CanCam編集長が語るトレンド予想。今年は空前の○○ブームが来る!!

2014年、女性誌各誌の編集長はどのような流行を生み出し、どんな時代を見てきたのか。女性誌編集長インタビュー、今回は『CanCam』井亀編集長の第3回。最終回です!

初回には現在の『CanCam』読者像について、第2回には2014年の『CanCam』から見るさまざまな流行について詳しくお話をうかがってきました。第3回では、2015年の『CanCam』が仕掛けていく流行についてうかがいます!

★第1回インタビューはコチラ→CanCam編集長が語る、いまどきの”プチバブル世代”。その正体とは!?

★第2回インタビューはコチラ→CanCam編集長が振り返った2014の流行アイテムは……「○○靴」「○○ストッキング」「○○アクセ」etc.

 

CanCam井亀編集長2

Woman Insight編集部(以下、WI) 2014年の『CanCam』に見られたさまざまな流行を経て、2015年のテイストやアイテムの流行はどうなっていくのでしょうか。

井亀編集長(以下、井亀) 2014年の秋冬になると「甘めカジュアル」から一転して、女の子たちの“お嬢願望”が強くなってきたんですよね。「『甘めカジュアル』からの『お嬢シンプル』」が2014年終盤。すでに、ピーチやミントグリーンなども含めた寒色寄りの色合いや、リトルブラックドレスなど、「お嬢シンプル」の象徴と言えるような色やアイテムが流行り始めています。景気が戻ってくると、一気にお嬢さまテイストが戻ってくるものなんですよ。2014年の8月号からお嬢系のまいが専属モデルになったことも大きな理由として挙げられます。

 

WI その傾向が、今後も継続していくと。

井亀 そうです。2015年のテーマは「お嬢シンプル」ですが、アイテムのキーワードとしては、「パンツ」「ドット」「盛り素材」ですね。ちなみに『CanCam』では山本美月の「かわいめOL」、堀田茜の「きれいめ女子大生」といった着回しは毎月やってきましたが、そこにまいまいの「お嬢OL」が追加されます。『CanCam』は、大人に見られたい大学生、働き始めてもかわいい格好をしていたい女の子のための雑誌なので、その3つの軸で進めていきます。

 

WI 具体的には、どのようなアイテムの流行が予想されるのでしょうか。

井亀 2015年は空前のパンツブームが来ると思いますよ。

 

WI え! スカート・ワンピースブームから一転して、“おばさんっぽい”と敬遠されてきたパンツですか?

井亀 はい。やっぱり(スカートやワンピースに)いい加減飽きてきたから。そして、動きやすいから。あとは、甘めのアイテムを薄めてくれるので、トップスにどんなに甘いものを持ってきても大丈夫だから、という理由からです。

 

WI パンツと言ってもさまざまなタイプがあると思うのですが、具体的にはどんなパンツが流行ると思いますか?

井亀 キャリアっぽいようなカッコいいパンツではなくて、“女の子っぽい”パンツが流行ると思います。これだけスカートが流行って急に変わるのは難しいと思うので、まずは比較的はきなれていてトップスとのバランスを取りやすい、スキニーデニムから流行るのではないかと。ちなみに2015年は、デニムが流行すると言われているんです。スキニーデニムから流行る、というのはそういった理由からですね。私の予想だと、若い子の市場ではクロップドパンツは死に絶えると思います。なぜならおばさんっぽいから(笑)。最近の子たちは「安っぽい」「おばさんっぽい」「子どもっぽい」のが大嫌いなんです!

 

WI パンツが流行るとなると、トップスの傾向は今後どうなるのでしょう。

井亀 これまでスカートが流行ってきたのでトップスを盛るのは難しかったですが、これからはたっぷりのレースやフリルなどがついた派手めのトップス、つまりデコラブラウスなどが取り入れられるようになると思います。パンツが流行るとは言いましたが、チュールスカート、チュールワンピースはさらに流行りますね。なぜかと言うと、お嬢系だから。引き続きボリュームのあるものが流行ります。

 

WI ちなみに、ボトムスの流行はパンツのみですか?

