大事なのは自分!他人を変えるにはどうすればいいの?

他人を変えるにはどうすればいい?

自分を変えるのは努力で何とかできますが、他人を変えるのはかなり難しいこと。むしろ自分が変わった方が早いと感じる人もいるかもしれません。でも、どうしても相手を変えたい人のために、変化球的なやり方で相手をジワジワ変えていくための心理テクをお教えいたします。そこで今回は、「他人を変えるにはどうすればいいのか」をご紹介いたします。

■自分の深い話をする・相手の深い話を聞く

心理学では、自分の情報を相手に伝えることを自己開示と言い、このアクションをされた相手は開示してくれた側に好意を抱きやすいとされています。しかし、この自己開示には広さと深さのベクトルがあり、単に一般的な話題を開示しても親密とは言えないのです。他の人には話さないような内面を、自分にだけ開示してくれたときに、好意の感情はより深まるとされるのです。そのため、変わって欲しい相手に対しては、まず狭くて深い話題をしてみましょう。差しさわりのない一般的な会話で終わらせるとあなたの言葉は相手に伝わりません。逆に、相手の深い話を聞いてあげるのも効果的。まずは、あなたの言葉が相手に浸透しやすい関係性をつくりましょう。

■「こうあるべき」を押し付けない

心理学者カール・ロジャーズは、もともと人には自分で自分の心の健康を回復させ、成長させようとする力があると提唱しました。相手を変えよう=受け入れられないというのは、あなた自身の「こうあるべき」という理想とのズレが生じているのが原因です。あなたがそのままだと、相手は頑なに自分を変えようとはしないでしょう。それを解決するためには、これまで認知していなかった現実の相手をあるがままに受け入れた上で「こうした方がいい」と提案してみましょう。そうすることで、これまでとは違った視点で相手もあなたの意見を捉えることができるようになるはず。

■繰り返して伝わる回数は“3回目”から

なかなか変わってくれない相手を変えよう、大切なことを伝えようとするのは、骨が折れる作業ですよね。そんなときは、会話の質よりも量を重視するようにしましょう。アメリカのケント州立大学で行われた心理実験では、事実と違う情報を印象づけるうえでは、1回だけ伝達した情報よりも、3回繰り返された情報のほうが6倍以上も記憶に残るという結果が出ました。つまり、相手に同じ情報を3回伝えることで、相手はその気になって変わってくれたり、言うことを聞いてくれるようになるのです。変えたい人がいるなら、3回はチャレンジしてみましょう。

■自分からフレンドリーになれば相手も心を開く

もしかすると相手が変わらないのは、あなたに相手に対するよそよそしさや苦手意識があるからなのかもしれません。相手もそれを感じ取って、あなたの言葉で変化することをシャクだと感じている場合も。そこで、相手のことを“名前+さん”で呼んでみましょう。相手の名前を姓で呼ぶか名前で呼ぶかは、1つわかりやすい親密度のバロメーターです。いきなり名前で呼ばれるとぶしつけに感じたり、気恥ずかしくなったりするものですが、嫌悪の対象ではない限りそれほどイヤな感じは受けないでしょう。下の名前で呼ぶことで「自我関与」が強まり、相手に対して親近感を持ちやすくなります。その状態なら、あなたの言葉も相手に受け入れられやすくなり、変わってみよう!と思ってくれる可能性も高まるはずです。

実は、他人を変えようとするのは究極のストレスだとされています。なぜなら、他者の課題に立ち入ってコントロールしようとするからです。でも、そこを乗り越えてでも変えたいなら、情報提供し続けることと半年以上忍耐強く待つことを心がけてみてください。変わることによるメリットをたくさん伝え続け、相手がそれを受け入れられるまで長い目で見てあげるのです。そうすれば、きっと変化を感じるはずです。でも、こう考えると自分が変わった方が、なんだか気が楽だと感じてしまいますよね。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。