他人の幸福を素直に喜べるようになるための“自分づくり”心理テクニック
身近な相手なら別ですが、そこまで親しくない友達やあまり好きでない相手の幸せを喜ぶのはちょっとハードルが高いですよね。でも、そんな自分を振り返ると、何だか“小さい”と感じて罪悪感を覚えてしまうことも……。そこで今回は、「他人の幸福を素直に喜べるようになるための“自分づくり”心理テクニック」をご紹介いたします。
■頑張りすぎない自分づくりからスタート
カナダの大学のC・ロッシュ博士は、抑うつ傾向が強い人ほど目的達成のための努力を惜しまなかったり、結果が出るまで頑張る傾向があると判明しました。逆を言うと、頑張り屋ほど心が折れやすいのです。そのため、他人が幸せになっているのを見ると、どうして自分は幸せになれないのか、もっと努力が必要なのかと自分を責めてしまい、相手の幸せを喜ぶ余裕がなくなってしまうのです。だからこそ、まずは頑張りすぎない自分づくりからスタートしてみましょう。今の自分に満足することで、心に余裕が生まれ他者を祝福できるはず。
■ネガティブな感情は抱え込まない
テキサス大学のジェームズ博士は、不満などのネガティブな感情を吐き出させると、約半数の人はそれだけでスッキリしてしまうという研究結果を発表しています。結果的に問題自体は何も解決していなくても、自分の意見・不満を吐き出すだけで、不満自体がやわらぐケースは少なくないのです。そのため、他社が幸せにしているのを見て、ネガティブな感情が湧きおこってきたとしたら、誰かに吐き出すのもアリです。不満がなくなれば、素直に喜べるようにもなるはずですからね。
■他人の幸せはたまたま“運がよかった”から
他者の幸せを目の当たりにすると、今の自分のことをどうしても省みてしまいますよね。そして、過去の行動の結果に対しどこに原因があったのか思いを馳せる人も少なくないでしょう。心理学者ワイナーは失敗の原因を自分にあるのか、自分以外にあるのか、そしてどうしようもないことなのか、どうにかなったことなのかの4つに分類しました。そこで、最も物事を楽観的に受け止められるのが、自分以外に原因を帰属させ、運はどうにかなるものだという考え方を選ぶ、つまり他人の幸福はたまたま運が良かっただけと思うことがベストなのです。そうすることで、周囲の幸せも運によるものだと受け止め、祝福してあげられるでしょう。
■他人の幸せを喜べる“キャラ”を演じてみる
周囲は幸せそうだけど、自分はそうじゃない…… そんなストレスと上手に向き合っていくには、“ペルソナ・ペインティング”という心理手法を使ってみることをおススメします。これは心理学者ユングが提唱するもので、「ペルソナ=仮面」を変えることで受け止め方を変えるという方法です。そのため、他人の幸せを喜べるキャラを自分の中でつくって演じるのが近道。別人になりきったつもりで他者の幸せに向き合うことで、客観的に喜んであげられるはずです。
おわりに
あなたにはライバルと言える仲間がいますか? もしいるとしたら、あなたはその相手の成長を心から願うことができるでしょうか。例えば、同じ異性に思いを寄せているなどまさに競争相手だとしたら…… その仲間の成長を心から願うのは難しいかもしれません。でも、そんな本音はギュッと畳み込んで、相手の成長を心から祈って欲しいのです。それがあなたの成長にもなるからです。その結果、自分が勝負強くなり潜在能力を引き出せるため、他人の幸せを願うことは自分の幸せにダイレクトに繋がるのです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。