……! お疲れ様でした! どのようなイベントをされましたか?
福田 ティファニーの銀座店で実際に朝ごはんを食べるイベントができたのは大きかったです。それに、蛯原友里がオードリー・ヘップバーンに扮した表紙は本当に反響がありました。あとは春はルコックゴルフ、秋はキャロウェイアパレルとタッグを組んだゴルフイベント、クルチアーニで夏祭り、ゲランで俳優の平岡祐太さんをゲストに迎えたイベント、スタージュエリーとの合コンクルーズ……思い出深いものはたくさんあります。本当にすごくイベントが好きな編集部だと思われています(笑)。だいたいイベントものは企業と組んでのタイアップイベントなので、「『AneCan』なら盛り上げてくれるんじゃないか」という期待には応えたいんです。私も最初の打ち合わせから最後の台本チェックまで全部行っています。
WI 見ていて「こんなにたくさんやっていて、しかもどれも面白いイベントで、大変じゃないのかしら……!」と思っていました。
福田 モデルさえ出ればみんながOKというわけではないので、イベント自体も工夫して体験型のイベントになるように、といつも考えています。なるべくイベントに来てくれた読者の方とモデルの距離を近いものにしたいし、なんらかの商品があるときは、読者も「見て終わり」だけではなく、「体験して欲しい」です。例えば、花王のクレンジングのイベントは、全員にメイクを落としてもらいました(笑)。体験すると「自分ごと」になりますしね。
WI たくさんイベントをしていると、つい「この間やったあれと名前だけ変えて……」ということになってしまいがちですが、そんなことはまったくないのですね!
福田 同じようになってしまうことが嫌なので、いつも「なるべく違うことをやりましょう!」と言います。2015年の『AneCan』は、とにかくあらゆるジャンルで「新しいことをする年だな」と思っています。新しい人、企画、イベント……。「去年やったあれをやろう」ではなく「やったことがないことをやってみよう」。今までもその気持ちはもちろん持っていましたが、今年はより「迷ったらリスクのあるほうを」という方針でいこうとみんなで話しています。
WI なぜ「迷ったらリスクのあるほうを」と決断できるのですか?
福田 『AneCan』は良くも悪くも専属モデル制ということもあり、ずっとコアな固定ファンがいる雑誌です。そうすると、長くやっているほど、なんとなくだんだん守りに入ってしまうんですよね。7周年も「守りの体制ではなくなるように」とがんばって変えてはきましたが、2015年、8周年の年は変化をもっと表に出していきたい、と考えています。
2015年の『AneCan』はいったいどのようなことをやってくれるのでしょうか……楽しみですね。 さて、次回は最終回。春のトレンド予測も取り入れつつ、『AneCan』が誌面でいったいどのようなことを打ち出していくのかをうかがっていきます。(後藤香織)
★インタビュー 第1回→AneCan編集長が語る2014年ファッションの変化「先取ることの難しさ」とは!?
★インタビュー第2回→AneCan編集長が見通す2015年。”万人ウケファッション”の次に来るもの
【編集長インタビューシリーズ】
※CanCam編集長が語るトレンド予想。今年は空前の○○ブームが来る!
※ヒット企画からOggi編集長が紐解く、働く女性の”いまどき”のリアル
※Domani編集長が分析!元祖○○世代・35歳前後のファッションはどこへ向かう?
※Precious編集長も驚く……Precious読者のラグジュアリーなお買い物伝説
※編集長曰く「MEN’S Prescious世代へのメッセージは”自分の信じる道を行け。そして……”」
※日本文化を伝える雑誌『和樂』編集長が語る「○○こそサイコーのエンターテインメント!」
※SAKURA編集長が解説する、今どきママが大切にする「3つの軸」。
※NO.1美容誌『美的』編集長が分析する「太眉」ブーム、ふたつの理由
【2013年『AneCan』編集長インタビュー】
第1回→ AneCan編集長が2013年を総括!「重大ニュースは押切もえの○○○」
第2回→ AneCan編集長が2013年を総括!「消費に積極的な子たちを世間は見ていない」
第3回→ AneCan編集長が予言!2014春のトレンドは「スカート!フラット!モノトーン!」
【あわせて読みたい】
※エビちゃんが暴露「押切もえは忘れんぼ!」AneCan夏祭り詳細レポ