「転職後は22歳の新入社員になったつもりで」元ブランチリポーター鈴木あきえ連載【1】

 

■叱ってもらうのも能力


とはいえ、失敗が続くと「言っても無駄かも」「もうこの子に何か言うのやめよう」と、次第に周りの人が何も言ってくれなくなる……ということもありますよね。「あの人最近何も言ってくれない。私のことをもうダメだと思ったんじゃ……」と思うと、不安に駆られます。

周りの人から叱ってもらい続けるのもある意味1つの能力。あきえちゃん自身は、なぜそれができたと感じているのでしょうか。

 

「自分からめちゃめちゃ話しかけてました! “今日どうでしたか?” “何かあったら言ってください!”って、出番終わりにスタッフさんたちから感想を訊いてました。本当に怖いんですけどね……!
でもやっぱり、自分から何もしないでも叱ってくれる人ってわずかじゃないですか。

次よくなるには、今何がダメだったのか知らないといけないし、自分で”ここがダメだったな”と思っているところは実は見てる人にとってはどうでもよくて、全然別のところを指摘されることってけっこうあったんです。」

 

答えはシンプルでした。待たない。自分から言葉をもらいにいく。
でもそれさえやってみれば、周りの人に「今はダメでも、よくなっていく気はある」と理解してもらえて、支えてくれるようになるのかもしれません。

 

働く人

 

■楽しそうに働く人と仕事したい


あきえちゃんが「新入社員になった気持ちでやってみること」と同じくらい言葉に力を込めて伝えてくれたことがもう1つあります。

 

「先輩や上司、雇い主さんの立場で、どういう子と仕事をしたいかって考えると、やっぱりとにかく楽しそうにやってる子がいいなと思うんです。“あの子もう一回会いたいな”ってなってくれるんじゃないかと。

私もつらいときはあったんですけど、やっぱり自分のエンジンって自分しかかけられないので、自分で自分を元気づけるというか。楽しそうな口調や身振りを意識して自分の体をごまかしながらやってると、だんだん心も騙されはじめるんですよ。”あれ? なんか本当に楽しいかも”って。そういう経験が何度もあるんです。」

 

とはいえ、うまくいってないのに楽しそうにするってなかなか難しいですよね。それって自然とできていたんでしょうか。それとも、意識的に身につけたものなんでしょうか。

 

「私のお仕事が人前に出て見ている皆さんに楽しんでもらうことだから、”楽しそうにしてなきゃ”という意識はあったと思います。確かに事務員さんとかは直接的に人に見られる仕事じゃないからちょっと事情が違いますよね。

でも、”楽しそうにするのも仕事のうち”と思えば自分の体が騙せるかもしれません。さっきの話と繋がりますけど、体が騙せたらだんだん心も騙されてくると思います!」