人気ヘアスタイリスト『GARDEN Tokyo』KOMAKIさんに聞くショートとボブに特化した【美容師SNS戦略】

インスタグラムをパッと見るだけで自分の得意なヘアスタイルがわかるような画像構成に

今回は、GARDEN Tokyoの人気美容師であるKOMAKIさんのインスタグラムとの向き合い方や、なぜショートやボブなどにこだわるようになったかなど、KOMAKIさん自身のことをフォーカスします。

KOMAKI(こまき)さん。1992年生まれ。都内近郊(+ニューヨーク)で全10店舗を展開する『GARDEN』の、GARDEN Tokyo店の店長を務める。センスをキャッチするアンテナに加え、発信力もあり。丁寧で的確なカットで、おしゃれなショートやボブを生み出す。@komakii

―KOMAKIさんのインスタにはショートとボブばかりですよね。短いスタイルが得意なんですか?

「ある時、ショートの人を切っていて、『ショートやボブのバランスを見極めるのが得意かも』と思ったんですよ。首の長さや耳の位置、骨格などを見て、『この人はこんなショートが合うな』というジャッジが早いんじゃないかな。そしてバランスをとりながらカットするのも好きです。『この人は後ろは短めがいいな』とか『この人は前髪が長いといい感じ』とか。そして去年の春あたりにショートのスタイルをインスタにあげたら、めちゃめちゃバスりまして

転機となったショートの1枚。耳周りに長さがあるため、耳かけしてスッキリ見せるのが特徴。

「新型コロナ感染の影響で撮影ができなくなったため、以前に撮ったスタイルを探したところ『ボブもいけるかも』と思いまして。れいなちゃんというサロンモデルのスタイルをアップしたらこれも人気になりました」

ばっさりカットする場合は、一度ボブにしてワンクッション挟んでからショートにしても!

―インスタは何人かのサロンモデルで回している感じですね。写真をリフレインしているのは意図があるのですか?

「5人くらいのサロンモデルを使っています。ショートとボブを混ぜこぜにして、4枚に1枚の割合で自分の画像を入れています。同じ画像を繰り返し使っているのは、自分のカラーを出したいというのもありますが、どのスタイルに反響が大きいのかがわかりやすいから。人気のスタイルに似た雰囲気やシルエットのものを固めていくことで、より見やすいようにしています」

KOMAKIさんのインスタ(@komakii)。得意なスタイルがわかりやすい。

―たしかに全体を通して統一感がありますね。

「あとは、みんな同じリップを使っています。肌が白く見える赤オレンジ系で、セルヴォークの9と10を重ねて塗ります。わりと濃いめに塗って、メリハリが生まれるように」

―実際にどんなオーダーが多いですか?

「私のインスタを見て来てくれる人は、サロンモデルのスタイル指名が多いですね。『真雪ちゃんショート』とか『ちひろちゃんボブ』とか。サロンモデルはインスタグラマーになっている人が多くて、10万人くらいフォロワーがいる子もいます。あとは、韓国人女優のコ・ジュニさん。『彼女はキレイだった』というドラマの時のショートが人気ですね」

―KOMAKIさん自身はロングですよね。ショートにはしないんですか?

「私は、襟足が深くて後頭部が絶壁という、ショートには向かない骨格なんです。なのでもし私みたいな骨格の人がショートにしたいと来られても、すすめないですね(笑)。もしショートにするとしたら後ろは刈り上げなくてはいけなそうで、そうすると3週間に1回くらいカットしないといけない。あまり無理をしても…と思うので、よりよい提案をするようにしています」

―ちなみに、KOMAKIさんが注目しているヘアが素敵な人はいますか?

松本恵奈さんです。マッシュショートがとってもかわいいんです。大ぶりのイヤーアクセも似合うし、変化させながら進化させている感じで気になっています」

 

選択肢が広がることでトレンドが細分化している中、逆に「自分らしさ」が発信できるSNS。インスタグラムをうまく営業ツールにしつつ、リサーチするのにも使っているKOMAKIさん。KOMAKIショートの人気はまだまだ広がりそうです。

 

構成/斉藤裕子