人を信じたいけど信じられない…自分の心の扉を開けるには?
心の奥底では人を信じたいのに、怖くてなかなかそれができない…… そのような悩みを抱えている人は、実はかなり多いとされます。ある調査によると、自分には信頼できる仲間がいないと6割近くの人が回答したのだとか。人を信じることは確かに難しいことですが、もしもあなたにそれができれば、きっと未知の世界が開けてくるはずです。そこで今回は、「人を信頼できないときに心の扉を開けるには」をご紹介いたします。
■人を信じられるようになる期間は知り合ってから「○か月」!
心理学においては、信頼関係を構築するための過程を“ラポール理論”と呼びます。このラポールとは、相手の心に踏み込むための礼儀であり、仏語で橋をかけるという意味です。このラポールが形成されると、心が通い合い絆が深まっている状態となり、何でも話せる関係性になれます。そのための期間は、知り合ってから3か月だとされています。一朝一夕には信頼関係は作られるものではないので、じっくりと向き合うことが大切になってくるのです。
■自分の心が閉じていると信頼関係は深まらない
いくら相手があなたのことを信じてくれたとしても、あなた自身が心を閉ざしていると関係は深まっていきません。そこで、相手と何度も会うということが必要になってきます。最初は信頼できなくても、会う回数が増えるたびに次第に会話したいという気持ちになってきます。これは慣れ親しんだ相手に対する愛着や好意が湧いた結果です。このことを心理学においては“単純接触効果”と言います。自分の心の扉がなかなか開かないと感じるなら、まずは合う回数や機会を増やしてみましょう。しだいに心が動きを見せてくるはずです。
■心の扉を自分から開けると……
上記のように心の扉が少しずつ開いてきたらしめたものです。今度は自分のほうから相手にアクションを起こしてみましょう。やることは簡単。ただ、自分についてお話をしてあげればいいのです。そうされることで、相手は「この人は私に心を許してくれている」と感じて、次第に相手自身のことを話してくれるように。これを心理学では“自己開示効果”と言います。本来は誰しも嫌われたくないのであり、相手を信じて良いかどうか迷ったり不安になるものなのです。それを自ら取り払えば、相手からの信頼を掴み取ることができるようになるのです。
■人を信じる力を養うための5ステップとは
それでも、なかなか自分から話しかけられないというあなたのために、信頼関係を構築するためのステップを5段階に分けて説明します。
ステップ①
笑顔・挨拶:相手への警戒心を解いて自分の安心情報を伝えます。
ステップ②
雑談:今日は良い天気といった当たり障りのない会話で距離を縮める。
ステップ③
質問:自分から質問をすることで共通点を探り出す。
ステップ④
共感:感情を共有してシンクロする感覚をお互いが持つ。
ステップ⑤
信頼:時間や機会を共有し、次にまた会おうという約束を取り付ける
この5ステップを3か月かけて実践していけば、きっとお互いに信頼し合えていることでしょう。
最初に出会った人との関係は“無”であって当然。初対面で相手のことを手放しで信頼することなんてできないのです。なぜなら信頼とはすなわち関係性によるものだからです。そこから何度か会い、相手のことを詳しく知ることで信頼度が高まり、徐々に心許せる相手へと昇華していきます。そのため、人を信じることができないというあなたの恐れは当然のこと。信頼関係を積み上げていく姿勢が何よりも大切なのです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。
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