美容界の風雲児「OCEAN TOKYO」高木琢也さんの【本気で自分らしく生きるためのセブンルール】

自分が輝くためには、人と同じ道を選んだら意味がない!

誰よりもカッコよくて、見たことのない自分になれる。その願いを叶えてくれるのが、おしゃれメンズの間で絶対的な人気を誇るヘアサロン『OCEAN TOKYO』を率いる高木琢也さん。自己プロデュースのセンスは、美容業界でもトップクラス。クリエイティブの源やこだわりのほか、自分らしさを貫く秘訣など、私たちの生き方のヒントになることをお話いただきました。

〉〉髪型は人生を変える!『OCEAN TOKYO』高木琢也さんインタビュー前編を読む

高木琢也(たかぎ・たくや)さん。1985年生まれ。メンズヘアを牽引する人気サロン『OCEAN TOKYO』代表。トレードマークは赤く染めた髪。1か月の技術売上(商品売上以外の施術での売上)が1,200万円超を記録したカリスマ的存在。日本最大級のヘアコンテストで、3年連続日本一を獲得。

「今は会社が大きくなって幹部や秘書など頼れる人材がいて、自分の弱い部分をある程度出せるようになりましたが、立ち上げた当時は泣き言はもちろん言えず、強くいなくてはとずっと気を張っていました」(高木さん)。

2013年に『OCEAN TOKYO』を設立し、2015年にはひとりで月間1,200万円の売り上げを叩き出し、サロンはわずか7年で渋谷・原宿・大阪に8店舗を展開するまでに。順風満帆そうに見える美容師人生ですが、決してそうだったわけではないと言います。高木さんが語ってくれたさまざまなことから、自分らしく生きるための7つの秘訣が見えてきました。

◆【その1】興味がなくてもやってみるミーハー心こそが美学

「美容師としてどんどん自信をつけるターニングポイントになったのは、初めてiPhoneを買ってから。『触り心地がめっちゃなめらかだから買ったほうがいいよ』と友達に勧められ、さほど気乗りせずに買って、Twitterを始めてFacebookを始めて…と自己発信をするようになってから世界が変わりました。前のサロンにいたときは取材なんてされたことがなく、どんなにいい髪型を作っても周りに広げられなかった。それが、『俺はこういう髪型がカッコいいと思っているし、俺はこんなに作れるんだ』と発信できるようになり、拡散され、賛同してくれる人が増えているのが見えるわけです。それまでmixiなどのSNSにまったく興味がなかったしむしろ嫌だったけど、それでも時代の波に乗ってやってみるというミーハーな感覚を持つことが美学。特に美容師は、スタイルを作るうえでもミーハーなアンテナは必要だと思っています」

◆【その2】今の時代にないものを積極的に取り入れる

「思春期というか、自分の感受性が高い高校時代あたりに影響を受けた人たちが、僕を作る基本になっています。降谷建志さん、窪塚洋介さん、長瀬智也さん。この3人は特に、今の時代にはないギラつきがあった。学生だった僕は制服を着て、守らなきゃいけない校則に縛られていたのに、3人は本当に自由で、『むちゃくちゃだな』と思って憧れていました。今は目立ちすぎず目立たなすぎずというのが主流で、正直僕はあまり好きじゃないですね。みんなが黒髪や金髪なら自分は赤だし、みんながシュッとしたキレイめの服を着ていたら汚いのを着るし、とにかく逆を行く。街の様子を見ても、今って特徴がないでしょ? 原宿でも渋谷でも同じ。昔は、原宿には前髪がめっちゃ短い個性派がいて、渋谷に行ったらガングロのマンバ系ギャルがいて、109にはお姉系がいて。メンズだったら、センター街にはセンターGUYがいて、奥に行ったらヒップホップ系がいた。あのくらい個性が出ていていいのになーと思います」

今や、憧れの窪塚洋介さんと仕事をするまでに! プライベートでも親交があるそう。髙木さんインスタグラム(@takagi_ocean)より。

◆【その3】みんなが選ぶ道は絶対に選ばない

「自分が輝くためには、人と同じ道を選んだら意味がないと思っています。毎日同じ道を通っていれば見慣れた景色で安心だけど、いつもと違う道にしてみたら新しい発見があるかもしれない。違う道は大変で厳しいこともいっぱいあるけど、それを経て、やれなかったことができるようになる。最終的に、『こんなことができるんだ』という仕事ができたりする。楽な方に楽な方にと流れちゃうから、普通以上のことができないんですよ」

