2016年1月、東野圭吾さん作のベストセラー小説『手紙』を“ミュージカル化する”という大胆不敵な企画に、さまざまな意見が寄せられました。いざ開幕してみると東京公演はすぐさま完売。ミュージカル『手紙』は大盛況で幕を下ろしました。
そして2017年1月。ミュージカル『手紙』が再び帰ってきます。舞台と客席の位置を逆転させ、舞台で起こる出来事が「あなたの人生かもしれない」というメッセージを発信するなど他にはない演出でも話題となった2016年の公演を経て、演出の藤田俊太郎さんは、2017年版の公演を「再演」ではなく、「再挑戦」と表現。その意味とは……。
本作は、弟のために強盗殺人を犯して服役中の兄・剛志と、その弟・直貴が交わす“手紙”を中心に、ふたりの想いと悲しみを歌と芝居で描いたミュージカル。
2017年版ミュージカル『手紙』で、「殺人者の弟」というレッテル、そして世間からの差別に耐えながら生きる“直貴役”にキャスティングされたのは、柳下大さんと太田基裕さん(ダブルキャスト)。
今回はキャストのひとり、柳下大さんと演出家・藤田俊太郎さんにお話をうかがいました。
■舞台と客席の逆転をやめる。「そうしないと先に進めない」
初演は、2016年1~2月にかけて東京・神戸・大阪で上演。まずは、藤田さんに、作品について、そして初演を振り返っていただきました。
「オリジナルミュージカルで、作詞作曲した楽曲から演出まで、すべて初めて世に出すので、全員で試行錯誤してアイディアを出し合いました。いまも同じ稽古場なので思い出しますが、毎日とんでもない戦いだったな、と。みんなで喧嘩して、先に帰る人もいました。納得できなくて怒った藤田さん、落胆する藤田さん……(笑)、それも含め、むき出しの自分で演出のすべてをかけましたし、全部をさらけ出さないとできないような内容です。作詞家も作曲家もずっと現場にいて、全クリエーターが一丸となって意見を出し合いながら乗り越えた作品でした。そのとんでもない戦いの日々を経て、今回よく顔を合わせていられているな、と(笑)。でも、全員のアイディアやそのときの痕跡が残る作品だからこそ、今回再び演出家としてこの作品に向き合うにあたり、前回からのメンバーは家族のような関係だなとあらためて思います」(藤田俊太郎)
「とんでもない戦いの日々」だった前作から、約1年。異例の早さで再び上演が決定。新たなキャストを加え、同じ作品に“再び挑む”その心中は?
「2016年に社会化された作品から時代が変わり、個人的にもそうですが、この1年でたくさんいろんなことがありましたよね。『手紙』で描かれているような凶悪犯罪や、たとえば障害者施設での殺傷事件もすでに風化していたり……。いまどこで何が行なわれているかということへの感覚は鋭くありたいと思っているのですが、もう一度この作品に立ちかえってみたとき、僕はまず、前回「これ絶対イケてるぞ」と思って瞬間的に興奮したアイディアをちょっと疑ってみようと思いました。初演で、舞台と客席を逆転させ、ラストに直貴が扉を開けて街へ帰って行く場所(ロビー)にお客さんも帰って行きます。劇という体験を終えた後に帰って行く場所が同じという構造が、僕は「いちばん『手紙』らしい演出」と思ったのですが、今回はまずそれをやめてみようかなと。そうしないと僕は先に行けないと思ったんです」(藤田俊太郎)
舞台にセットがあり、客席には観客が座る。当たり前と思われていたことを逆転させ、藤田さんを興奮させた前作のアイディアを切り捨てる。これは容易なことではないはず。
