眠れない、朝つらいetc.の対処法は?20代の睡眠の悩みTOP5をプロが解決

私たちの生活から切り離すことのできない「睡眠」。日々の体の状態を大きく左右するものだからこそ、質の高いものにしたいけれど、なかなか難しいですよね。そこで今回は、CanCam読者世代である20代の皆さんから挙がった睡眠のお悩みについて、快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂先生に解決策を伝授してもらいます!

第1位「夜、なかなか寝付けません(涙)」

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太陽の光を午前中に30分以上浴びましょう

在宅ワークやオンライン授業が増え、余計に「寝付けない…」という悩みが顕著になった方も多いのでは?それには日中に浴びる太陽光不足が大きく関係しているそう。太陽の光を浴びることで脳から分泌され心を安定させる神経伝達物質、セロトニンは、日中の元気のもと。そんなセロトニンは、夜暗くなるとメラトニンという睡眠ホルモンに変わり、夜の熟睡のもとになるんです。そのため、昼間に太陽光を浴びることが睡眠にとっても重要。毎日午前中に30分以上日光を浴びることを意識しましょう。

Tip♡:外に出なくてもOK!ベランダや窓際でたっぷり日光浴を

午前中に外に出る予定がない時は、ベランダや窓際で日の光を浴びるのもあり。朝起きてからスマホを触る時はベランダに行く、勉強や仕事は窓際でする、というふうに、生活の中に日光を浴びる習慣を取り入れてみて。

◆ベッドにスマホを持ち込まないで!

布団に入ってからスマホを触る癖がある方は注意!そうすると「ベッド=スマホを触る場所」と脳の中でつながりができてしまうそう。「ベッド=眠る場所」と、脳の中で場所と行動が正しく一致するよう、スマホをベッドに持ち込まないことを心がけましょう。また、スマホの光の刺激によって睡眠ホルモンであるメラトニンが抑制されてしまうので、寝る直前にはスマホを使うのを避けるのがGOOD。

Tip♡:寝る時はスマホを遠くに置いて充電しておこう

スマホを遠くに置いておくことで、スマホのアラームを何度も止めてしまって起きられないなんてことを防ぐこともできます。アラームを止めるために立ち上がることで、体の大きな筋肉に力が入るので、パッと目覚められるという一石二鳥のメリットも。


2位「朝起きるのがつらいです!」

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◆体の冷えが原因かもしれません

朝起きるのがつらい理由に、睡眠時間が単純に足りないことや、眠りが浅いことが挙げられます。その中でも特に、体が冷えている人は眠りが浅い傾向にあるそう。女性は特に冷えやすいというから、注意が必要です。おすすめは、腹巻きをつけて寝ること。生理痛がひどいという人もやはり冷えていることが多いので、寝る時に腹巻きをつけたり、おへその下あたりにカイロを貼ると楽になるかもしれません。

Try♡:お腹が冷えていないかチェックしよう

両手を合わせて軽くこすって、手を温め、直接お腹の周りを触ってみて。手のひらの方が温かければ、お腹が冷えている証拠。腹巻きをして寝ることで、目覚めがより良くなるかも。

◆朝つらくても、毎日の起床時間は固定する!

夜遅くに寝る日があるとしても、いつも同じ時間に起きるというのがとっても大事な習慣なんです。起きるのが多少つらくても、太陽の光を浴び、朝食をとることで、体内時計がリセットされて日中の活動時間と夜の睡眠時間のメリハリがつきます。日中に眠くなったら昼寝をすればOK。自由に昼寝ができない状況であれば、休憩中に目を閉じてウトウトする時間をつくるだけでもだいぶ眠気がおさまるそう。

Tip♡:「休みの日だからアラームなし」はNG

ついついやりがちなのが「明日は休みだからアラームをかけずに寝られる時間まで寝よう♪」。実はそれが、体内時計を余計に乱し、その日の夜眠れなくなったり、翌日つらくなるもとに。寝る時間を早くするのは良いですが、起きる時間は毎日固定することを意識して。


3位「寝ても疲れが取れていない気がします…」

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◆寝る前に「緊張をほぐす」ひと手間を

朝の疲労感が気になる人や、最近は鮮明に夢を覚えていることが増えたという人は、緊張した状態のまま眠りについているのかも。寝る前に手軽にできる「4-7-8呼吸法」や「筋弛緩法」でリラックスしてみて。また、寝ている間は豆電球などの弱い光でも眠りを浅くする原因になるので、部屋を暗くして寝るのがおすすめ!

