時代を作る女性誌の編集長インタビューシリーズ、世界中のかわいいが集まる雑誌『CanCam』井亀真紀編集長の2014年予測編です。2013年という時代の振り返りに対し、独自の視点から面白いお話をたくさんしていただいた井亀編集長は、2014年がどのような年になると考えているのでしょうか……？
【2013年振り返り編はコチラ】
第1回→ 2013年を総括！CanCam編集長が考える「かわいい」の現在
第2回→ CanCam編集長が語る！2013年の3大キーワードは「黒髪、コミュ力、リア充」
Woman Insight編集部（以下、WI） 2014年、これが流行しそうだ、というものはありますか？
井亀編集長（以下、井亀） とにかくやりたいのは「黒髪美少女」と「フレトー女子」。
WI それぞれについて詳しく聞かせてください。2013年のキーワードとして挙げていた「黒髪」ですが、やはり2014年も継続ですか？
井亀 そう。黒髪美少女の時代でしょって勝手に思ってる（笑）。景気が戻ってくると、人の気持ちってベーシックやクラシックに回帰していくもの。黒髪は、日本人、そしてアジア女性の美しさの象徴だから、そこに意識がいくと思うんです。それに加えて、空前のアイドルブームはまだまだ続くだろうから、アイドル系黒髪美少女を引き続き流行らせていきたいなと思って。黒髪は今までも何回も特集しています。
WI 黒髪美少女をやっていく上で、何か仕込んでいることはありますか？
井亀 フレッシュでナチュラルな美少女系のモデルを増やしていきたいんです。フレッシュでキュートで透明感がある、芯の強い美少女軍団。もしかしたら、CanCamモデルがこれまでより若く見えるかもしれないです。
WI 楽しみですね！ では次に、「フレトー女子」。これはなんですか？
井亀 「フレンチトースト女子」の略です。パンケーキの次はね、フレンチトースト（笑）。もうね、世の中がパンケーキパンケーキってそればっかりで腹が立つので（笑）、次はフレトー！ どういう女の子かというと、ナチュラルでがんばりすぎていないのに、かめばかむほど味わい深い。甘くてベーシックだけど、芯の強い女の子っていう感じのファッションを展開していきたい。
WI 2014年、雑誌『CanCam』の抱負はありますか？
井亀 今の日本の女の子の、独特の世界観の脳内に入り込んで、「かわいい」を発信していきたいなと思っています。今の「かわいい」は、昔の「かわいい」とはまた全然違ってきているもの。そして若い子ほどそうなんだけど、「かわいい」をジャンルで分けていない。どういうことかというと、例えばファッションとコスメとライフスタイルと、マンガとかのカルチャーの差がない。「かわいいものはかわいい」で、どんどんごっちゃになっている気がする。だから、ライフスタイル誌ってわけではないけど、ファッションとカルチャーが融合したものを前面に押していきたいな、というか。あとは、もっと、香りとか、食べ物とかね。「かわいい」を五感に訴えていきたい。
WI 「かわいい」を五感に訴える！ そう考えた理由はなんですか？
井亀 今の日本の若い子は、すごく感覚的だと思う。自分で写真撮ったりブログ書いたりして自己編集力がすごく高くて、可愛いものや美しいものをキャッチする目もあるし、感覚が本当に優れている。下手すると、若い読者のほうが、編集者よりもずっと感受性も豊かで、センスも良かったりして……。置いて行かれないように頑張らなきゃ、って思いますね。
WI 最後に、井亀編集長の『CanCam』への想いについてお聞かせください。
井亀 日本人は買い物とイベントが好きで、美しいものがとっても好きな国民。若い子たちは夢も見たいし、かわいいものも買いたい。なんでもインターネットで調べられるスピード感ある時代の中、美しいものが好きな人たちが集まって、非効率かもしれないけど高い予算をかけて、月に一度わざわざ紙に印刷して作っているのが今の雑誌。紙は黄ばむし劣化するし、1か月に1度しか情報を出せない。でも、紙で夢を見るのは、なんて贅沢で素敵な文化なんだろうと思っています。読者にもそう思ってもらえるように、自由な刺激に飢えている女の子たちにもっと濃く愛してもらえるような雑誌を作っていきたいと思っています。
井亀編集長、2013年の振り返り＆2014年の予測と、現代の女性に関する、多岐に渡るテーマでの濃いお話をありがとうございました！ 2014年の『CanCam』がどんな新しい「かわいい」を提案してくれるのか、今から期待大です。（後藤香織）
（『CanCam』2014年2月号）
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