1978年からいまも連載が続く大人気漫画『パタリロ!』が、初の舞台化決定で話題沸騰! まるで漫画から飛び出したようなキャストたちにも、多くの反響が集まっています。
主演の“パタリロ殿下”は、舞台にテレビにと広く活躍する、俳優の加藤諒さん。バラに囲まれた中、ブランコに揺られるという幻想的なビジュアルの世界観はまさにパタリロそのもの。でも原作と唯一異なり、加藤さんのトレードマークでもある“太い眉毛”について、ちょっとした葛藤もあったようです。
さらに、魔夜峰央先生からのアドバイスで、加藤さんが覚悟を決めるきっかけになったという話も。パタリロ・加藤諒さんのインタビューでお届けします。
┃パタリロ殿下・加藤諒に独占インタビュー
Woman Insight編集部(以下、WI) 今回、パタリロの役を演じるということを率直にどう思われましたか? 数ある2次元作品の中でも、実写で再現するのが難しいキャラクターという印象はありますが、どうでしょうか。
加藤諒さん(以下、加藤) 『パタリロ!』という作品名やパタリロのビジュアルは知っていたのですが、漫画の内容までは存じ上げてなくて……いざ読んでみたら、これを生身の人間がやれるの?と驚きました。でも、魔夜峰央先生とお話させていただく機会があったとき、「あなたならできると思う!」と言ってくださったので、覚悟ができました。
WI ビジュアルが解禁になったときのSNSでの反響はすごかったですね。
加藤 いちばん初めに「舞台化決定」というニュースが配信されて、それがトレンドに上がっていたのを見て、ついに発表された!という感じはあったんですけど、その時点ではまだ僕がパタリロをやるというのは出ていなかったんです。でもその間にもSNSでは、「パタリロは、加藤諒がやるんじゃないか」とか、みなさんの予測の中に僕の名前がたくさんあったんです(笑)。それでキャスト情報が解禁になったときの反応が気になっていたんですけど、好意的な意見が多かったので本当に嬉しかったです。
WI 永く愛され続けている作品の舞台化であり、初の座長ですね。
加藤 そうなんですよ! 初の座長っていうのは本当に不安でした。みんなを引っ張るということをあまりしたことがなくて、友だちと遊ぶときも自分が計画して「ここに行こうよ」とみんなを誘うよりは、付いていくタイプで。だけど、今年の夏に出演していた『NARUTO-ナルト-』の舞台では、猪鹿蝶(いのしかちょう)のチョウジ役をやらせていただいて、他の2人が初演メンバーと代わったので、演出家の方にも「今回は引っ張っていかないとダメだね」と言われたんです。そのときはどうしようという状態でしたけど、いま思えば、初座長のために気持ち的にも練習にもなったかな……って。
WI 先ほど、魔夜峰央先生から「大丈夫」という言葉をいただいたという話もありましたが、他に何かお話されたりしましたか?
加藤 魔夜先生は、「60パーセントの力でやってくれればいい」と言ってくださいました。その言葉は、僕たちの「絶対面白くしなきゃ」という硬くなった気持ちを和らげてくれた気がします。実際舞台に立ったら“60パーセントの力でやる”というのは難しいところもありますけど、その言葉のおかげで、いろんなことを「やらなきゃやらなきゃ」とテンパっていた部分を落ち着かせてくれた感じです。
WI 素敵なお話ですね。ところで、加藤さん含め、キャストのみなさんのビジュアルがあまりに原作とシンクロ率が高くて驚いたのですが、ビジュアル撮影時のエピソードは何かありますか?
加藤 ビジュアル撮影のとき、問題が起きました……僕の「眉毛」です。漫画を読んだとき、パタリロって眉毛がない感じだから、「もしかして僕、眉毛を全剃り!?」って本当に思いました。2.5次元の舞台だと特にビジュアルイメージって大事だから、原作に近づけるためにも眉毛を潰したりしたほうがいいんじゃないかなと思ったんです。でもスタッフのみなさんが、「加藤諒が演じるのであれば、眉毛は残したほうがいいんじゃないか」と言ってくださって。それでこの眉毛でビジュアルを撮りました。あとは僕が、この眉毛が気にならないぐらいのお芝居を見せられるように頑張るだけです!
WI 今日もパタリロの格好ですが、これは変身にかなり時間がかかりそうですよね。
加藤 最初の撮影では1時間ぐらいかかりました。でもパタリロになるたび、準備時間は短くなっているんですよ。今日は特別に“つけまつげ”を2枚のせてます(笑)。今年5月にやったASTERISK「Goodbye,Snow White」の舞台で、“眉毛が太いのがコンプレックス”という白雪姫をやったときもつけまつげを着けたのですが、今日2枚つけてみて、やっぱり重いかも……すごく目を開けているつもりなのに、半目になっちゃうんです(笑)。
WI いま、すごくセクシーな目元ですよ(笑)。では、他のキャストのみなさんの印象はいかがですか?
加藤 バンコラン役のツネ(青木玄徳)くんはホントにマンガから飛び出してきたかのような、“そのもの”。早くお芝居で動いている姿を見てもらいたいです。マライヒ役の佐奈(宏紀)くんは、すごく美しいんです! 彼、声は低いので、その重低音でどうマライヒを演じるんだろう……というのがすっごく楽しみ! マライヒって原作ではほとんど片目が隠れているけど、佐奈くんを見て「隠れてた片目、こうなってたんだ」とか思いました(笑)。それから、タマネギ部隊も可愛いんです。舞台でどんなふうにみんなが動くのか、僕も早く観たいです。僕は、舞台に上がって一番初めの台詞を発する瞬間がいちばん緊張します。お客さんもきっと「パタリロの第一声はどんな言葉だろう」と思っているかもしれないですよね。それを考えたらいまから本当に緊張します!
加藤諒さんのインタビュー後半(12月2日配信予定)では、子役時代に“さんまさん”から言われた“ある言葉”、長い芸歴の中で「役者をやっていてよかった」と思える瞬間などを話してくれました。(さとう のりこ)
http://www.nelke.co.jp/stage/patalliro/
2016年12月8日(木)~25日(日)@紀伊國屋ホール
[キャスト]加藤諒/佐奈宏紀/細貝圭、金井成大、石田隼、吉本恒生/青木玄徳 ほか
[原作]「パタリロ!」魔夜峰央
[スタッフ]脚本:池田鉄洋、演出:小林顕作
(c)魔夜峰央/白泉社(別冊花とゆめ・メロディ・花LaLa online)
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