ショート&ボブにこだわる美容師『GARDEN Tokyo』KOMAKIさん流【今どきショートのポイント】

フォルム、スタイリング、カラー。おしゃれに見えるショートを徹底解剖

約5万のフォロワーを持つ、GARDEN Tokyoの美容師、KOMAKIさんのインスタをのぞくと、ショートとボブのオンパレード。以前に比べると、世の中的にも短い髪の女の子が増えている気がします。KOMAKIさんが作るスタイルは、まさに時代にフィットしているショートやボブ。短いけれどボーイッシュにならず、程よく甘さがあって爽やか。「ショートって顔がかわいくないと成り立たなくない!?」という人もいると思いますが、ポイントを押さえれば抵抗なくチャレンジできそう!

KOMAKI(こまき)さん。1992年生まれ。都内近郊(+ニューヨーク)で全10店舗を展開するヘアサロン『GARDEN』の『GARDEN Tokyo』店の店長を務める。センスをキャッチするアンテナに加え、発信力もあり。丁寧で的確なカットで、おしゃれなショートやボブを生み出す。@komakii

大事なのはサイドバング。顔周りはマッシュラインにして耳にかける

顔がばばーんと出ちゃうけど、それだけでおしゃれに見えるショートやボブ。今は長くても「思い切って短くしたいな」と密かに憧れている人も少なくないんじゃないかな…と思っています。大ぶりのピアスは映えるし、甘めのレトロファッションを合わせてもハマりすぎないし。

「ウィズコロナの今はマスクが必須。マスクをしていると気になるフェイスラインやあご下が隠れるから、今こそショートにチャレンジしてほしい!」というKOMAKIさん。

「ショートにすると顔が出ちゃうとか、首が長くないから似合わなそうだなというネガティブな気持ちがあって切れなかった人でも、ぜひ切ってみてほしい。しかも冬服ってモコモコしているし、ビッグシルエットも引き続き人気で、髪がコンパクトだとバランスがいいんですよ」

確かに! そして、実際にカットする人が増えてきているそう。

「『悩んでいるんです』と言いつつ後押ししてほしい気分の人が来ているんじゃないかな。躊躇しているなら一度ミニボブくらいにして、ワンクッションおくのもおすすめ。そうすると、意外と『もうちょっと切りたい』とそこからショートにする人が多いですね」

取材陣も驚いた変身っぷり。あか抜け度がグンと増してる!!

ちょっと勇気のいるショートだからこそ、カットするからにはその人に似合っていて、褒められて、とにかく満足度の高いスタイルを私たちは求めます。短すぎて、メンズっぽくなるのはイヤだし、手持ちの服が似合わなくなるのも残念。KOMAKIさんいわく、今どきでかわいい短めヘアにするために大事なポイントは以下の3つなのだとか。

①顔周りはちょい重めのマッシュライン

顔周りはマッシュっぽく斜めにカットする。

 

「顔周りに丸みがあって、カット自体は重めにするのがかわいいです。ちょっと前はシースルー前髪を合わせたりした軽い感じのショートが流行っていましたが、重めに切ってスタイリングで軽い質感にしています。このマッシュラインが、抜群に今っぽいと思います」

サイドバングは必ず残す

サイドバングはココ。ココがないと前髪が耳前までパツッと切り込まれ、顔が全開になる。

「マッシュラインの話にもつながるのですが、前髪は黒目と黒目の内側だけで、そこから外はサイドにつながるように斜めにカットします。実はこの部分が小顔に見せるにはすごく大事で、例えば髪を結んだ時にここがスカスカだとフェイスラインをカバーするものが何もなくなり顔が大きく見えてしまうんです。すごくモードに見せたい、という人は別ですが、かわいいショートには絶対に残す所です」

③耳にかけられる長さはキープ

内側の髪を耳にかけて表面の髪をかぶせると、よりあか抜けて見える。

「ショートでも耳にかける前提にしています。『顔が出るのは恥ずかしい』というオーダーが多く耳が出せるくらいハンサムには切れないため、耳周りの髪を重めにカットして耳にかけると、全体的に丸さが出てかわいい。重めのカットのせいか、耳にかけないとなんだか古く見えちゃうんですよね。全部を耳かけにするのではなく、内側を耳にかけて、ちょっと長めに作ったサイドバングをふわっとかける感じ。だからやっぱり大事なのはサイドバングですね」

ストレート+オイルのシンプルなスタイリングだけで決まる

少し前までは、短くても丸みがつくように巻いたあとにクシャッとさせてワックスで束感を出す…というスタイリングが主流でしたが、ここ最近はスタイリングに手をかけていないからこそこなれて見えるという髪型が人気。カットラインが引き立つ、切りっぱなしラインのスタイルが流行っているためでしょうか。

「外ハネでも内巻きでもない、ストレートアイロンをまっすぐに下ろしただけのストレートがおすすめです。髪が多くても、内側とか適正な場所にスタイリング剤をつければ髪は広がりにくいですよ」

ストンとしたストレートだけど、モードになりすぎないのは細かな束感の効果。

「この細かな束感や前髪の軽やかさは、オイルです。オイルを毛先中心につけて、目の粗いコームでとかしながら髪の中間部分に伸ばしていく感じでスタイリングしています。オイルを最初から中間に付けてコーミングすると根元近くにまでついて油っぽく見えてしまうので、必ず毛先に!」

KOMAKI流ストレートはコーミングがマストなのだそう。

カラーはラベンダーベージュと明るめベージュの2択

ショートがより素敵に見えるカラーや、オーダーが多いカラーはあるのでしょうか? いっときはみんなアッシュアッシュ言っていましたけど、意外とアッシュカラーって肌がくすんで見えるから要注意だと思っています。トレンドカラーはどうですか?

「ショートにしたい人は意外と、髪型が気に入ればカラーはお任せという場合が多いんです。ミディアムやロングの人の方がカラーにこだわりますね。ショートの人は、明るめか暗めかを指定される程度なので、私はそこまでくすんでいないベージュ系をおすすめしています。ツヤ重視の人にはラベンダーベージュ。明るめにしたい人には、クリアなベージュ。透明感も大切にしています」

 

ショートにするには思い切りが必要だけど、その分一気にシャレ見えしそう…! クセ毛でもうまく対応できるよう技術も進歩しているので、髪質で諦めてしまう場合でも美容師さんに相談してみるのもテ。マスク生活にちょっと変化がほしい人も、ぜひトライしてくださいね!

 

構成/斉藤裕子