野村萬斎さんが、現代劇に初出演する異色の謎解きミステリー映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』が、4月29日全国ロードショーされます。
物や場所に残った人間の記憶や感情が一体となった思念をスキャニング(読み取る)する仙石(野村萬斎)と相棒・丸山(宮迫博之)の元に、亜美(杉咲花)からピアノ教師・沢村雪絵(木村文乃)を探してほしいと依頼が入った……。
Woman Insightでは、ストーリーのキーマン・亜美を演じた杉咲花さんにインタビューを行い、映画のこと、“女優・杉咲花”について語っていただきました。インタビューは前編・後編にてお届けします。まず前編は、映画についてたっぷりと語っていただきました。
Woman Insight(以下、WI) 初めて脚本を読んだときの感想を教えてください。
杉咲花(以下、杉咲) 脚本は、亜美を演じると聞いてから読みました。ストーリーは追っていますが、亜美として、仙石と丸山の中に亜美も絡むのが楽しいと思って読んでいました。
WI では、出演にあたり楽しみだったことはありますか?
杉咲 仙石と丸山の掛け合いがすごく楽しみでした。(野村)萬斎さんが「どうやって仙石をやられるのか?」、宮迫さんとご一緒させていたことがあるので、再び共演できることが楽しみでした。
WI 亜美役については、いかがでしたか?
杉咲 ピアノを弾くシーンがあるので、練習を頑張ろうと思いました。
WI それはどうしてですか?
杉咲 ピアノだけではありませんが、ピアノを1か月ちょっと練習しました。ピアノができる人が見て“全然違う!”と思われたらと不安だったんです。弾いていても大丈夫なのか心配でした。私が(作品を)見ても“もっとできたのでは?”と思うこともありました。でも「ピアノが初めてと思わなかった」と言ってくださる方がいて、嬉しかったです。
WI 元から弾けるのかと思っていました。
杉咲 本当ですか。かなり嬉しいです。
WI ピアノ以外に準備したことは、ありますか?
杉咲 現場で萬斎さんと宮迫さんが立たれていて、私はついていくだけだと思っていました。
WI 亜美は、仙石や丸山(宮迫)を事件捜査に連れ出すなど、行動力がすごいですよね。
杉咲 そうですね。行動力がすごいと思います。あまり大人のかたとは、かかわらない年齢なのに、亜美はそこを乗り越えて、気にしてない。それだけ先生である雪絵さんのことが大事だからだと思います。
WI 亜美は自分に近いと思いますか?
杉咲 結構、思い立ったら「こう!」って思うところが自分に近いのかなって思います。
WI 自分が「こうしたい」とか伝えるほうですか?
杉咲 伝えます。そうやっていい方向に行くと思ったら、言います。言ったほうがいいと思うし……。
WI 普段の性格は、前に出て話すタイプですか?
杉咲 元々はそうだったのかもしれません。事務所に入ったきっかけも、“TVやドラマに出たい”という気持ちからだったと思うんです。でも、こうやって人にかかわる仕事をしていて、まわりにそういう人が多くて「私はいいかな」と思うこともありました(笑)。
WI では、静かなほうですか?
杉咲 同じ現場にいる人たちと、ご飯に行く機会があると、私は話を聞くのが好きです。あまり自分の意見を言うよりも聞くほうが好きですね。でも自分の意見を聞いてもらう相手もちゃんといるんです。でも、聞いているほうが多いです。
WI 今回の映画の撮影現場はいかがでしたか?
杉咲 萬斎さんのことが、スタッフさんも含めて、皆さんが好きでした。本当に現場に立っていて感じたんです。とっても素敵で……。みんなに対して優しいです。新しい提案をされていたり、スタッフさんとの信頼感も感じました。
WI 映画にも現れていると思いますか?
杉咲 映画にも出ていると思います。仙石のことを応援したくなるし、仙石のことが好きになる。それが映画に出ていて、本当に素敵だと思いました。
WI 撮影時期は夏だったんですよね?
杉咲 夏で萬斎さんが本当に厚着でした。宮迫さんもすごく暑がっていました(笑)。
WI 萬斎さん、宮迫さんのほかにも高畑淳子さんなど、個性的な俳優さんに囲まれての撮影でしたね。
杉咲 高畑さんとご一緒出来て本当に嬉しかったです。現場に立って何があるかをすごく見ていて、宮迫さんに怒るシーンがあったんですが、そこにあった雑誌を、段取りの時にアドリブで“スッ”と取って、ポンってたたいたんです。私はそんなことができないから、“すごい!”って思いました。私は本当にそれを覚えています。
WI 高畑さんの姿が想像できますね。
杉咲 現場で、どっしりと存在感があって、私、すごいと思って、ずっと見てしまいました。
WI その時の杉咲さんは?
杉咲 もう、素にもどって「すごい!」って思っていたら、現場は進んでいたので、置いて行かれそうになりました(笑)。
「私、声が小さいししゃべるのも遅いんです」とインタビュールームに登場した杉咲さんが熱く語った、映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』は、4月29日ロードショーです。(平山正子)
(あらすじ)
特殊能力を持つ仙石(野村萬斎)とその相棒・丸山(宮迫博之)に舞い込んだ、人探しの依頼。“想い”を読み取り、辿り着いた衝撃の真相とは!?
今、あまりに切ない事件の幕が上がる……!
オフィシャルサイト: http://www.scanner-movie.jp/
配給:東映
(C)2016「スキャナー」製作委員会
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