今日しっかり眠れた?睡眠の質を高める、簡単な3つのコツ

夜しっかり眠れてる? 在宅勤務をする人の4割は睡眠に悩みが!

新型コロナウイルスの流行により様々な企業で導入されるようになった在宅勤務。満員電車に揺られずとも家で仕事ができるというメリットはあるものの、仕事とプライベートの境目がなくなってしまったり、疲れがたまりやすくなったりとお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

(c)Shutterstock.com

そこで今回は、バスタイムから快眠まで、健やかで心地よいライフスタイル提案を進める内野株式会社が、在宅勤務をしている首都圏在住の男女1,000名を対象に行った「睡眠に関するアンケート調査」そして「快眠の方法」をご紹介します。

在宅勤務で、良い睡眠をとれる人ととれない人が二極化

グラフ:コロナ前後で平均睡眠時間(睡眠の質)に変化はありましたか?

調査対象の中で睡眠に関して悩みや不満を持つ方371名に、コロナ禍前と後で平均睡眠時間の変化を聞いたところ、在宅勤務で家にいる時間が増えたにもかかわらず、睡眠時間が「長くなった」と回答した方よりも「短くなった」と回答した方が多くいました。さらに、コロナ禍前後で「睡眠の質が下がった」と感じる方は約50%にも上りました。

一方で、睡眠に関して悩みや不満を持たない方はコロナ禍前後の睡眠時間や質が「ほとんど変わらない」という回答が多数を占めており、よい睡眠がとれている人ととれていない人の差が開いているようです。

「睡眠に悩みや不満を持っている方」に多く見られたのが「仕事終わり、ON→OFFへの切り替えを行っていない」「仕事終わりの時間を決めていない」というもの。また、ついさわってしまう「スマホ」も睡眠に不満がある方・ない方でかなり使い方が変わっています。

睡眠不良の方の6割以上が、寝る直前までスマホを触ってしまう

グラフ:夜寝る直前までPCやスマホで仕事をしてしまうことがありますか?

「夜寝る直前までPCやスマホで仕事をしてしまうことがありますか? 」と質問したところ、睡眠に関して悩みや不満を持つ方の中で「いつもある」「よくある」と回答した方は60%以上いました。一方、悩みや不満がない方は約25%にとどまり、かなり大きな差に。ON→OFFの切り替えができずに寝る直前まで仕事をしてしまうことは、 睡眠の妨げになってしまっている可能性が高そうです。

睡眠不足が続くとどうなる? 「うつ病」の危険性も

眠れないとは言っても別にそこまで日常生活に影響は出てないし…とついつい睡眠について考えるのをやめてしまうことってありませんか? 悩みすぎて余計に眠れなくなってしまうのも困りものだけど、ノータッチなのも危険。

東海大学医学部長の坂部貢先生にによると

「オン・オフの切り替えがうまくいかずに生活リズムが乱れたり、つい遅くまで仕事をしてなかなか脳の緊張がほぐれないこともうまく眠れない原因と考えられます。睡眠時間が足りなかったり良質な睡眠がとれない日が続くと、成長ホルモンなどの分泌が低下します。疲れが取れにくくなったり、メラニン色素が肌に残ってシミ・くすみの原因となったり、角質が乱れて肌がダメージを受けやすい状態になり、肌トラブルにもつながります。また、原因は特定されていないものの、睡眠リズムが乱れている方はうつ病になりやすいことがわかっています」

とのこと。睡眠の質は心身の健康に非常に大きな影響を及ぼします。コロナ禍によって乱れたリズムや生活習慣を見直し、良質な睡眠をとるように意識していくことが、心身の健康や美容にとって重要なことであると言えるでしょう。

■教えてくれたのは…
坂部貢先生
坂部 貢(さかべ こう)先生
東海大学 医学部長
日本臨床環境医学会前理事長、日本免疫毒性学会理事、日本環境ホルモン学会評議員、日本衛生学会評議員、日本解剖学会学術評議員

 

心地よく眠るための儀式! 「スリープセレモニー」で自分を癒そう♡ 

(c)Shutterstock.com

そこで眠りとお風呂の専門家・小林 麻利子さんに、良質な睡眠に導くために今日から取り入れたい「スリープセレモニー」について教えていただきました。早速チェックしていきましょう。

 

3つの「スリープセレモニー」で快眠へ

小林さんによるとスリープセレモニーとは「寝る前に決まって行う、体と心をリラックスさせ、良質な睡眠へと導く行動」とのこと。脳を睡眠モードへとスムーズに切り替える、眠りへのスイッチという役割もあります。おすすめはこの3つ。