「大事なことは、音楽がきちんと響くこと、この小説の中、台本の中で、音楽が希望として鳴り響くということ、そして歌を届けること。もっと言えば、前回はできなかった『希望を描く』ことだと思うんです。すごく稚拙な言葉で恥ずかしいかもしれないですが、僕らが持つかすかな希望をどうやって描いていくかを前回はできなかったのではなく、2016年版はそこで終わりでした。僕は、前作の終わりに希望を託したつもりです。『手紙』にある希望をどう描いていくか、歌で表現していくかをきちんとやりたいなと思ったとき、得意なアイディアはアイディアにすぎない。そう思って自分で決めたとき、音楽家にも脚本家にも、もっと言いたいことが言えました。生意気なのはわかっていますが、2017年の打ち合わせをするにあたり、おふたりと「関係が壊れるな」という瞬間もありました(笑)。ただ僕は怖いものがないのではなく、毎回『これが最後だ』と思っているので、そうしないと作れない。自分がいいと思ったアイディアを捨てながらも、きちんと柳下くんと太田くんを、新しい“直貴”として迎えましょうというのが、前回との大きな違いです」(藤田俊太郎)
■原作『手紙』のファンという柳下大の“新たな挑戦”
新しい“直貴”のひとり、柳下さんについて、藤田さんに印象をうかがってみると、出演舞台「『GARANTIDO 』(演出:謝珠栄)、『オーファンズ』(演出:宮田慶子)、『お気に召すまま』(演出:青木豪)とたくさん観てきて、どの役も全然違うし、今回また全然違うジャンルの役に挑戦してきた。演技者として、自分自身を勝負できる場所に追い込んでいるからこそ、演技者としていつも清々しい。そういう振り幅で仕事ができている、それを勝ち取っているまれな俳優だと思う」と。
柳下さんは、各方面から「ミュージカル『手紙』がいい」という話を耳にするも、スケジュールの都合で初演を観劇できず。ただ、「もともと原作の『手紙』が大好きで、ミュージカルも気になっていた」のだとか。
「今回のお仕事が決まってからDVDで観させていただき、とにかく衝撃的でした。ずっと藤田さんとご一緒したいと思っていたのですが、舞台と客席を逆転して設置するという発想にまず心を掴まれてしまったというか。DVDでもその世界に完全に入り込めたし、熱量や情熱みたいなものがキャストから、そして作り手の思いもすごく伝わる作品だったので、『こんな作品に関われるんだ』と思ったらすごく楽しみになりました」(柳下大)
そんな柳下さんに、本作での“新たな挑戦”をうかがってみると、こんな言葉が返ってきました。
「僕はミュージカルを経験したことがあまりないので、今回のように、芝居と歌の境目をなくそうと考える人が多い中でやるというのは新しい挑戦です。言葉で出ていない部分を歌で表現するので、メロディーに助けてもらって自分の感情を表現する。逆に、メロディーに感情があるからこそ上乗せすることもできるし、抑えることもできると思っています。『怒りと悲しみ、それぞれの感情の分量はいまどれくらいなのか』と、いろんなシーンを試しながらやっていきたいし、それをやらせてもらえる環境なのが嬉しいです」(柳下大)
■小説・台本・譜面。「これは“3つのラブレター”」
ミュージカル経験が少ないという柳下さんでしたが、稽古に入る約8か月も前からボイストレーニングに通っていたという話も。それは、課題があった歌の心配を減らすことで、より“直貴”という役に没頭するため。
「とにかく歌うこと、時間があるときに歌って、稽古初日には歌詞も見ない状態で歌えるようにしたかったんです。歌の心配をできるだけ減らしておかないと、この作品に追いついていけないと思ったし、置いてかれたくなかった。いままで、歌が気になりすぎて感情を歌にのせられなかった経験があったから絶対にそうしたくなかったし、中身をいかにつくっていけるかを大事にしたかったので、早めに歌の練習を始めました」(柳下大)