◆【その4】「しょうがない」という気持ちの切り替え

「心が折れる時ももちろんあります。でも、悩んでいる24時間より、『しょうがねっか』と思ったほうがはるかに有効。『今日も怒られたな、イヤだなー…』と思いながらいつまでも寝られない夜を過ごすくらいなら、『仕方ないな』と思って好きなお笑い芸人のネタを見て寝るほうがいいでしょ。悩んでも答えなんかないんだから。反省はして、あとは自分ががむしゃらに頑張るしかない」

◆【その5】自分を応援するのは自分しかいない

「頼れる人が周りにいて、みんなに支えられてできていることもありますが、自分自身が『やってやる!』という強い気持ちがないかぎりは何事も成功しないなと思っていて。全部落ちた高校受験の時の記憶が強烈に残っているんです。受験は全部ダメだったけど、自分で自分のことを応援できなかったら応援してくれる人はいないだろう、と。『まだできる』と自分で自分の可能性を信じなければ、誰も手伝ってくれないんですよ。あのときは、意識を変えるうえで大きなターニングポイントになりましたね」

「OCEAN TOKYO」の頼れる幹部たち。髙木さんインスタグラム(@takagi_ocean)より。

◆【その6】インプットだけでなくアウトプットにも命をかける

「新たな発想が出てくるのは、音楽を聴いているとき。ジャンルも時代もさまざまな音楽を聴くんですけど、今よく聴くのは嵐の昔の曲かな。聴きながら『この曲が流行っていたときはあんなスタイルが人気だったな』と思い出すんですよね。曲からの紐付けで思い浮かんだものを、今の時代に落とし込むとか。あと、大事なことはアウトプットだと思います。自己発信もそうですが、今は社長として『俺はこうやってきた』と周りに伝えること。言った手前ちゃんとやらなきゃいけないから、自分が伸びるんです」

◆【その7】尊敬できない人からは嫌われてもいい

「尊敬している美容師は…いないですね(笑)。業界のトップクラスには認めてくれる人はいますけど、だいたい『調子に乗ってる』とか『生意気だ』とか言われているんで。仲良くしている人はいても、心の中では『絶対に負けねぇ』って。それが美容師だと思っています。すごいなと思っているのは、デザイナーの山本耀司さん。あんなぶっ飛んでいるおじさんはいないですね。ヨウジヤマモトって言ったら、世界中の人が『あの黒い服のね』ってわかるじゃないですか。『あの赤い髪の美容師ね』っていうのは東京の人しかわからないからなぁ。耀司さんは、嫌われてディスられることが最高!って人なんですよ。なかなかそう言い切れないですよ。ヨーロッパが主流のプレタポルテの世界に黒のデザインを持っていって、『そんなのあり得ない』という声を納得させようとずっと戦ってきた。僕の根底にあるのも、今まで否定してきた人や嫌がらせをしてきた人を絶対に納得させてやるという気持ちだから、耀司さんを尊敬できるのかもしれません。耀司さんには『高木くんは僕の服着ないよね』と言われます。そこでも逆をいって、耀司さんに会うときは赤い服を着ています(笑)」

ヨウジヤマモト オムのパリコレのヘアを髙木さんが担当。黒と赤の共演。髙木さんインスタグラム(@takagi_ocean)より。

 

とどまるところを知らない、『OCEAN TOKYO』と髙木琢也さんの人気と注目度。インタビューを通して伝わってくる確固たる意思に、その所以があると感じます。最後に今後の野望を聞いてみました。

「日本人の、美しい、カッコいい、かわいい、キレイをすべて作れる会社にしたいです。メンズ向けの脱毛サロンとかシェービングサロンを展開したり。『OCEAN TOKYO』というブランドを超え、例えば資生堂みたいな組織として美容をトータルにプロデュースできるようにしたいですね」

〉〉髪型は人生を変える!『OCEAN TOKYO』高木琢也さんインタビュー前編を読む

構成/斉藤裕子