既婚者が語る「結婚相手と合ったほうがいいもの」は?
人生を揺るがす問題になる「結婚」。
そしてそれを取り巻く「婚活」事情は、いくらひとりで考えてもなかなか答えが出ないものがたくさんあります。
たとえば「そもそも、どうしたら好きな人ができて結婚に至るの?」「自分が愛する人より、自分を愛してくれる人と結婚したほうが幸せなの?」「結婚相手とは趣味が合ったほうがいいの?」などなど……。
そんなあらゆる婚活・結婚の問題について、下北沢の本屋B&Bにて「浅見悦子×とあるアラ子婚活の理想と現実」という題で、「婚活」にまつわる書籍を出版しているふたりがクロストーク!
映画化もされた大人気コミック『美人が婚活してみたら』の著者・とあるアラ子さん(以下・アラ子さん)と、webメディアOTONA SALONEの人気連載が書籍化された『40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活』の著者・浅見悦子さん(以下、アサミさん)。
アラ子さんは30代中頃の既婚者(結婚歴4~5年)、一方でアサミさんは40代後半の独身。結婚の現実を知るアラ子さんと、結婚にまつわる理想・妄想を抱くアサミさんが語り尽くした内容は、これから結婚or婚活する人・そして婚活中の人にとってかなり興味深い内容。
前回は「好きな人を作るにはどうしたらいい?」問題をご紹介しましたが、今回は「結婚相手と共通の趣味はあったほうがいい?」問題と「結婚の条件って、どう考えていったらいい?」問題についてレポートします♪
Contents
【テーマ】結婚する人と「共通の趣味」はあったほうがいい?
婚活や合コンなど、さまざまな出会いの場でつきものな「趣味はなんですか?」という話。もちろん同じ趣味があれば話ははずみやすいものですが……実際、結婚する上ではどのくらい重要なのでしょうか?
アサミ「私は理想としてあったほうがいい気がする派ですが、アラ子さんのところはどうですか?」
アラ子「うちは同じ趣味はないですね……。夫の趣味は、パチンコ、競馬、麻雀、音楽。何ひとつかぶってないです。でも「趣味が合わない」と「話が合わない」って別の話で、会話のすべてが趣味の話ではないじゃないですか。たとえばこのニュースどう思った? とか、あの人は好きだとか苦手だとか。そういった価値観が合うのは大事だと思いますが、娯楽が一緒のほうがいい、とは特に思わないですね」
ここで客席に「パートナーと共通の趣味があるかないか」を聞いてみると、だいたい半々。映画鑑賞が共通の趣味だという方は、映画が好きということは同じでも、好きなジャンルが異なるので、競ったり幻滅したりせず、うまくいっている、と答えていました。
アサミ「私、血が出るものとか、プロレスとかがちょっと怖いんです。だから年末のテレビでもし格闘技を一緒に見たいと言われたら困ってしまう。その人が勝手にプロレスを見に行ってくれてるぶんには構わないんですけど……」
アラ子「『見たい番組の趣味』問題ですかね? でも、確かに私も夫とのケンカの原因はテレビのチャンネル権争いが多いので、実は大事だと思います。私は今やっている番組が観たいのに、夫は「その番組録画する必要ある!?」と思ってしまうような番組を大量に録画してずっと観ているんですよ。些細な問題かもしれませんが毎日のことなのですごくストレスで。婚活中の方はデートのどこかで一緒にテレビを観てみることをお勧めします!」
【客席からの質問】Q.チャンネル権問題、テレビをふたつにするという手段はどうですか?
アラ子「テレビを見るのは食事中なので、そうすると一緒にいる時間がなくなるんですよ。だからいっそテレビを捨てたい(笑)」
ここで質問者のお客さんから「同じフロアにリビングとダイニングがあって、それぞれにテレビがあって、それでどっちの音量がうるさいとか、別々のものを観ていたりとか、家庭内別居のような状況になることがあるんですよ」と非常に興味深い実例があがってきました。
アラ子「チャンネル権離婚はありえますよ!」
アサミ「この間同窓会きっかけで実家に帰って母と話したんですが、男の人は子どもだから、どんなこともあたたかい目で見てあげるのがいいんじゃないかと言っていました(笑)。実際は父の方が3つ年上なんですけど、それでも年下だと思って接するくらいがちょうどいいと。チャンネル権でもなんでも、相手は子どもだと思うともしかしたらそこまでイライラせずに済むかもしれませんね……」
【テーマ】結婚相手の条件は、どのように決めていくべき?
「結婚相手の条件」って、かなり難しいもの。あちらを立てればこちらが立たずで、すべてを満たす人と出会うのはなかなか大変。じゃあどこは譲れない条件にして、どこは妥協すべきなのでしょうか?