この話を受けて、隣りにいた藤田さんが「すごい」とひと言。そして「それくらいの熱量がないと乗り越えられない譜面が目の前にありますからね。これを書いた深沢さんも、泣きながら書いてました」と。そして、脚本の高橋さんから、夜中の3~4時に送られてくる台本の直し。原作とあわせて「これは“3つのラブレター”」と、藤田さんは表現。
「台本という名のラブレター、スコア(譜面)という名のラブレター、そして東野さんの小説というラブレターが僕らに立ち向かってきている。そして、みなさんがそれを乗り越えようとしていることが、すごく素敵」(藤田俊太郎)
このやり取りの途中、思い出したように「今回、新曲があります!(笑)」と藤田さん。続けて「3曲の新曲、そして、変わった曲も2つほど。あと、柳下くんを見て僕は確信したのですが、ラストシーンも変わります」と、作品において重要なことをサラリと。数か月かけて、既存の楽曲を練習してきた柳下さんからはこんな言葉が……。
「(ミュージカル『手紙』の楽曲は)気持ちをのせやすくて、歌いやすいです。高いところが出しにくいとかはあったりしますが、とにかく歌うしかない。だから曲がちょっと変わったりすると、すごく動揺します(笑)。『また、めっちゃ練習しなきゃ!』って」(柳下大)
■和気藹々とした中に、キャストの自信がみなぎる稽古場
2016年12月5日から、歌や振付の稽古がスタート。取材当日は、本稽古を始めて3日目という日。前回の“戦いの場”を乗り越えてきた藤田さんに、今回の稽古場での雰囲気をうかがうと、「雰囲気は和気藹々としている」という意外な言葉。
普通、演出家さんは歌稽古などには参加しないものの、藤田さんいわく「僕は、歌稽古からずっといる面倒くさい人」なんだとか。ただ今回は、他の作品を演出していたため、歌稽古は欠席。本稽古から参加してみると“あること”に驚いたそう。
「歌稽古の間、吉原光夫さん(武島剛志/兄役)を中心として、音楽監督の深沢さんも含め、いろんなディスカッションやワークショップをやってくださったみたいです。それは、僕は大歓迎! 僕も大枠は渡しますが、中身をどう俳優が埋めていくかは稽古で探っていきたいと思っているので、本稽古の前すでにディスカッションをして、作品に対するさまざまな鋭い角度がみなさんの中に入っていたので、立ち稽古初日、和気藹々とした中にも、キャストのみなさんには自信がみなぎっていました。それは柳下さんからも匂い立ち、『直貴をこういうふうにつくってきたけど、どうですか藤田さん?』と、ガンガン伝わってきました。……そんな幸せな稽古初日を迎え、展開が早いなと。みなさんのたぎる自信で『この作品を乗り越えるんだ』『それぞれの立ち位置を明確にするんだ』という気迫を感じる、いい稽古初日を迎えて、今日3日目に向かっているところです」(藤田俊太郎)
一方の柳下さんからは、藤田さんが不在だった歌稽古でのエピソードが。
「僕の稽古初日は、12月5日の歌稽古だと思っています。ここでは歌しかやらないのかなと思ったら、藤田さんの言葉を思い出し、各シーンの意味を説明していただきながら、みんなで話し合って空気をつくっていけた感じです。藤田さんが来られるときに『自分がいまできる100%を提示しなきゃ』と思いました。今回は時間がないので、そういう意味でも常に110%、120%でいかないと、本当にやりたいものができなくなるような不安があったんです。稽古初日は自分の中ではいい状態で入れたので、もっと自分の中で詰めなければいけないこともありますが、わりと地に足を着けていられている気がします」(柳下大)
■柳下大、ダブルキャストの太田基裕の容姿に嫉妬?