井亀 これは裏予測ですが……スキニーデニムを経て、おそらくレギンスのブームが再来すると思うんです。海外の子たちの中で今レギンスが流行っているんですが、そもそもレギンスって日本でも名前が変わって何度も流行っているんですよね。スパッツとか、カルソンとか。数年前、チュニックにレギンスを合わせるコーディネートの女の子だらけになった時期があるじゃないですか。ああいったスタイルがまた夏に向けて出てくると思います。でも、これまでと素材が変わって、レースやチュールといった、盛り素材が注目されると思います。

 

WI 流行はくり返すものですね……懐かしさを感じます。さて、ここまでトップス、ボトムスについてうかがってきましたが、靴やバッグなどの小物についても教えてください。

井亀 靴はボリュームウエッジ。一部が厚いのではなく全体的に厚めなものですね。昔流行った厚底靴ではなく、少し厚めくらい。下駄みたいな(笑)。バッグは、今年も注目されていましたが、巾着バッグ。あとはブランドバッグも春に向けて市場が動くと思います。どこのブランドも若い子に買ってもらわないと将来の顧客が育たないので、まずは比較的安価な、10万円前後のブランドミニバッグが流行ると思います。ギリギリ手が届く価格でありながら、質の良いものを持っていると実感できるので、満足度が高い。プチバブル世代ならではの流行だと思います。大体、最初にバブルが戻ってくるときって、まずバッグにその傾向が出るんです。少しずつ景気が戻ってきているぶん、原点回帰的に、プチバブル世代に向けて「お嬢シンプル」を打ち出していきたいですね。

 

WI 色や柄の流行についてはいかがでしょうか。

井亀 柄はドット! それも小さなピンドット。これがいちばんお嬢っぽいんです。ドットって6~7年に一度くらいしか流行らないんですけど、2015年はドットブームがどっとくると思います(笑)。あと、色はアイスグレー。夏に向けて流行ると思います。白に近いアイスグレーが出てきます。もう、ほぼ白! という印象の薄いグレーですね。

 

WI 冬のイメージがあるグレー系が夏に向けて流行る、というのは新鮮ですね。ファッションに関しては寒色系の流行が2015年も継続ということですが、ヘアメイクの傾向はどうなるのでしょう。

井亀 つけまつげ、まつげエクステは落ち着いて、すでに2015年に向けて「自まつげ勝負!」という流れがきていますね。リップは飴玉のようなジューシーカラーが流行り、えんじやカーキの主張しすぎないさり気ないカラーライナーも流行ると思います。これまでつけまつげや涙袋メイクなどが流行ってきましたが、2015年は「薄盛りメイク」。盛りつつもナチュラルで、きちんと感が出るメイクですね。また、ヘアアレンジは継続して流行ると思うので、ヘアアクセも継続すると思います。

 

WI ここまで2015年の『CanCam』で仕掛けていくファッションやアイテム、ヘアメイクの流行についてうかがってきましたが、ほかに『CanCam』として、何か仕掛ける予定はありますか?

井亀 まず、丸ちゃん(丸林広奈さん)が2015年3月に福岡大学を卒業しますが……『CanCam』スタイリストになります! これまでも誌面で自身のコーディネートだけでなくモデルたちのスタイリングも手掛けてきた彼女。現在パリに短期留学をしているんですが、その後大学を卒業してすぐ、スタイリストになる予定です。2015年の『CanCam』もいろいろ仕掛けていきますので、ぜひ楽しみにしていてください!

 

『CanCam』の詳細な読者像から2014年の振り返り、2015年に仕掛けていく流行について、とても詳しく丁寧に解説していただきました。

2015年の『CanCam』は「お嬢シンプル」。「甘めカジュアル」の流行が目立った2014年からどのように変化していくのか、どんな新たな“かわいい”が生まれていくのか。ぜひみなさん楽しみに、これからも『CanCam』をチェックしてみてくださいね!(鈴木 梢)

 

★第1回インタビューはコチラ→CanCam編集長が語る、いまどきの”プチバブル世代”。その正体とは!?

★第2回インタビューはコチラ→CanCam編集長が振り返った2014の流行アイテムは……「○○靴」「○○ストッキング」「○○アクセ」etc.

 

【編集長インタビューシリーズ】

※独占インタビュー!AneCan編集長が注目するのは”色気が魅力”なあのモデル

※ヒット企画からOggi編集長が紐解く、働く女性の”いまどき”のリアル

※Domani編集長が分析!元祖○○世代・35歳前後のファッションはどこへ向かう?

※Precious編集長も驚く……Precious読者のラグジュアリーなお買い物伝説

※編集長曰く「MEN’S Prescious世代へのメッセージは”自分の信じる道を行け。そして……”」

※NO.1美容誌『美的』編集長が分析する「太眉」ブーム、ふたつの理由

※日本文化を伝える雑誌『和樂』編集長が語る「○○こそサイコーのエンターテインメント!」

※SAKURA編集長が解説する、今どきママが大切にする「3つの軸」。

 

【昨年(2013年)のインタビューはコチラ】

※2013年を総括!CanCam編集長が考える「かわいい」の現在

※CanCam編集長が語る!2013年の3大キーワードは「黒髪、コミュ力、リア充」

※CanCam編集長が仕掛ける!2014年は「黒髪美少女」と「フレトー女子」の時代!

 

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