苦手だけど付き合わなきゃいけない人間関係ってどうすれば?
どんな人間にも「あの人苦手だな……」という相手が、必ずひとりはいるもの。なるべくならそんな人とは関わりたくないのが実情かもしれません。でも、苦手意識のある相手とも関わらなくてはならないのが人間関係。何とかしてクリアしていきたいとき、どうすればいいのでしょう!? そこで今回は、「苦手だけど付き合わなきゃいけない人」と上手に付き合う方法ご紹介いたします。
■避ける方法1……個人にまつわる深い話をしない・聞かない
心理学では、自分の情報を相手に伝えることを自己開示と言い、この自己開示をされた相手はしてくれた側に好意を抱きやすいとされています。しかし、この自己開示には広さと深さがあり、単に一般的な話題を開示しても親密になれるとは言えません。他の人には話さないような深い話題を、自分にだけ開示してくれたときに、好意の感情を抱きやすくなるとされるのです。そのため、苦手な相手とむやみに親しくならないためには、狭くて深い話題をするのは禁物。差しさわりのない一般的な会話で終わらせましょう。そうすれば、相手も必要以上に関わってこないはずです。
■避ける方法2……社会的距離をキープして接触をさける
心理学では身体の距離は心の距離ともされ、親しさによってパーソナルスペースは変わってくるとされます。初対面の人と安心して話せるのは、通常12cm以上の距離が空いているとき。これは「社会距離」とも呼ばれ、相手に不快感を与えにくい距離です。一方で、非常に親しい相手との距離は45cm以内。自然体でこの距離の関係なら、かなり気を許している証拠だと認識されてしまいます。そのため、苦手な相手とは、常に120cm以上の距離感をキープしましょう。そうすれば親しくならずに済むはずです。
■親しくなる方法1……あえて「下の名前」にさん付けで呼んでみる
相手の名前を姓で呼ぶか名前で呼ぶかは、1つわかりやすい親密度のバロメーターになりますよね。いきなり名前で呼ばれると馴れ馴れしく感じたり、気恥ずかしくなったりするものですが、嫌悪する対象ではない限りそれほどイヤな印象は受けないでしょう。下の名前で呼ぶことで「自我関与」が強まり、相手に対して親近感を持ちやすくなります。目上の人だったりして呼び捨てはできないような相手であれば名前の後ろに「さん」を付けるなどして親密さと敬意を同時に表しましょう。いつの間にか相手との親密度が高まり、苦手意識も薄れていくでしょう。
■親しくなる方法2……相手の自己重要感を満たしてあげる
心理学者のウィリアム・ジェームズは「人間の持つ性情のうちでもっとも強いものは、他人に認められることを渇望する気持ちである」と提唱しました。これは承認欲求という心理によるもの。人は自分を認めてくれる相手や自分の重要感を満たしてくれる人に、好感を抱きがちなのです。実際は社会生活を送っている中で、他人から自己重要感を満たされることは、よほど能力が高く性格的にも付き合いやすくなければ少ないもの。苦手な相手の自己重要感を自分から積極的に満たしてみましょう。そうすれば、相手の態度や言動も変わるはず。その結果、苦手な相手とも良好な関係を構築しやすくなると言えます。
食べ物ではなく人間関係にも「食わず嫌い」はあります。思い込みや抵抗感を一度ぐっとこらえて、相手の懐に飛び込んでみると案外いい関係になれることも少なくありません。あなたが「この人は無理!」と拒否反応を露わにする反面で、相手も「あの人はちょっとね…」と思われているかもしれません。そう思うと「お互いさまだな」と吹っ切れて、自分から第一歩を踏み出しやすくなりませんか?(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。
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