普段なにげなく使っているおなじみの日本語でも、漢字表記になったとたん急に読めなくなってしまうことがあります。たとえば「疏ら」「琺瑯」「遉」などは、難しく見えますが、音で聞けば誰もが知っている言葉ばかりです。
そんな「知っているのに読めない日本語」クイズから、本日チャレンジしていただくお題はこちら!
「猶」。
「猶予(ゆうよ)」の「ゆう」として知られるこちらの漢字も、じつは意外な読み方を持っています。それは私たちが日常でわりとよく使う日本語なのですが……いったい何と読むのでしょうか?
■ここでヒント!
読み方を推理するために、ヒントとして言葉の意味を見てみましょう。小学館デジタル大辞泉によると、今回の正答「猶」には副詞と接続詞という2通りの使い方があり、それぞれの意味は次のとおりです。
<副詞としての「猶」>
1以前の状態がそのまま続いているさま。相変わらず。やはり。まだ。(例:「今も—健在だ」)
2 状態や程度がいちだんと進むさま。さらに。もっと。いっそう。(例:「会えば別れが—つらい」)
3 現にある物事に付け加えるべきものがあるさま。(例:「—検討の余地がある」)
4 (あとに「ごとし」を伴って)ちょうど。あたかも。(例:「過ぎたるは—及ばざるがごとし」)
<接続詞としての「猶」>
ある話の終わったあとで、さらに別のことを言い添えるのに用いる語。
どの意味でも知られている言葉ですが、とくによく使われるのは、接続詞としての「猶」かもしれません。たとえば、ビジネスメールで会議の予定を書いた後に「猶、当日は各自資料をご持参ください」というふうに、内容を付け足す際に使われます。ちなみに、ひらがなで書くと「◯◯」の2文字です。
さて、そんな「猶」の読み方は? さっそく正解を見てみましょう。
■正解は、こちら!
「猶」の「ゆう」以外の読み方、正解は「なお」でした。普段はひらがなで「なお」と書くか、漢字表記でも「尚」と書くことが多いので、「猶」という漢字表記はなかなか読めませんよね。もしメールや本の中の文章で見かけたら、「なお」という読み方を思い出してみてくださいね。
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(豊島オリカ)