「星のや軽井沢」で、エコツーリズムを体験!
今、世界中で注目されている「SDGs」という言葉。これは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の頭文字を合わせたもので、世界193か国が貧困や環境問題の改善を2030年までに達成するために掲げた17の目標のこと。2020年からスタートした連載では、CanCamモデルのトラちゃんことトラウデン直美が「SDGs」について読者の皆さんと考える機会を作っています!
今回は、ホテル業界で環境経営をリードする星野リゾート発祥の地、「星のや軽井沢」を訪れました!
旅をしながら考える、自然と共に生きること
■天然の水流と温泉が電力の源! クリーンエネルギーで快適に
まず訪れたのは、「星のや軽井沢」敷地内にある水力発電所。温泉排熱や地中熱とあわせて活用し、今ではエネルギー自給率が70%とうかがって驚きました! 始まりは100年以上前。「星野温泉旅館」創業当時、電気が通っていなかったことから、木製水車で発電機を回し、自分たちで電気を作り始めたそう。時代に合わせて技術を進化させ、今のシステムを作り上げていらっしゃるんですよね。お部屋からは絶えず流れるきれいな水辺が見えて、ダムのような大掛かりな設備がなくても、景観と発電を両立。化石燃料にできるだけ頼らずに、その土地の自然エネルギーを回していく方法があるんだ! と希望を感じました。
■「使い捨てない」暮らしの気持ちよさを知る
脱ペットボトルを実践する星のや軽井沢さんでは、お部屋の水道から浅間山麓水系のおいしいお水をジャグに注ぎ、コップでいただくスタイル。プラごみ削減はもちろん、「谷の集落に滞在する」という旅の雰囲気を壊さないのも素敵だなと。館内で集約されたゴミは、資源として使えるよう28種類に分別。ホテルって使い捨てせざるをえないイメージがあったのですが、なんと歯ブラシの柄も新たなアメニティなどにリサイクルされているとか!
地域に伝わる知恵と文化…旬の料理で感じる循環
信州では厳しい冬に備えるため、春夏にとれた作物を余すことなく使う発酵食品などの保存食が発展したそう。昔からの知恵で暑い時季も食欲がわいて、栄養がとれるんですね。本当にムダがないというか、食べすぎを感じることなくむしろ体がすっきり! 体も自然も地域も循環するもの。それを感じる幸せな朝ごはんがいただけます。
■日本料理・嘉助で地域とつながる朝食を
同じく長野で75年の歴史をもつニットメーカー発「tunica」のワンピースを着て、絶景テラスへ♪
森の生き物に触れて旅した地をもっと好きになる
軽井沢の森を探索できる、野生動植物の専門家・ピッキオさんのツアーにも参加させていただきました! 実は1992年から「野鳥研究室」(ピッキオの前身)があったという星野リゾート。野鳥の他、ムササビ、ニホンカモシカなど、多様な生き物が生活する自然を保護する活動も行っています。この日は雨上がりの瑞々しい空気の中、爽やかな柑橘系の香りがするアブラチャンという木や、ヘビのようにからみつく藤を見つけてテンションアップ! 邪気とは無縁(笑)の森で、ガイドさんの土地に対する思いや森に対する考え方を聞くうちに、自然っていいなぁとしみじみ感じました。癒やしへの欲求を満たしつつ、地域を愛する心まで育ててくれるエコツーリズム、ぜひ体験してほしいなー!
■軽井沢野鳥の森を歩くネイチャーウォッチング
ガイドさんに森の生き物について学びながら散策。高い木立にキツツキの巣穴を発見! 鏡のように池に映る幻想的なスポットも。
人の安全を守りながら野生のクマを絶滅から救う
軽井沢の森に棲むツキノワグマの保護管理のため、本場アメリカからノウハウを学び、アジア初となるベアドッグを2004年から導入したのもピッキオさんならでは。約30頭のクマを個体管理し、夜の間に山と市街地の中間にある別荘ゾーンに下りてきたら、明け方にベアドッグが出動。大きな声で吠え、森の奥へと追い払うそうです。これをくり返すことで「ここからは人間のエリアなんだ」と学習していくんですね。今では軽井沢町から委託を受けて、地域ぐるみでの活動に。駆除という手段をとるのではなく、できることを探す。お互いに棲み分けることで共存できるんだなと。今回会えたナヌックくんはとても穏やか! クマを傷つけずに人も守ってくれています。
ツアー後は「イカルカフェ」でひと息。野鳥のラテアートにほっこり。
星野エリアで気軽に体験するならこちら!
「星野リゾートBEB5軽井沢」
「居酒屋以上 旅未満」で気軽に軽井沢を満喫できるホテルで、様々な滞在型イベントを企画。ウッドデッキの中庭をはじめ、24時間営業のカフェが心地よく、ワーケーションで訪れる20代が多いのも納得。1名¥5,500~宿泊できる、29歳以下対象のお得プランも!
「星野温泉 トンボの湯」
贅沢な「源泉かけ流し」の立ち寄り湯。傷がついて食用としては店頭に出荷されないりんごを、内湯にたっぷり浮かべるりんご湯は、秋の恒例に。爽やかな香りに包まれて、心身ともにリラックスできます♡ 使用済みりんごは地元農家と連携して自然な発酵で堆肥化!
暮らすように旅して感じたこと
西洋の暮らしに迎合しすぎることなく今を迎えていたとしたら…そんな「もうひとつの日本」を思い描いてこの場所を創られたとうかがって共感。暮らしに取り入れたい要素を発見したり、自然への愛が深まったり。循環型の日本文化の魅力を再発見できました!
目指せ「SDGs」!トラちゃんの今月の一歩
■高校生の皆さんと未来を語る!
お仕事で、大阪の高校へSDGs講演にうかがいました! 私が教えられることはないけれど、未来を担う高校生と話ができて大きな学びに。SDGsという言葉にとらわれず、よりよい未来のために若い力で頑張りたいと思いました。
■今月の1冊は…『生き物の死にざま』
生き物たちは、晩年をどう生き、どのようにこの世を去るのか。死を描くことでより鮮明になる生。命のバトンをつなぐため、限られた時間を懸命に生きる姿に心打たれるエッセイです。
今月のSDGsブランド「near.nippon」
ベーシック×モードをベースに、上質な素材と伝統技術を活用。創業から20年、受注生産で破棄する服をゼロにするモノづくりを続けている。公式ECでは、売上の10%を森林保全団体「more trees」、医療・人道援助「国境なき医師団」に寄付して支援も行う。