30代の働く女性の2013年をDomani編集長が解説!「最大のヒットアイテムは○○○」

30代の働く女性向けファッション誌である『Domani』。30代の女性というと、結婚や出産など、人それぞれにライフスタイルの変化があるなかで、「働いていること」を基軸に置いたリアルファッション誌は、実は他にあまりありません。そんな選択肢の多い世代にとって、この2013年はどんな年だったのか。また、2014年はどんな年になっていくのか?

お話を聞いたのは『Domani』編集長の吉川純さん。吉川さんと言えば! かつて作家・林真理子さんのブログでも「いま日本で一番おしゃれな編集長」と紹介されていたくらい、ご自身もずばぬけておしゃれな、働く女性のひとり。後輩世代にあたる30代の働く女性たちを、どのように見つめてきたのか教えてください!

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吉川編集長(以下、吉川)  『Domani』は、35歳を平均値としてまんべんなく30代全体の働く女性をカバーしています。そのなかで、働く女性の2013年最大のヒットアイテムはスカートでしたね。『Domani』は働く女性に向けて“こなれた”パンツスタイルを提案してきました。実際に読者もパンツの着こなしが得意でしたが、2012年の終わりくらいから、読者アンケートの「好きなコーディネート」にスカートがランクインし始めました。そこで、2013年の9月号で丸ごと1冊スカート推しをやったら、驚くほど好評だったんです。トレンドとしてもスカートはきていたんですが、他誌に先駆けて少しだけ早かったんですね。タイミングがよかったこともあって、読者の「パンツはすっかり着こなせた。最近そういえばスカートはいてなかった」という気持ちに響いたのだと思います。なおかつ「今度はいったい何が売れるのか?」と考えていらしたクライアントさんにも、いち早く「スカート」を提案できたことで、双方の気持ちがすごくフィットした特集になりました。このスカートの傾向は2014年も続いていくと思います。

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Woman Insight編集部(以下、WI) パンツって動きやすくてきちんとして見える、働く女性には便利なアイテムとして長く愛されてきました。そんな女性たちにも、「これからはスカートもいいじゃない」と思わせたのって何でしょうね。

吉川 仕事を10年続けてきて、自信と余裕が生まれるのが30代。だからこそ、「私は私。自分らしいおしゃれを楽しんだっていいじゃない」「女なんだからスカートをはいてもいいじゃない」という気分が出てきたんでしょうね。かつては男性と肩を並べて働くなかで、女性らしさを封印する傾向がありましたが、今ではそれも薄れてきました。女性であることを、無理せず楽しめるようになってきたんだと思います。また「スカート=女らしさを強調する媚びた着こなし」というイメージだったのが、“こなれた”着こなしもできることがわかったのも、安心してトライするための後押しになったのではないかと思います。スカートにはヒール靴が当たり前でしたが、フラットシューズも同時に広がりました。“女靴”だけでなく“男靴”も加わって、楽ちんなだけじゃない、ファッショナブルできちんと感のある靴が見つかる。スカートにフラットシューズを合わせて、フェミニンすぎない“こなれた”着こなしができるというのも、相乗効果になりました。

今までのスカートの着こなしといえば、セクシーなタイトスカートか、甘いフレアスカートか、若いミニスカートという印象が強かったため、「キリッとした着こなしならパンツ」というのがセオリーでした。そんななか、ファッション全体のトレンド=スカートが「30代の働く女性にも響いた」というのは、2013年の大きなポイントです。では、なぜ30代の働く女性に響いたのか? 次回は、トレンド側ではなくインサイトの変化についてお話を聞いてみましょう。(安念美和子)

 

Domani2014年2月号表紙
(『Domani』2014年2月号)

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