King & Prince髙橋海人「人生においてアートは欠かせないもの」漫画やアニメ技法のルーツが北斎と知り驚き

髙橋海人さん(King & Prince)が、7月16日(水)に都内で開催された「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」記者発表会に、展覧会公式アンバサダーとして登壇しました。

世界で最も有名な日本人アーティスト「HOKUSAI」。アイコンとして知られる“大波”の絵は、ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》と並び称される名画と称され、紙と筆しかなかった時代にあって、彼の表現は、いまや世界を席巻する日本のエンターテインメント文化—―「マンガ」や「アニメ」のルーツとも言われています。

「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」は、『北斎漫画』1700冊を所蔵する浦上満氏(浦上蒼穹堂)の全面協力のもと開催。質・量ともに世界一として知られる浦上コレクションの『北斎漫画』全15編をはじめ、多彩な読本(よみほん)の挿絵、『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』(通称:大波)、自らを“画狂人”と称した晩年の傑作『富嶽百景』全3編・102図、 さらには世界初公開となる幻の肉筆画16図など、総数300点越えの作品が展示されます。

「すごい瞬間になるかもしれないですね」

展覧会公式アンバサダーに就任した髙橋さん。今の思いを聞かれ、「僕自身、実は北斎に関連する映画に出演させていただいたことがあるので、アンバサダーが決まった時に運命的で縁を感じるなと思い、ワクワクしていました」と爽やかな笑み。

高橋さん自身、絵を描くなどアートに触れることが多いですが、「物心ついた時に、絵を描いている姉を見て『いいな~』と思ったことがきっかけ。描くことも、見ることも、作ることもたくさんしてきました。そういう意味では、人生においてアートは欠かせないものだなと思っています」と打ち明けます。

北斎の表現は漫画やアニメのルーツと言われていますが、北斎との関わりについて聞かれると、「僕は大人になってから日本のアート文化に触れたので、北斎歴は浅いんです」と前置きし、「今の漫画やアートの技法が200年以上前からあり、それらのほとんどを北斎がやっていたんだということに衝撃を受けました。もっと小さい頃から触れていたかったなと思います」としみじみ。

最近、浦上氏のアトリエに行き、北斎について勉強したそうで、「自分の印象だと、北斎はすごくストイックで、生涯ずっと絵を描き続けたことで、苦悩の人生だったのではという感覚がありましたが、『北斎漫画』を拝見した時に印象がガラッと変わって」と言い、「絵を描くことを楽しみ、自分の絵が人々に与えるパワーも深く知っていて、楽しませようと思っている“楽しいおじいちゃん”だったのかなという印象に変わりました」と、自身の見解を。

また、「(展覧会で)今の自分と同世代の若者や、もっと小さいお子さんがどう感じるのか。それがきっかけで小さい子が絵を描き、200年以上前に北斎が描いていた技法が伝わり、日本のアートが継承されていく瞬間になるのかなと思ったりもして、すごく楽しみです。すごい瞬間になるかもしれないですね」と期待を込めました。

アンバサダーとして音声ガイドに挑戦するそうで、「なるべく北斎の世界を邪魔しないように、来ていただく皆さんをスムーズに世界に没入できるような音声ガイドができればと思っています」と意気込みを。

また、自身が展覧会で改めて楽しみにしていることを聞かれると、「いろんな読本の差し絵や漫画を描いてたり、いろんなことに興味を持ってやっていた北斎なので、知られていない魅力がいっぱい詰まっていると思います。それらに触れられるのが、今回の個展の魅力の1つだと思っています」とアピール。

自身のアーティスト活動にも影響があったそうで、「北斎の作品を見た時、すぐ絵を描きたくなりました。北斎の絵は繊細さ、大胆さがありますが、中でも自分がすごいと思うことはシンプルに見せる構図。自分も絵を描く時に、色使いや構図にこだわりを持って描いているので、勉強になりますね。家に帰ってすぐ描きたいと、刺激をもらいました」と回顧。

北斎の絵には庶民を描いた絵もありますが、「日常が捉えられていて。時代が経て今見ると、歴史的文献と思うぐらい、当時のいろんなことが描かれていて、勉強になりますし、絵に対する興味の取っ掛かりにもなります」と告白。その流れで、その絵の中に「変顔も描かれていますが、影響を受けたりする?」と司会者に話をふられると、「僕のアイドル生活にも影響を与えるかも…ただあまり変顔をすることはないんですけど」と照れ笑いしていました。

最後には「僕自身、北斎は日本のアートの歴史の重要な中心人物だと思っています。そんな北斎の作品が300点以上、見れるという機会はなかなかないですし、皆さんが絵に対して興味を持つきっかけになったらいいなと思います。北斎のいろんな魅力が詰まった個展になっているので、お立ち寄りください」と呼びかけていました。

「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」
会期:2025年9月13日(土)~11月30日(日) ※会期中無休
会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO[東京・京橋]
東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6F
開館時間:10時~18時 ※毎週⾦・土曜および祝前日は20時まで開館
※最終入場は閉館の30分前まで

HOKUSAI

撮影・取材・文/miho takayama
新聞社や出版社で記者、雑誌編集、WEBサイト編集を経て、2018年にフリーランスエディター・ライターとして独立。芸能取材歴15年。インタビュー、イベント記事、ライブレポなどを手掛ける。