アサミ「オトナサローネで、作家の岩井志麻子先生の連載をやっているんですが、先生はときどきいいことを言ってくださるんですよ。たとえば「結婚相手は自分の譲れない1点を探せ。そこだけを基準にして、それで選びなさい」とか。先生は何がその譲れない1点だったのかと聞いたら「おもろい」なんですって。先生の今のパートナーの方は収入もあまりない年下の方で、甲斐性もない上に浮気もする。そのくらいなんかダメなんだけど、でもただただ「おもろい」。そういう何か1点を見つけなさいと言われたんですよ」
アラ子「確かに、もうなんでもいいからお金持ちと結婚したい、とかハッキリしている人のほうが、その後の結婚生活が長続きするかどうかは置いておいて、”結婚”はできますよね」
アサミ「結婚カウンセリングの方にも言われました。もう他はなんでもいいからとにかく年収3000万以上を条件にする人のほうがおすすめしやすいんですって。でも私のように、ひとつひとつはそこまで高いハードルではなくとも、中途半端にこういう人がいいと条件が複数あるとなかなか難しいと。だから婚活って、その「何か1点」を探すものなのかもしれないと思います。それでいくと私は今のところ「五感の一致」なんですよね。たとえば好きな匂いや嫌いな匂いが一致しているとか、同じような素材のソファが好きとか、声が聞き取りやすいとか。以前お会いした人でどうにも声が聞き取れない人がいて、それは難しいなあと」
アラ子「……たくさん婚活した上で、動物的なところにいくの、迷走している感じがありませんか?(笑)」
アサミ「あれ、自分では本質に迫ったと思ってたんですけど……(笑)」
アラ子「じゃあ、五感が合う人がたくさんいたらどう選びますか? お金持ちなのか、身長なのか、顔なのか。だってそもそも、クサい人とか、話が聞き取れない人はだいたいみんなダメなんですよ。そこは前提なんです。その先に進んでほしい。今の状態はスタートラインに立っただけです。きっと志麻子先生だって五感は大事なのでは? その上での「おもろい」なんですよ」
アサミ「うーん……パッと思い浮かばないんですけど、強いて言うなら、私は男女問わずアイドルが好きなんですけど、男女ともに共通してブレないのは、中性的な人が好きだということでしょうか。女性なら男装したらかっこよくなりそうな人で、男性なら女装するとかわいくなる人」
アラ子「結局ルックスの話が出てきたということは、そこが決め手のひとつになりうるんじゃないですか?」
アサミ「中身も中性的な人が良くて、男性も男っぽいか女っぽいかでいえば、フェミニンな人のほうが長くお話できる。出版社っておばさんみたいなおじさんがたくさんいるんですけど(笑)、おじさんっぽいおじさんより、おばさんっぽいおじさんのほうが仲が良い」
アラ子「そういう方のほうが一緒に生活をしていくイメージがわく感じなんですかね」
アサミ「よく結婚相手って父親と近いものがある、というじゃないですか。いやいやそんなことないだろうと思っていたんですが、そう考えるとうちの父親はおばさん寄りですね。母と母の姉妹と旅行に行けちゃうくらい女性たちになじめる」
アラ子「確かに私もTHE男! という人は怖いかも。うちのお父さんも旦那さんもちょっとおばさん寄りですし。……ただ、この条件ってなかなか婚活だと検索しづらいですね(笑)。でも、最近そういった男性って人気ですよね」
アサミ「そうなんですよ、Mattくんとか、性別を超越している人が最近たくさん出てくるので、時代が来た! と思いました(笑)。若い男の子たちも全然お化粧するし、どんどんボーダーレスになってきて生きやすくなっている」
アラ子「もしかしたら、結婚相手を探すところが違うんじゃないですか?」
アサミ「もっと若い子に行くとか?」
アラ子「マッチングアプリって入っているコミュニティで検索できるじゃないですか、そこでたとえば手芸とか、どちらかといえば女性のイメージが強いもので調べてみるとかはどうですか? そうすると多少は出会いの精度が上がりそうです」
【テーマ・客席からの質問】Q.逆に、女性目線から見て、こういう女性はやめておいたほうがいい、という人はいますか?
ふたりとも「パッと思い浮かばない……」と言いながらたどりついたのは、こちらの回答。
アラ子「周りで見ていて思うのは『コントロールしてくる人』じゃないですかね」
アサミ「趣味もそうですけど、お互いに受け入れて許容できる人がいいかなと思います。たとえば男性がガンダムが好きで、ガンダムのプラモデルがいっぱい置いてあったとして、捨てて、と言うような女性は良くないかなと。ちゃんとお互いの好きなことを受け入れて、それぞれの好きなことには口出ししないこと」
アラ子「それは大事だな、と思いますね。そこを自分の思い通りにコントロールしようとしたり、そういうのやめて、きらい、と主導権を握ろうとする人はなかなか大変そうです」
アサミ「別に一緒にやるわけじゃないけど、あなたが好きならどうぞご自由に、という女性のほうが長い人生をともにしていく上でいいですよね。あとはこれはやめておけ、ではないんですが、仕事を一生懸命にやっている女性がいいと思います。結婚したらすぐに仕事をやめたいという人より、ちゃんと自分で自分のお仕事をプライド持ってやっている人。そういう人はイキイキして輝いているし、変な話離婚することになってもお金のことで揉めにくいし、どちらかが病気になっても支えあえると思います」
【まとめ】
「結婚を理想で語る段階にいるアサミさん」側の方にとって、「結婚の現実を知るアラ子さん」の話はかなりお役立ちなのではないでしょうか。
「最近結婚や婚活でどうしていいかわからなくて迷走してしまっている……」という方、是非参考にしてみてくださいね。(後藤香織)
▷浅見悦子さん書籍
『40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活 婚活して初めて気づいた、人生において大切な17のこと』
浅見悦子 著
1200円+税/小学館
婚活を始めようと思っている40代の女性はもちろん、漠然と婚活に対して興味をもっている20、30代の女性、そして婚活を考えている男性にもおすすめの1冊。
著者が体験した婚活をリアルに体験することができます。
『美人が婚活してみたら』
とあるアラ子 著
1000円+税/小学館クリエイティブ
仕事にも容姿にも恵まれていたアラサー美女のタカコ。自由奔放だった恋愛関係を見直したら、気づけば三十路を超えたタカコの周辺にいるのは既婚者ばかり。渋々婚活サイトに登録した、結婚したい美人アラサーの狂騒劇。
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