もうひとりの“直貴”である太田基裕さんと藤田さんは一度仕事をしているため、すでに知り尽くしているかと思いきや、“直貴”という役を通して新たな発見もある様子。「本質的に暗い人だと思っていたのですが、どうも全然違う人かもしれない。僕が『こうしてください』という言うダメ出しがすぐに返ってくる。一瞬にして変わるんです」(藤田俊太郎)
同じ役を演じる柳下さんは、太田さんにちょっとした嫉妬(?)も覚えているようで……。
「太田くんは歌も上手だし、芝居も、一度自分で整理してから表現するのがすごく早い人だなという印象です。そして、単純にビジュアルがかっこいい(笑)。顔がちっちゃくてシュッとしていて、昨日も『かっこいいな』と嫉妬しながら見ていました(笑)。僕は負けず嫌いで『負けたくない』という部分もありつつ、(ダブルキャストであることで)自分の頭では出てこないようなものが生まれてくるという意味では、より直貴を追求できるかなと思います」(柳下大)
稽古3日目にして、すでに完璧なまでの“直貴像”をつくってきた柳下さんに対し、藤田さんはこんなことを感じていたそう。
「柳下くんが立ち稽古初日までにしっかり役をつくってきましたが、彼は直貴そのもの。そして非常に優秀で、直貴が抱える苦しさや希望も全て歌の中に入ってるし、一貫して役作りされてきて堂々と立っているんです。立ち稽古前の段階でここまで作り込めるとは……でもそれじゃ面白くないので、僕はこれからそれを打ち崩していこうと思っています。本当は1月20日に仕上がるべきところが、稽古初日にすでにある、という方(笑)。だったらもっとすごいところまで行きたいなと思うんです。僕は“ドキュメンタリー”のように、柳下くんの人生が垣間見えながら、生々しく直貴をつくりあげていければいいなと考えているんです。稽古初日でここまでスマートにつくっているのなら、もっと生々しさを出して勝負ができる、本当に幸せな俳優だなと思います」(藤田俊太郎)
柳下さんと太田さん。似て非なるふたりの“直貴”はどんな仕上がりに?
「ふたりがどんな直貴になるか全然わからないわけじゃないのですが、間違いなく言えることは、直貴に必要な深みと、人生に絶望してすべてに裏切られるという生々しいものを、ふたりとも全然違う感じで演じてくると思います。もう2~3日経っていたら、『片方は芳醇な日本酒で、もう片方は深みのあるワイン』とか言っていたかもしれないですけど(笑)。……困っちゃったのが正直なところです。ここまでできてるのか、と僕自身が問われるくらい、ふたりはいい!」(藤田俊太郎)
藤田さんが「困ってしまった」のは、歌稽古の段階で、藤田さんが思い描いていた直貴ができ上がっていたから。
「表面的なものなら僕はいくらでも言えます。でも僕がいちばんほしいのは“内実”。『こう動いてください』とは、後からいくらでもつけられます。でもそうじゃなくてもっと大事な、台本や歌を通した内実や生々しいものがリアルにちゃんと入っているか……入っているんです、ふたりとも。だけど僕は、これをラクチンだなと思わずにしていかないと」(藤田俊太郎)
稽古では、キャストが瞬時に変わっていく。その様子を見て、思わず柳下さんにも「みなさんすごいですよね?」と同意を求める場面も。その言葉に「みなさん、『手紙』という作品が好きなんだと思います」と返す、柳下さん。
「柳下くんも『手紙』に関して独自の観点を持っていて、彼が持ってきた“直貴像”を他のキャスト全員がキャッチできている。全員『手紙』が好きで、全員の『手紙』があるから、僕の提案も5分くらいで組み上がっちゃうんです。あれ、稽古終わり?みたいな(笑)。でも、そういうことを僕は直貴に求めていたし、キャストを通した直貴を、他のキャストに合わせ鏡のように映したかった」(藤田俊太郎)
■日本のミュージカル俳優のレベルはものすごく高い
インタビュー中、「これはぜひ書いていただきたい」と話す藤田さん。「日本のミュージカルをやっているみなさんのレベルはものすごく高いと思います。それを表現したいと思っている方もたくさんいて、歌のレベルも芝居のレベルも、本当に高い」と。
初演はDVDで鑑賞していた柳下さんも、「歌稽古の初日にみなさんとお会いして『生で聞くとこんなにすごいのか!』と圧倒されました。あまりのすごさに、笑っちゃいました」と話すほど。
オーディションで選ばれた9人のキャストたちは、まさに猛者ぞろい。本作を「ギリシャ悲劇の“コロス”のような芝居にしたかった」という藤田さんは、オーディションで選ばれた“9人のコロス”が芝居をつくっていく構造にしたかったのだとか。