Try-1♡:4-7-8呼吸法

4カウント息を吸って、7カウント息を止めて、8カウント息を吐きます。カウントは秒数ではなく、自分にとって楽なペースでOK。これを4~10回ぐらい繰り返すことで、体がリラックスし、睡眠中の呼吸が深くなるそう。疲れも取れやすくなるとか。

Try-2♡:筋弛緩法

10秒ほどかけて体にぐーっと力を入れて(8割ぐらいの力で)、20秒ほどかけてゆっくりと脱力するという方法。椅子に座った状態で、手→肩→両腕→首→足(ふくらはぎ)の順で、最後は顔も含め全身で。緊張がほぐれ、気持ちが落ち着くのにもつながります。


4位「たくさん寝ているのに、日中も眠いです(泣)」

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◆できるなら昼寝をするのが1番!

日中も眠気を感じるのは、主に睡眠不足や睡眠の浅さが原因。ただ、14時から16時の間は、体内時計の関係で自然と眠気がくるものなんです。眠くなってしまうわけにはいかない!というあなたは、お昼休みや休憩時間に少しでも寝ておくと、この時間帯に眠くなることが少なくなるかもしれません。

Tip-1♡:コーヒーの覚醒作用は20~30分後から

眠気覚ましにコーヒーを飲むという人も多いかと思いますが、カフェインによる覚醒作用は時間が経ってから効果が発揮されるんです。コーヒーを飲み、約15分の昼寝をすることで、起きた後にちょうどよく目が覚めるのでトライしてみて。

Tip-2♡:生理前は睡眠が浅くなってしまうもの

生理前に「なんだか寝付きが悪い」「よく眠れなかった」と感じること、ありますよね。生理前は高温期と言われる体温が高くなる時期。睡眠中は体温が下がるものですが、それが十分に下がりきらず、睡眠が浅くなることがあるそう。結果的に、日中眠気におそわれるなど、悪循環に陥りがちなんです。普段より少し長く寝たり、昼寝をしたりして、体をいたわりましょう。


5位「夜中に目が覚めてしまいます…」

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◆原因は主に3つ!どれに当てはまる?

夜中に目が覚める主な原因は、体内時計の乱れ太陽光不足、そしてストレスによる緊張のどれかの可能性が。体内時計が乱れると「昼間は活動して夜は寝る」というメリハリが弱くなるため、昼間でも眠く、体がだるく感じたり、夜はぐっすり眠れないという悪循環に。また、ストレスがあると交感神経が刺激されるので、深く眠れず、途中で目が覚めることにつながってしまうんだとか。起床時間を固定して睡眠のリズムを整えたり、午前中に30分以上日光を浴びたり、先ほどの筋弛緩法で緊張をほぐしたりしてみましょう。

Tip♡:日中は元気であれば、気にしなくても大丈夫

寝ている間に目覚めてしまう場合でも、日中に疲れが残っていたり、体がだるい、集中力が続かないということがなければ、夜中に目が覚めることをそこまで気にする必要はないそう。1番のバロメーターは、あくまで日中。日中は元気というのであれば、あまり心配しすぎないで。


まとめ

ちょっとしたことを生活に取り入れてみたり、いつもの癖を直したりするだけで、睡眠の質をグッと上げられるかも。「これ、私に当てはまるなぁ…」と発見があったら、ぜひ今日から見直してみてくださいね。

教えてくれたのは…

三橋美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)
1万人以上の眠りの悩みを解決してきた睡眠のスペシャリスト。全国での講演活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュースも手がける。主な著書に『眠トレ!』(三笠書房)ほか多数。https://sleepeace.com/