ちょっと疲れてない?五月病を上手に乗り切るための心理テクニック

五月病を上手に乗り切るための心理テクニック

新生活も落ち着き、やっと環境に慣れてきたと思ったら…… 何だか気持ちが落ち込んで何もしたくない。そう感じたとしたらそれはもしかすると“五月病”かも!? 頑張らなきゃ! と思っても、それがまた焦りを生み、鬱々とした気分になり負のスパイラルに陥ってしまいがち。そこからリカバリーするにはどうすれば良いのでしょう。そこで今回は、「五月病を上手に乗り切るための心理テク」についてご紹介いたします。

■とにかく好きなもので自分を囲いこむ

五月病の状態は、自分の心がエネルギー不足になっている状態だと例えられます。そんな時に必要なのは、自分自身を喜ばせて心に活気を満ちさせることです。そのために必要なのは、好きなものだけを見て、好きなことだけをするのに尽きます。人間は、心理的にネガティブになると認知のゆがみが生じて、マイナスなことだけを選択的に抽出してしまうとされます。それを修正するためには、自分の好きなものだけで自分を固めることが大切です。そうしてリカバリーの土台を作りましょう。

■あなたの味方や仲間とだけ関わる

五月病の原因の8割は、人間関係からやってくるとされます。そのため、落ち込んだ原因となった人と関りを持ち続けたり、自分に厳しい人と接していると、いつまでもメンタルが回復しません。そこで、関わる人間関係も精査しましょう。完全にリカバリーするまでは、自分の味方や仲間といった、自分をうんと甘やかしてくれる人とだけ関わるようにしましょう。家族などでもOK。自分が許された存在であるという心理状態をつくることで、自然と心の自浄作用が働き、立ち直っていけるはずです。

■余計な考えが浮かんだらストップ!

五月病になると、「自分はちゃんとできるのだろうか……」と不安でいっぱいになってしまいます。そんなときやるべきは、思考を停止させることです。これは一番難しく、でも一番心に留めおいて欲しいアクションになります。落ち込んだ状態であれこれ考えても、何も建設的な発想は浮かんできません。それどころか、自分がいかにダメな人間なのかということばかりに目がいってしまいます。その状態が続くと、心理学においては、アパシー(無気力)状態になってしまいます。リカバリーのためには、まず考えることをやめましょう。

■今の環境と全くの別世界に触れてみる

もしも、それでも五月病を引きずって心が晴れないと感じるのなら、今の場所から離れて全く違う環境や世界に触れてみましょう。アメリカの心理学者ウェグナーの“シロクマ実験”によると、人間の心理には思い出したくないことや失敗など考えたくないことを思えば思うほど、そのことで頭がいっぱいになってしまう傾向があるようです。これを心理学では、“皮肉過程理論”と言います。その状態から脱却するのに一番簡単かつ効果的な方法は、自分の周囲をガラリと変えること、つまり旅行や冒険なのです。そうすることで、さまざまな気づきも得られて五月病が治っているはず。

終わりに

“五月病”になったかも…… と思った時に大切なのは、ムリして元気になろうとしないことです。頑張り屋の人ほど、何とか立ち直ろうと自分を鼓舞して、逆にアパシー(無気力)になってしまう傾向があるようです。心理学において、鬱はよく心の風邪だと表現されますが、心が弱っている時は休めてあげるに限ります。新しい環境をがんばりすぎた結果と受け止めて、自分の心に素直になることも大切なのです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。