「オーディションがすでに戦いだと思っています。みなさんに連絡して『あなたが考える凶器を持ってきてください』と言いました。東野圭吾さんの小説に出てくる凶器は日常的なものが多い。これは僕らの身の回りにあって、刑務所の向こうにも共通してある物。オーディションでも、ペットボトル、ハンガー、ドライヤー、カメラ、素手……いろんな人がいました。そんなオーディションを経て、僕は惨殺シーンを演じてもらいました。全員が加害者を演じることが絶対的に必要なんです。『これは誰しもに起こりうる話』ということを演じられる強さを持つ9人に出会いたかった。持ってきた凶器が何であるかは問題ではなく、『その凶器をどういう観点で、どういうふうに読み解いてここに来たか』ということを、僕はオーディションで投げかける。その方の人間性や俳優としての資質も見えてきますが、実は、『この演出家がどういう方向でこの作品を読み解いて、どうやりたいんだ』と見られているのは僕。そういう共犯関係をきちんと表現する場でした。めちゃくちゃなオーディションをくぐり抜けてきた人たちは非常に個性的です。この作品をものすごい熱量で読み解いてきた方と、僕はご一緒させていただいているという感じです」(藤田俊太郎さん)
■大きな存在となる、兄弟を囲む“9人のコロス”
本作では兄弟の話を描いていることもあり、兄弟や姉妹がいれば共感しながら観てしまう場面も少なくありません。実際に兄弟がいるという柳下さんもやはり、理解できる部分もあるよう。
「兄貴を忘れたいのに頭にふと出てきてしまうことや、夢に出てくるのもそうですが、忘れたいのにしがみついてくる、切ろうとするのに切ることができない。それって兄弟だからかなと思っています。僕には弟が二人いて、あまり仲はよくないのですが(笑)、好きなんです。頼ってこられると応えたくなっちゃうし、でも腹が立つほどキレることもあります。そういう意味でも、やっぱり兄弟や家族は、何があっても切れない存在」(柳下大)
ところが、藤田さんは演出家として、兄弟の関係性を深めるための演出よりも、もっと他のところに注力していたそう。
「たとえば自分と同じ環境であれば、その芝居を観たら投影しやすいですよね。それはたしかに大事な想像力なんですけど、限られた状況のような気がしています。だから演出で、兄弟の関係性を深めるよう誘導していこうとは全然考えていませんでした。それよりも、兄弟を見ている9人のコロスたちの視点を明確にしたいと思ったんです。彼らは、ひとりで様々な役を演じています。一方で囚人を演じながら市民も演じ、塀の中と外を行き来する。そうすることで、より一層兄弟が際立ち、その9人の視点とお客さんの視点、そして歌が重なると思っています。これができるのも、柳下くんがしっかりと小説を追体験してくれているから。僕がもう少し大枠から、観客のみなさんの聴覚をもっと自由にしてあげたら、最終的に生々しい直貴や剛志に出会えるんじゃないかなと思います」(藤田俊太郎)
──取材場所に、ピンク色のベースを持参してきた藤田さん。聞けば、「僕、売れないバンド(虹艶/にじいろ)をやってるんですよ、夢を諦めたくなくて」と話していました。
隠すことなく思っていること、考えていることを話す藤田さんを、柳下さんは「めちゃくちゃ面白い方。本音もサラッと言ってくれて、そのほうが伝わるので嬉しいです。ちょっと毒があるなってこともあって、『あっ、いま言った』みたいな(笑)。ストレートでいいですね」と。
強者ぞろいの現場を、「僕は楽しい。楽しくもあり、苦しくもありますが、みなさんが苦しんでいるのを見てるのは、いいなぁって(笑)」……なんて、なにか他人事のように笑いながら話す藤田さんでしたが、「再演」ではない「再挑戦」と呼ぶ2017年版ミュージカル『手紙』の現場は、恐らくきっと、前作以上に熱い現場になっているはず。
初日開演まで、もう間もなくです。(さとう のりこ)
原作:東野圭吾(『手紙』文春文庫刊)
脚本・作詞:高橋知伽江 演出:藤田俊太郎 作曲・音楽監督・作詞:深沢桂子
【東京公演】2017年1月20日(金)~2月5日(日)@新国立劇場 小劇場
【神戸公演】2016年2月11日(土)・12日(日)@新神戸オリエンタル劇場
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