恋人と別れたあとに友達に戻れない人の心理とは?
あなたは恋人と別れた後、友達になれますか? それともキッパリと関係を断つほうですか? どちらが正しいというわけではありませんが、気持ちの整理をつけるうえで“けじめ”をつけることができるかどうかは、その人の価値観に大きく関わってくるものですよね。別れた後に関わりを持たない人の心理とは、一体どのようなものなのでしょう。そこで今回は、「恋人と別れた後に友達に戻れない人の心理」をご紹介いたします。
■相手の行動の中に許せない要素がある
ハーバード大学のロジャー・ブラウン教授は“フラッシュバック記憶”というものを提唱しました。これは個人的に重大な出来事は、あたかも写真のように鮮明に記憶されるというもの。このように衝撃的な出来事、つまり相手に対して許せない何か、例えば浮気や暴力などがあった場合は、友達として親しくなることは不可能でしょう。いつまでも根深いところで許せないため、関わりたくないと思う傾向になってしまうのです。
■何度も悩んで決断を下した
付き合いの中で別れがあったとしても、自分で考えて答えを出すことで、その体験が心に深く刻まれてしまうこともあります。これを心理学では“自己説得効果”と呼び、自分から積極的に行動したことの方が記憶に残るとされています。これは良い側面もあるのですが、例えば、相手が自分勝手な行動をとったことで、あなたが悩んで結果を出した場合、自己説得効果によって記憶に残ってしまい、そのネガティブな度合いによっては二度と相手と友達になることができなくなる場合も。
■納得できない別れ方をした
別れた後、友達に戻れない人の多くは振られた側であるケースが多いと言えます。なぜなら、達成したことや納得したことは、速やかに忘れられるのに対し、未完の出来事や完成されていない課題はいつまでも心に残るためです。これは心理学者レヴィンの提唱する“心理効果”です。まだ恋人と関係を続けたいと思っていたのに、一方的に関係を断たれたら感情的なしこりが尾を引くため、友達に戻ることはできなくなるのです。
■友達として関わりを持つ必要性がない
心理学者バウアーは記憶に関して、情動と情報は一緒に記憶の中に“貯蔵”されると考えました。つまり、感情と出来事は一緒に結びついて覚えられているということです。これは例えば、恋において不幸な出来事があった人が悲劇的な映画を観ると、細部まで思い起こすことができることと似ています。これをバウアーは“気分適合的情報処理”と呼びました。この心理効果によると、相手の嫌な部分を具体的に知っていると、もはや友達に戻る必要すらないと考えるケースも少なくないのです。
恋人から友達に戻れる人は、距離感を上手に保つことが上手なタイプだと言えます。いかに友達関係を保とうとしても、自分の感情だけでなく相手の感情にも配慮する必要があります。たいていは男性の方が女性に比べて未練がましいため、男性のほうが恋人から友達に戻るのが得意ではないとされます。そういった事情に配慮しながら、友好的な関係を維持できることができる人こそが、友達に戻れる人なのでしょうね。ただ、別れ方にもよるかもしれませんが……。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。