①入眠前にはしっかりと「パジャマ」に着替える

(c)Shutterstock.com

一般に、人が快適に過ごせる衣服や布団の中の温度は31〜33℃、湿度は 50〜60% が最適な状態とされています。体から出る熱や汗を効率よく放出・吸収して快適な状態に保ち、水分を拡散させて乾かせるのがベストな衣服内環境です。

この点パジャマは「就寝用」として、様々な機能性を備えた衣服です。体を締めけないように、ゆとりが生まれる作りになっていますし、季節によって様々な種類があるので、肌触りの良い吸湿・吸水性に優れた素材をチョイスすることで衣服内環境を整えることが出来ます。

パジャマに着替えることは、眠りを暗示させる効果があるとも言われています。睡眠中、深く眠ると肌の修復にも役立つ成長ホルモンがしっかり分泌されるので、快眠はお肌の美容にも良いんです。パジャマに着替えることで脳のスイッチを睡眠モードに切り替え、リラックスして就寝して、美肌を手に入れましょう!

ちなみに、寝るときの服装として多く挙げられるスウェットやジャージなどは、吸湿性に優れていないものや、締め付け感が強く寝返りや血流を妨げてしまうも多いのでご注意を。

②勝手に眠くなる体がつくれる「40・15入浴法」!

(c)Shutterstock.com

体の内側の温度である「深部体温」は、朝4時頃が最も低く、 19時頃が最も高くなるリズムがあります。就寝時刻の2〜3時間前から深部体温が下がり始め、睡眠を開始したあとも朝4時までにどんどん下がります。しかし、眠りに課題のある方は、深部体温が就寝時にしっかり下がらないということがわかっています。

最も効率よくこの課題を克服できるのは「40・15入浴法」

就寝前に、深部体温を少し上昇させることで、その反動で深部体温がその後急降下し、上質な眠りにつなげることが出来る手法です。「40度」のお風呂に「15分」(炭酸ガス系の入浴剤を入れれば10分)浸かることで、深部体温を0.5度上昇させることが出来ます。冬は就寝30〜60分前にこの入浴法を行うことで、寝付く頃には深部体温が下がりはじめ、自然と眠くなる体を作ることができるようになります。

入浴後、上がった深部体温が通常体温に戻った後、下がっていく過程で汗が出るため、その際に、吸水性・通気性の良いパジャマを着ていると快適にお休みできます。

 

③「寝ながら頭皮マッサージ」で、副交感神経を刺激!

耳のマッサージ

頭皮マッサージを行うと、寝つきがよくなるという研究報告があります。寝る直前までスマホの操作や、PCなどで仕事などをしていると、交感神経が刺激され、末端の血管がキュッと収縮し、体や脳の深部体温は高いままになりがち。

そんな時に、寝る前に頭皮マッサージ用のブラシや自らの手で、頭や耳の血流を良くしてあげることで、 放熱への道ができ、深部体温の低下を促すことが出来ると考えられています。また、耳の血流が良くなることで 副交感神経が刺激されるという報告もあるなど、頭部のマッサージはいいこと尽くめ。

マッサージ用のブラシがない場合は、下記のようにマッサージするのがおすすめ。

1.横向きに寝る
2.テレビを見るときのように、片方の肘をつく
3.手を耳の上にそえて、頭を少し持ち上げる
4.この姿勢のまま、手のひらの親指の付け根で、耳の上の側頭部をゆっくりともみほぐす

テコの原理で、省エネルギーでマッサージができます。耳は親指と人差し指でしごくようにするだけでも、ポカポカ温かくなります。

 

■教えてくれたのはこの人!
小林さん
眠りとお風呂の専門家
小林 麻利子 さん
「美は自律神経を整えることから」を掲げ、生活習慣改善サロンFluraを開業。
科学的根拠のある最新のデータ、研究をもとに、睡眠や入浴、運動など日々のルーティンを見直すことで美人をつくる『うっとり美容』を指導。生活に合った無理のない実践的な指導が人気を呼び、2000名以上もの悩みを解決。テレビやラジオなど、多くのメディアで活躍中。近著に「不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳」(G.B.)「入浴の質が睡眠を決める」(カンゼン)

 

寝る前のちょっとした心がけで、明日の目覚めが気持ちの良いものに変わるかも! 3つのスリープセレモニーを実践して、良質な睡眠をゲットしちゃいましょう♡(平田真碧)

 

情報提供元/内野株式会社